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66話 地下研究所

「ほら、これ」


 私は灯にワルサーPPKを手渡そうとする。しかし……


「いらんて、私銃が嫌いなんだよ」


 と、受け取りを拒否する彼女。


「え、でも一応持っておいた方が……」


 嫌がる灯、いつまで経っても受け取ろうとしないので諦めた。


 灯はケースの中に入っている小さなインカムを取って女子トイレを出て行った。そうして入れ替わるように真鶴さんが入ってくる。


「……! あ、あげはちゃんその格好は──」


 私の姿を見て驚いたようなリアクションを見せる真鶴さん。


「な、なんですか?」


 なんだか嫌な予感しかしない。


「かわいい! お持ち帰りしたいわ!!」


 ムギューっと抱きつかれる。嫌な予感は見事的中……


「く、くるしい……」


「はっ、ごめんなさい。あげはちゃんが可愛くてつい」


 慌てて私から離れる真鶴さん。つい、じゃないでしょまったく。


 真鶴さんはケースの中に入っていたワルサーPPKにサプレッサーを取り付けカバンの中に放り込む。


「あれ、灯ちゃん持ってかなかったのかしら……あ、あの娘銃が嫌いなんだっけ」


 そう言って真鶴さんは残ったもう一挺を私に手渡した。


「残しておくのもあれだから持っておいて」


 ──そういえば、Vz61にはサプレッサーが付いてなかったっけ。一応こっちも持っておこう。


 そうしてそれを受け取る。真鶴さんは鏡を確認しながら耳にインカムを取り付ける。


「私と灯ちゃんは隙をついて、ホールから出て色々と調べてみるから。あげはちゃんはこのままもう少しホールで情報を集めておいてくれないかしら?」


「わかりました」


 そうして、真鶴さんはトイレを出て行った。


『カメラの妨害がそろそろ切れる』


『わかった……あ、あとトイレからさっきの従業員用出入り口までの通路のカメラを妨害してもらえるかな?』


 私は念話で霧にそう伝える。ワルサーPPKは私のハンドバッグが隠してある場所に置いておこう。



 そうして、トイレを出て黒いケースをハンドバックの隣に投げて隠しておく。そのまま私はホールに戻った。


『あれ……そういえば雫は?』


 客役として来ると聞いたのに、二人とは一緒に居なかったようだが──


『雫ちゃんの事は気にしなくていい、自分の仕事を進めて』


 気にしなくていいと言われても気になるんだけど。まあ取り敢えず今は霧の言う通り自分の役割を果たすべきか。



 その後、私は先程までと同じようにホールでバニーガールとしての仕事をこなす。


「……そういえば、B区画がまた喧しいんだが」


「あぁ、あそこは下の組織の管轄だからなぁ。俺らじゃどうしようもないって」


「……ったく、地下でなんの実験してんだか」


 そんな中、私は休憩中のディーラーと思わしき二人組のこんな会話を耳にした。


「……B区画ってわかりますか?」


 小声で真鶴さんにそう報告をする。


『うん、フロア図を見つけたけど怪しい場所がある。そこに行ってみるわね』


 真鶴さんの返答。先程からホール内に二人の姿が見えないが、どうやらうまくカジノ内を抜け出して裏の区画に潜入出来ているようだ。


 二人とも、頑張って……!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜


-湾岸プラント 裏エリア-



「B区画……えーっと、多分この辺かな」


 湾岸プラント内、雑多な会議室のような部屋。机の上に広げられている見取り図を確認する灯。


「地下に行けるのかここからだけみたいね」


 真鶴は"B区画"と言われたエリアを指さす。


「……おう、わかった。真鶴さん、このルートなら監視カメラに映らずそこまで行けます」


 霧から伝えられた情報を真鶴にも報告する灯。適当に転がっていたペンでそのルートをフロア図に書き込む。


「うん、まあいざとなったら霧ちゃんにハックして貰えばいいけど」


 ルートを一瞬で頭に入れた真鶴は、フロア図を折り畳みバッグにしまう。


「にしても、この建物無駄に広いですね」


「ええ、そうね……その分地下のスペースも。一体ここで何をしているのかしら」


 とぼけたようにそう呟く真鶴。


(なんか、何してるのかなんてとっくにわかってそうな雰囲気だけどなぁ……)


 内心そんな事を思う灯であったが、それは口に出さない。


「……やっぱり、ここの組織って真鶴さんの」


「どうかしら、まあすぐにわかるわ。さ、行きましょう」


 真鶴はドアの前に立つ、会議室までの通路に誰もいない事を確認し外に出る。


『そろそろ、そこのカメラの妨害も切れる。灯も早く出て死角のルートに向かって』


「わ、わかってるて」


 灯は机の上に置いてあった愛刀"焔"を持ち部屋を出た。


 焔は西嶋家に伝わる妖刀、普段は退魔巫女状態の時のみ発現するが。こうして変身していない時でも呼び出すことができる。


「それにしても、ホントに飛び道具持たなくて平気なの?」


 真鶴が心配そうな声色で灯にはそう問いかける。


「大丈夫ですって、銃……催眠弾なんか無くたって似たような事は可能ですから」


「まあ、灯ちゃんの剣の腕なら心配はないと思うけど……あ、そろそろB区画に着くわね」


 事前に示されたルートを進む二人。果たして湾岸プラントの地下に待ち受けているのは……

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