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俺+UFO=崩壊世界   作者: にゃほにゃほタマ爪
第二章 荒野を駆ける日々
66/105

二つ名



正直言うと、拍子抜けした。

隊商の護衛を開始してから既に三時間近く経っているが、何も異常は無い。

それは勿論喜ばしい事なのだろうが、退屈で仕方がないのである。


話し相手はラビィしか居ないし、そもそも話しかけた所でそんなに会話が続かない。

無線の交信では各員が最低限の連絡を済ませるだけだし、景色は代わり映えしないしで気が狂いそう。


こうしてダラダラと運転していると、家族サービスで遊園地に連れて行った帰りに家族全員が寝てる中、たった一人で眠気と戦いながら運転する父親の気持ちが痛い程に分かりますわ。


そんな事を考えながらボーっと運転していると、フロントガラスにポツリと何かが浮かび上がった。

何事かと目を凝らした瞬間、それは瞬時に増殖して目の前の景色を塗り潰した。

次に車体の彼方此方から小さく音が鳴り始め、軽快なメロディを奏で出す。


一言で言ってしまえば、突然のゲリラ豪雨である。

慣れない手つきで俺はワイパーを起動し、少し前屈みになりながら目を凝らす。



「うっわ……酷いなこれは。これじゃ敵が来ても分からないぞ」



荒野の雰囲気は先ほどまでとは一変し、地平線が既に見えない程の視界の悪さだ。

音で警戒しようにもタイヤが水を跳ねる音と車体を叩く水音が混じり合い、とてもじゃないが判別はできない。

もしも、今遠くから狙撃されていたとしても弾が実際に着弾するまで、此方側から敵の有無を見分けることはできないだろう。


そんな状況に少し不安を覚え、窓を少しだけ下げてラビィに異常がないか確かめてみる。



「ラビィ! 周囲の状況に異常はないか?!」


『豪雨と雷により、さらにセンサーの索敵が困難になってはいます。が、有視界による索敵には問題ありません。しかし、各車両の車間が視界不良により少しづつ乱れ始めているのが気になります。次の無線交信でその事を指摘するべきとラビィは進言します』


「そうか、分かった!! 雨の中悪いが、そのまま頑張ってくれな」


『お気遣いなく、普段の熱気よりも、今の状況の方が体温調整がやり易くてラビィには居心地が良いです』



その会話を最後に窓を閉じ、懐からPDAを取り出して時間を確認する。

間もなく無線の交信時間ではあるが――――っと!?

