学園の始業
21XX年4月
春になり桜が舞う季節ここテルル学園でも始業式が行われいた。
「クラスどこ?一緒?ホント?やったー!」
「またこいつが担任かよ。」
「とりあえずトイレ行くか」
など様々な声が聞こえる。ちなみにここテルル学園は小中高の一環でありしかもクラスも一学年2クラスと生徒数も多くなく一クラス30人であるためほとんどの生徒が顔見知りである。それもそのはずこの学園は国家の軍であったり優秀な科学者など国のための精鋭を育てる学園なのである。なのにこの目の前にいる
奴らはよくもまあ毎年同じほぼ変わらないメンツなのに10回目のクラス替えにこんなにも騒げるものだ。
俺は自分のクラスを見てさっきのやつと同様に
「またこいつが担任かよ」
と毒づき自分のクラスへ向かう。というか担任の教師も俺たちの学年は2人なのでどっちになるかなど二分の一なのだがそれでもやはり去年と同様の教師は少し気が滅入るのである。
少し歩いて俺の今年のクラスであるH-αと書かれた教室の扉を開く。
「まだ、誰も来てないか。」
「いるわよ。」
そう尖ったような声が左の奥の方から聞こえてくる。
「なんだ、いたのかよ。」
「なんだとはなによ。あんた入ってきた瞬間気づかなかったの?そんなんじゃ軍の総隊長なんて到底無理よ」
「お前こそ、そんなに陰が薄いと先鋒隊長に選ばれねーぞ。」
「私はあんたと違って剣術に長けてるのでご心配なく。」
そんなやりとりを交わすのは俺が一番腹を割って話すことができて尚かつ幼い頃からずっと仲のいい”アルミナ・シールズ”という少女だ。ちなみに俺の名前は”コークス・キセノン”だ。
そんなことはさておき俺は自分席である教卓から見てど真ん中の一番後ろの席に座った。
席順はアルミナの席である教卓から見て一番右後ろを先頭に名簿順という割とシンプルな並びである。そんなやりとりをしていたらようやく馬鹿騒ぎが済んだのかほかの連中もぞろぞろと教室に入ってきた。
そして、そいつらが全員自分の席に着いた頃にスーツ姿の30代半ばくらいの先生も入室し教卓の前に立った。
「みなさんこんにちは。今年のαの担任のフラーレンだ。よろしく頼む。」
と先に一言挨拶を済ませたフラーレンは軽く咳払いをして話を続けた。
「今年で君たちも高校生だ。つまり今年からは君たちには卒業後の任務に向けた。実践的な訓練も入ってくるわけだが、まずその前に君たちにはちょっとした実践テストを行ってもらう。」
そう言うと生徒達からは
「どーせまたくだらない木剣での対面訓練とかだろ?楽勝だぜ」
「あんなのやるくらいなら家で寝転がってる方が三半規管も鍛えれて実践的だぜ」
「とりあえずトイレ行ってきます」
など節々からテストを舐めた声が飛ぶ。
「先に言っておくが今回のは命の危険もある。過去に死者も出ている。」
そんな脅しのような言葉に生徒達は
「つまんねー嘘ついてんじゃねーよ」
「脅し乙」
などの声が飛ぶ。
「そこまで言うのなら証拠として去年の映像を見せよう。ちなみに去年の生還者(合格者)は30人中たったの13人だ。
そう言うとフラーレン先生は教卓の中からプロジェクターを取り出し黒板に写した。
その光景はすぐに言葉になるものではなかった。