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81話 夏は続く①

 お台場に遊びに行ってから一週間ちょっとが経過した。あれ以来桜子ちゃんとの距離もなんとなく近くなったようなそうでも無いような、なんとも微妙な感じがする。


 この一週間の間に現れた影霊は一体、その一体でアリスの力を色々とテストさせてもらった。


 即死魔術が効くのはどうやら自分よりかなり弱い雑魚敵だけらしい。


 そこそこの強さだったその影霊には通用しなかった。


 使えるのはあのスケルトン足軽やサンドワームの大群みたいな、雑魚のくせにやたら数が多いみたいな場面でだろう。


 また即死魔術以外にも、学園でアリスと戦った時に彼女が使っていたような軽い念力的な力も使えるようになっていた、こっちは汎用性高くて結構便利かも。



「アラハバキは倒してからだったっけ、アリスは自分から力を貸してくれた……」


 洋菓子店でのバイト時間、椅子に座りながらカウンターに突っ伏して今一度アリスの力について考える。


「まだ増やせるのかな。いやいや、そもそもこれ以上影霊の力使ってもいいのか……」


 そんな事をボソボソと呟いていると、カランというドアのベルが鳴る音が聞こえた。


「いらっしゃいませ──。って、あなたは……」


 顔を上げドアの方を見る、そこには見知った人が。


「久しぶりあげはちゃん」


 入ってきたのは煌びやかな銀髪が特徴的なスタイルの良い女性。そう、東坂家当代退魔巫女である東坂舞花さんであった。


「は、はい。お久しぶりです」


 確かに直接会うのは久しぶりだけど……正直この人テレビとかでしょっちゅう見かけるからあまりそういう感じはしない。


「今日はどうしたんですか?」


「ちょっと、仕事で近くまできたから」


 サングラスをとり、私の方をジロジロと見てくる舞花さん。


「あげはちゃん、その服似合ってるじゃない!」


 と、メイド服みたいな制服を褒められる。もう流石に慣れたけどそうやって改めて言及されると恥ずかしくなってくる。


「ど、どうも」


 そうして彼女はケース内のケーキ達に視線を向ける。


「んー、どれも美味しそうね……」


「はい、おすすめは──」


 取り敢えずしっかりと接客。その後舞花さんはミルフィーユを二個ばかり買っていった。


「そういえばあげはちゃん、この間お嬢とデートしたんだって?」


 お嬢……というのは柚子の事か。


「デートっていうか、普通に原宿に遊びに行っただけですって」


「そうなの? とにかく、お嬢ったらその時の事楽しそうに話してきてさ〜」


 た、楽しそうに? なんだか柚子のイメージと全然違うんだけど。


「今度は私と遊びに行かない? いいとこに連れてってあげるよ?」


 この人そんな暇あるのかな、めちゃくちゃ忙しそうだし。


「はい、時間が合えば」


 取り敢えず社交辞令的にそう返答しておいた。


「おっと、もう時間。じゃ私はいくね。バイバイ〜」


 そう言って舞花さんは去っていった。


「……やっぱ忙しそうだなぁ」


 流石、トップアイドルというべきか。


 そういえば、超絶今更だけど私って舞花さんや柚子がどんな姫神と盟約してどんな退魔巫女になるのか全然知らないなぁ。


 あの二人と一緒に戦う機会なんてないし、二人は普段は西東京の方の影霊を狩ってるらしいけど。


 舞花さんはドラグノフを使った狙撃タイプっぽいけど、柚子はどんな感じなのだろうか。


 あの娘、頑固だし気が強いからなんとなく近接武器でバシバシ影霊を倒してそうなイメージ。


「おいあげは、今日は上がっていいぞ」


 と、厨房内にいる紫電さんから声がかかる。


「はい、お疲れ様でした」


 私はカウンターを出て更衣室に向かう。



「はぁ……今日は結構暇だったなぁ」


 そんな事を呟きながら制服から私服に着替える。


「あげは、まだいるか?」


 そこに紫電さんがやってくる。


「いますけど、どうかしましたか?」


 まさか残業頼まれるとかじゃないよね……?


「ほら、これやるよ。最近影霊退治頑張ってるからな」


 紫電さんはなにかのパーツを私に手渡してきた。


「えっと……これは?」


 手渡されたのは、多分銃のカスタムパーツ。グロックのアンダーマウントレールに取り付けできるタイプのやつだろうか。


 ──でもこれはなんだろう。ちょうどL字型で側面の縦線の部分がトゲトゲしたスパイク状になっている。


「ん〜……」


 確かにこういうパーツには見覚えあるんだけど、これなんて言ったかなぁ。


「お前のグロック出してみろ」


 と、紫電さん。私はロッカーの中に入れてた愛銃を取り出す。


「弄らずにそのまま付けられるから、取り付けてみろ」


 私はその言葉に従い、レール部にパーツを嵌める。


「お、おぉ……」


 するとあら不思議。シンプルだったグロック18Cがかなり攻撃的な雰囲気に変貌した。丁度フロント部、前面の部分がトゲトゲしたスパイクに覆われている。


「これなんてパーツですか? 見たことはありますけど……」


「ストライクフェイスって言ってな、近接戦闘用のパーツ」


 拳銃で近接戦闘とはどういう事だろうか。


「これで殴れ」


 ──いやいや、そうはならないでしょ。



 結局後からきっちり自分で調べてみた、どうやらこのパーツには色々役割があるらしい。


 例えばこれを付けていると、押しつけて発砲しても動作不良にならないとか。あとトゲトゲのとこは滑り止めの意味もあるとか……あとこれで殴るとか。


 近接戦闘用って本当だったんだ、紫電さん疑ってすみませんでした……

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