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プロローグ
2話書き進めて「裏野ドリームランド」がいっこうに出てこなかったので、冒頭に書き足してみました。ごめんなさい。
ああ! こんな事になるなんて!
二十年前に閉鎖された廃遊園地のミラーハウスの中で女は恐怖に顔を歪ませた。
女がここにやって来たのは根拠の無いウワサの為で、少しの好奇心と少しの欲、絶対叶うはずのない少しの希望を抱いてしまったせいでもあった。
そして今
恐怖に歪んだ顔が鏡に映っている。更に鏡がくにゃりと曲がって女の顔はいっそう醜悪なものへと変化した。
断末魔の悲鳴が夜の廃園に吸い込まれ、
取り落とした懐中電灯の明かりは次第に弱くなって力をなくしていった。
女が最後に抱いたのは絶望。
それだけだった。