帰宅路
246号線の中腹から
私は家路に向かっています。
歩道橋の上、湘南方面へ向かう道の先、
小さな家々、ビルディング。
「ここにいるのよ」と言うように煌めき、髪の先まで凍りつきそうな、2月の夜空の中を柔らかく揺らしていきます。
あなたは今日どこにいるのかしら。
こんなに小さな島国の、こんなに小さな一塊で出逢えたのに。私はあなたが今日、何をしているのかもわからない。
東名高速のどちら方面にいるのですか?
新幹線では南北どちらに向かえば良いですか?
この数々の光の中に潜んでいるのですか?
柔らかく揺れているのは、灯りなのですか?
それともあなたの残像でしょうか?
はたまた私の涙のせいかしら?
246号線の中腹から
私は家路に向かいます。
想いを老けながら。