8話 彼女
箱根駅伝に出たい。
その女の子には全くの見覚えがなかった。
黒髪の長まのストレートヘア。見た目は学級委員の美少女だ。
でもそれには少しばかり似合いにくい表情でこちらを見ている。
『ひっ… ひろと?』
驚くべきなのは俺のほうである。こんな学級委員ヅラの女の子とあったことがあったか…
広翔は一応YESと答えた。
「嗚呼…」
軽く首を縦に振って言った。
その瞬間!! ドバっと倒れたような勢いで抱き飛んできた。
ガタッ!!
「うっ!」
椅子がガタッと揺れた。
・・・・
気がつくと、その女の子はもう広翔の肩の上で泣いている…
抱きつかれた広翔には足の指一本も動かせなかった。
どうしたのだろうか。広翔は状況が読み込めなかった。
一瞬で冷静になった広翔は、言葉を発した。
「おい…」
『会いたかった……!! ひろと……!!ひろと…………!!』
と名前を二度連呼し、強調するように言った。そう言った彼女は抱きついたままで離そうともしなかった。
泣いているようで少しばかり彼女の声のトーンが異なっている。大粒の涙を流しているのが広翔にはわかった。
彼女の涙は温かかった…
「・・・」
(この声、この抱きつき方、どこかで・・・)
広翔には過去の記憶が返ってきたような気がした。
どこかで体験したような感覚を覚え流ような……
『ひろと……』
と言ってまだ顔を上げない。
周りからの視線とザワザワとした雰囲気を感じた。
(これ以上このままでいると問題だな……)
そう感じ取った広翔は彼女を撫で、無理に席を立った。
「ねぇ、 廊下に出よう。」
広翔はそう言って彼女の手を引っ張った。
彼女も泣いているままで、床にぺたんと座っていたが下を向きながらようやく立った。
シクシク、と過呼吸になりそうな感じだった。
・・・・・
ひと気のない所まで行こうと思ったが、
その状況で連れて行くのもいろいろと問題がありそうなのでクラスルームをすぐ出たところで止まった。
でも廊下には少しひと気がある。
足が重く感じた。
「なぁ…」
と声をかけると、彼女は顔を上げた。
彼女は落ち着いた表情を取り戻し、逆な表情をしていた。
今度はすごい嬉しそうな表情に変わっていた。
安心した広翔は一つ質問をした。
「俺とお前、会ったこと…あるのか?」
間を置いた。
どうやら昔 会っていたことは確かなようだ。
もう一度顔を確かめた。
それに気がついた彼女は顔を少し赤くした。
間を感じ取った彼女は言った。
『桐生 海波だよ……久しぶりだね。』
満面の笑顔でそう言った。
広翔の情態は一変した。
「お前……………お前が!?」
彼女の姿を見て全く分からなかった広翔は、今だに信じられなかった。
髪の色と髪型が変わっていたのだ。彼女は茶髪でポニーテールにしていたのだが…
雰囲気も違っていた。
『やっぱり驚いた?
髪の色はね、 事情があって変えたのよ。』
「そうか…全くの雰囲気が違かったから分からなかったよ…」
◯
そう、広翔と海波は昔から仲が良くてよく遊んでいて所謂、幼馴染だった。
あの大事件があってから2年間会っていなかったのだ。
「あぁ 俺も会えてうれしいよ。」
と広翔が言うと
急に彼女の顔が赤くなって後ろを向いた。
《海波の心の声》
『ハッ!! 今のってもしかしたら告白!???』
『ヤダっ!! これってもしかして赤い……』
(なんか誤解されているような………まぁいいか。)
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