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42話 五年後の私は何をしているのでしょうか?

「……え? それってマジ?」


 さらに詳しく事情を話す、すると未来の灯は何かを思い出しているように考え込む。


「そうか……あの時言ってたのって、このタイミングだったのか……」


 なにやら一人で納得している様子の彼女。


「ちょ、何かわかったなら私にも教えてくれない?」


「あー、うん。てかその前に……ここ八年後じゃないよ?」


 え、マジで? 私てっきり前と同じ八年後に来てしまったのかと思ったけど……


「今って西暦何年?」


 そうして、私は灯から西暦を教えてもらった。どうやらここは現代から五年後の世界らしい。


「……この前迷い込んだ時よりも前なのか」


 あの人は何故私を五年後の世界に連れてきたのだろうか、益々謎は深まるばかりだ。


 ……てことは、この時代の灯は二十歳くらいってことか。


「で、色々と聞きたいんだけど」


 ともあれ、知りたい事は山ほどある。まずは……


「私がいなくなったってどゆこと?」


 まず気になったのはそこだ、灯はまるで私に数年ぶりに再開したみたいなリアクションをしてた。


「いや、そのままだよ。お前急に消えて……」


 そうして、灯はこの世界の実情について詳しい話をしてくれた。


 この世界は影霊が跳梁跋扈している、現と朧が完全融合し境目が無くなった世界だとの事。


「……」


 予想はしていたけど、思った以上に重い事実に少し震えてしまう。


「世界がおかしくなったのは四年前、大体二月くらいだったかな、朧が急速に拡大していってさ……で、それに比例するように影霊もワラワラ湧いてきて」


 影霊というものは本来、特定の地域にしか存在しないモノ。が、ある時から急速に世界にそれが広がっていったとか。


 朧が拡大、増殖するにつれて現においても次第に影響を及ぼしていった。


「まあ、世界は大混乱だよ……世界にいる魔法少女や退魔巫女なんて数も知れてるし」


「なる……ほど」


 やはり、鍵はそのおかしくなったタイミング……四年前の二月という事は、私のいる時代からみて八ヶ月ほど後にあるのだろうか。


 スティーブンが言っていたタイミングとも合致する。いったいその月に何があったと言うのだろうか。


「それだけじゃない、それからしばらくしてだっけな。東京を囲むような大きなドームみたいなモノができてさ」


 そう言って灯は空を指差した。


「え? ちょっと待って!」


 まさか、もしかしてとは思うけど……


「あれ、空じゃないの?」


「んな真っ赤な空があってたまるかよ、まあたしかに一応月みたいなのもあるんだけどな……」


 衝撃の事実。私が空だと思っていたモノは全く違ったモノのようだ。


「それでさ、東京は完全に外と遮断されちまったよ……何やっても原因わかんねーし、情けないよな……こんな力持ってたって何もできない……ただ世界がおかしくなってくのを見ていくしかなかった……」


「灯……」


 力なく項垂れる彼女、私が今どんな気休めの言葉をかけてもそれは意味をなさないだろう。


 私は灯のその姿を眺めることしか出来なかった。


「それで、私がいなくなったって?」


「そのままの意味、ちょうど世界がこんなことになる前だったかな、あげはがいきなり居なくなってさ」


 私が居なくなった?


「……どうしてだろう」


 私の身に何が起きたのだろうか。


「私は……もう、あげはは死んじゃったんじゃ無いかってずっと……だからお前見たとき……」


 再び涙声になる灯、なんだか意外だ。灯が私の事でこうも感情的になるなんて。


「……ごめん」


 なんかもの凄く申し訳なくなってきた。未来の私は一体何をやっているんだ、こんなに友達を悲しませて。


 そうして今の私、灯にぬか喜びさせてしまったことも申し訳ない。


「なんでお前が謝るんだよ! はぁ……それで思い出したんだけど、五年前の四家会議の日だっけ?」


 話題を切り替える彼女。


「うん、私はその日から飛んできた」


「……そうなのか、思い出したんだよ。あの日、あげはが突然消えたと思ったらさ、なんか変な奴が現れたんだよ」


 私はその話を詳しく聞かせてもらった、四家会議の途中で私は突如姿を消したらしい。そうしてそれと入れ替わるように……フード被りマントを羽織った人物が現れたとか。


 なんだかめちゃくちゃ心当たりのある人なんですけど。


「そいつ、私もさっき会ったよ」


 私も先程の出来事を話す。


「あー、なんかあげはも言ってたような……」


「というか、私はちゃんと戻ってきたんだね?」


 そこは安心した。まあ、それまでの話から見て私が元の時代に戻っているのはわかっていたけど。


「……アイツ、あっちの時代に飛んだって事?」


 それなら今、私がいない間はアイツが現代でみんなと対峙しているというわけなのだろうか。


「なのかな〜? ってかアイツ、なんかマジで意味不明な事喋ってたわ、繰り返しの歴史がどうとか、今度こそそれを破れるかとかなんとか……」


「あー、そりゃ確実にあの人だわ」


 にしても、みんなの前に現れて、私に語ったのと同じような事を喋って……ますます何がしたいのか分からなくなってきた。


「そうだ、後一つ大事な事……雫は?」


 できるならこの時代の雫にも会いたい。そう思ったんだけど……


「……」


 灯は沈黙する。


「……え?」

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