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カエルのルピー(絵本のストーリー)

作者: ロケット


ここはカエルの世界。

夏の合唱会に向けて

歌の練習がはじまっています。

『歌はみんなで歌うとより良い合唱になります。みんなで歌ってみんなで作ると感動した合唱会になりますよ』

リーダーレッドはみんなを励まします。


リーダーレッドの励ましにみんな力が入ります。

夏に合唱する事はカエルの使命だからです。

ただし、一匹を除いては・・・


『私歌うの嫌い。毎日毎日なんで同じ歌を歌わなければいけないの?去年の合唱会も全然感動しなかったわ』

ルピーはずっとそんな事を考え続けていました。

歌の合唱会が大嫌いなのです。



翌日からルピーは歌の練習に参加しなくなりました。



『今日もルピーは練習に来なかったわね』

『そうね。どうしたのかしら、ルピーのすみかに様子を見に行ってみようかな』

ココとナッツはルピーのお友達。

ルピーの事が心配です。

ココはルピーのすみかに様子を見に行きました。


『どうしたのルピー、練習来ないからみんな心配してるわよ』

『私練習行きたくない』

『どうして?リーダーレッドもみんなで歌うと感動するって言ってるじゃない?』

『どうしてみんなで歌わなければいけないの?』

『どうしてってカエルは夏になるとみんな合唱するのよ』

『みんながやってることなんて私したくないの。私練習行かない!』

ルピーはそう叫ぶとココを追い払ってしまいました。


ココはその事をナッツに話ました。

今度はナッツがルピーを説得しに行きました。


『ルピー、歌の練習に行きましょう』

『嫌よ、私歌うの好きじゃない』

『カエルは夏になるとみんな歌うのよ。

それが普通なのよ』

『普通なんて退屈よ。どうしてみんな普通で平気なの?普通なんて大嫌い!』

ナッツも追い払われてしまいました。


ココとナッツはリーダーレッドに相談しました。

リーダーレッドはルピーのすみかに話をしに行きました。


『ルピーの気持ちはココとナッツから聞いたよ』

『私練習行かない』

『わかったよ。ルピーは練習に来なくてもいい。歌も歌わなくていい。だが夏の合唱はカエルの使命だ。歌わなくてもいいけどカエルの使命は果たしてもらう』

『歌わないで使命を果たす?どうやって?』

『それは自分で考えるんだ。使命を果たせなければこの田んぼから出て行ってもらう 。いいね』

そうつげるとリーダーレッドはルピーのすみかを離れました。


合唱会当日。

ルピーはやってきました。目は充血して、目の下には黒いくまができており、体は痩せ細っていました。


『約束通りカエルの使命は果たしてもらう。どうやって使命を果たすつもりかい?』リーダーレッドはたずねました。


ルピーは手を震わせながら、

葉っぱでできたカバンから

あるものを取り出しました。


それは花飾りでした。

『私が作ったの。これをみんなで付けて歌って欲しい』

ルピーの声は小さくかすれており、

震えていました。


リーダーレッドはその花飾りの美しさにびっくりしました。しばらく声が出せませんでした。それほどまでによくできた美しい花飾りだったのです。


『すごい綺麗、これ全部ルピーが作ったの?すごいねルピーは』ココとナッツは目を合わせて感動しました。みんなもルピーが作った事に驚きましたが、すぐにその花飾りをとても気に入りました。


みんなその花飾りを付けました。花飾りを付けてみんなの気持ちはよりいっそう高まりました。

そして、今までのどの合唱会よりも華やかな合唱会になりました。力強く美しい歌声が田んぼ全体に響き渡ったのです。


ルピーはみんなに認められ、

みんなと仲良く暮らしました。

来年も再来年もずっとルピーはみんなの花飾りを作りました。


おしまい











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