表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/29

第13話 イタズラな風のせいで

今回はこの作品中で、一番短い話です。


それから今回は、お約束のパンチラネタです。

 「ああっ、急がないと〜」


 「どうしたのミズキちゃん?」


 「うん、風が強くなったから。

 洗濯物を取り込まないと、飛ばされそう」




 数日経った、ある日の事である。


 この付近に、台風が近付いていて。

直撃こそしないけど、カスりそうな感じだし、天気が悪くなるのは確実である。

それで、天気が悪くなる前に、洗濯を済ませて干していた。


 最初、朝の内は、ほとんど無かった風が。

昼前になり、段々と強くなって行く。


 外を見ると、まだ雨は振りそうには無いが。

洗濯物が、風に飛ばされそうになっている。


 それを見て、慌てて、外に出てみたら。

着ている白いワンピースの(すそ)が、危うく(めく)れそうになった。


 そんな強い風の中、洗濯物を取り込もうとした所に。

たまたまカズちゃんが、縁側を通っていたのであった。


 カズちゃんは、そんな僕を見て尋ねてきたので。

急ぎつつも、カズちゃんにそう答える。



 ・・・



 ここに来てから僕は、色々と家事を行っている。


 昼間は、叔母さんが働きに出ているので。

その代わりに、自分で出来る事を行っていたのだ。


 料理とかも、夕方、叔母さんと一緒にしたり。

掃除とかも自分の部屋だけでなく、居間なんかもやっていた。


 洗濯も全自動で、自分でも出来るのもそうだが。

洗濯物の中には、僕の下着なんかもあるので。

叔母さん以外には、もちろん僕がやらないといけない。


 乾燥機もあるけれど。

この家では、天気が悪いとき以外は外で干す事が多いので。

その習慣に、僕も(したが)っていた。




 「あ〜、カズちゃん、何見ているの〜」


 「えっ、いや、別に何も・・・」




 カズちゃんが、干してあった洗濯物を見ていた。


 その中には、カラフルで小さな物も有った。


 それらは、小さなリボンが付いた単色、もしくは(しま)や水玉などの模様の。

小さく縮んだ三角や、二つのカップが付いた物である。


 そう、これらは僕の下着なのだ。


 カズちゃんは、僕の下着をチラチラ見ている。


 僕が、そんなカズちゃんを(とが)めると。

カズちゃんは、言葉を濁しながら視線を()らせた。


 まあ、僕も元男だから、カズちゃんの気持ちも分かるけど。

しかし、その対象が僕が身に付けていた物。

それも肌に付けていた物である。


 その事を考えたら、何だかとても恥ずかしくなってくる。


 こうして、カズちゃんを咎めた後。

僕が、洗濯物を取り込み始めようとした時。




 「(ピュ〜ッ)」


 「(ぶわっ)」


 「きゃっ!」


 「えっ!」





 突然、強い風が吹き、ワンピースの裾が捲れ上がる。


 思わず裾を抑えるが、裾がお腹の部分まで捲れ上がってしまった。


 慌てて僕が裾を抑え、それから顔を上げると。

その先には、驚いた顔のカズちゃんが居た。




 「カズちゃん・・・、見た・・・?」


 「(ぶんぶんぶん)」




 僕が涙目になりながら、カズちゃんに聞いてみるが。

カズちゃんは、必死で首を横に振る。




 「嘘・・・、本当は見たんでしょ・・・」


 「見てない見てない、白い物なんて見てないよ!」


 「やっぱり、見たんじゃないの!」


 「ごめんなさ〜い!」




 カズちゃんの言う事を信用できない僕は、更に問い詰めてみたら。

ポロリと白状した後、縁側から急いで逃走して行く。



 ・・・



 結局、僕はバンチラをカズちゃん見られてしまった。


 昔、僕も男だった頃は・・・。

ええ、ええ、パンチラにロマンを感じていた事もありました。


 しかし、いざ、その見られる側になったら。

これ程、恥ずかしい物もありません。

 


 ”元からの女性の皆さん、どうもスイマセンでした”



 しかも、相手がカズちゃんだと思うと。

もの凄く、恥ずかしくてなってくる。




 「あ〜、も〜、恥ずかしいなあ〜」




 僕は、その場に裾を抑えながら、しゃがみ込む。


 余りにも恥ずかしくて、穴が有ったら入りたい位だ。




 「後で、顔を合わせられないよお〜」




 しゃがんだ状態で、そう愚痴(ぐち)るが。

周りには、風にたなびく洗濯物が有るだけであった。 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品に、ローカル色(熊本)を加えた作品です。
・思い出の海と山と彼女
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