視界の端に赤い光がチラついたので顔を上げると、目の前を走っていた隊商のトラックがハザードランプを点滅させながら急激に速度を落としている。


慌てて此方もブレーキを踏んで速度を落とし、車両を停止させた。

一瞬だけ呆けてしまったが、直に助手席に置いていた無線機を手にとって電源を入れる。



『……――した!? 何故停まる?!』


『襲撃か?! みんな、気をつけろ!!』


『こ、此方はHope!! 右翼に敵影無し!!』



すると次々に無線機から声が聞こえてくる。

ただ、俺自身は銃座に着いたラビィが何の反応も見せてないので、これが襲撃によるトラブルではないと分かりきっている。

しかし、それが分からない他の人達はこの視界の悪さも合わさり、ちょっとしたパニック状態に陥ってる様だ。



『落ち着け!! どうやら敵襲ではないようだ。先頭からは……隊商の車列が大きく乱れてる様に見えるが、左翼と右翼からは何か分からないか?』


『此方はラウル。よくは分からんが、あいつ等勝手に車両から降りてるぞ? 何を考えてんだか……』


『此方Hope。どうやらトラックのタイヤが泥に嵌ったみたいです。ロープを持ち出して作業を開始しようとしてます』



そう連絡が入ると緊張が解けた開放感からか、無線機から小さく笑う声や溜息の音が聞こえ始める。



『カークス。あいつ等に無線機は渡してないのかよ? 寿命が縮んだぜ……ったく』


『いや、渡した筈だ。トラブルがあった時は電源を入れる様にと言ったんだが……』



そんな会話をしていると、無線機から新たな声が聞こえてきた。

どうやら一連の会話を耳にしていたらしく、少し気まずそうな声色だ。



『……す、すみません。トラブルが発生しました。暫く行進を止めて頂きたい』


『了解しました。作業はどの位で終わりそうですか?』


『……泥に嵌った車両がよりにもよって重火器や弾薬を詰め込んでた重量が大きいトラックですから、そう簡単に抜け出せないかもしれません』


『……なるほど、だとしたら暫く周囲を偵察した方がいいかもしれないな』



カークスさんとトラックの運転手の会話をボーっと聞いてると、不意に大きく車体を叩く音に気づいた。

それがラビィの手による物だと気づき、慌てて窓を開ける。



「どうした、ラビィ?」


「はい、今の状況は無線交信で大体把握しました。この状況を今すぐ打破したいのならば、沿矢様自身が手伝う方がよろしいかと」


「…………あ、あぁ~!! 確かに、そうだよな。いかんな、気を抜きすぎてたか……?」



一瞬何を言われたか分からなかったが、確かに俺ならばトラックなんぞ直に動かせる。

ただ、その事実を失念していたのはカークスさん達も同じらしく、少し物寂しい気分である。

ストーム・フィストなんて二つ名は、所詮俺にはすぎた代物やったんや……。



「あの、俺が行ってトラックを動かしましょうか?」


『………………そう、だな。木津君、悪いが頼めるか?』



まさしく失念していたと言わんばかりの応答時間である。

何時もハキハキとしていたカークスさんの思わぬ態度に苦笑しながら、何とか言葉を返す。



「はい、ちょっと待ってて下さい。……ラビィ、周囲の警戒を頼むぞ?」


「了解しました」



ラビィの返事を背に受け、車両から降りる。

ぐにゅっとした濡れた地面の感触に顔を顰めつつ、ローブを深く被って駆け足で隊商のトラックに駆け寄る。


俺が近くまで行くと、ロープを片手に作業を開始しようしていた人達が脇に退く。

少し屈んでタイヤの嵌り具合を確認するも、後輪の半分以上が見事に埋まっていた。



「……どうだね? できそうか?」



そう言って尋ねてきたトラックの運転手は、何とも言えない表情を浮かべている。

彼が吐いた言葉は此方を気遣っての事ではなく、あくまで確認する為の言葉だろう。



「問題ないです。下がっててください」



そう言いつつ、トラックの後部から車体の下に両手を入れる。

そのままの状態で少し動かし、掴める所を探り当てるとゆっくりと持ち上げる。



――ギギ、ギ……!


『おぉ……』



まるで車体が悲鳴を上げるかの様な音を出す。

それと同時に作業を見守っていた隊商の人達が感嘆の声を漏らした。


トラックを持ち上げると一気に自分の足元が地面に埋まり、濡れた地面特有の冷たさが靴越しに素肌へと伝わる。


一刻も早く、この不快な感触から抜け出そうと決意した所で――銃声が轟いた。



――!! ――!! ――――!!



言葉では表現できない程の銃撃音、それは俺の背後から聞こえてきた。

驚いて振り返れば、それは俺の車両の荷台から発せられている。

つまり、あれはラビィがM5を撃っているからだ。

何に対して? そんなの――"敵"に決まってるだろ!!



「敵襲!! 敵襲です!! 皆さん、トラックに戻ってください!!」


「は? え、いや……」



ラビィがミスをするなど有り得ない。

俺はそう確信しているが、この人達にはそれが分からないのであろう。

苛立ちを隠せぬまま素早くトラックを動かし、何とか地面に下ろすと同時に近くの地面が"盛り上がった"。



――――ッチ! ……ィン!!



まるで誰かが舌打ちしたかの様な音と、金属が擦れる音が交じり合う。

これは……撃たれているのか!? 近くの地面と車体に弾が命中してやがる!!



「撃たれてる!! 車両に戻らないのなら、車体の陰に隠れて伏せろ!!」


「ひ、ヒッ!!」



そこでようやく自分達が襲撃を受けたのだと気づいた運転手達が、一斉に頭を下げた。

当然ながら俺もすぐに近くのトラックに身を隠し、ホルスターのDFに手を伸ばそうとしたが、護衛依頼では使う必要もないだろうと判断し、外して助手席に置いていたのを思い出す。



「クソ、こんなんじゃ何も出来ないっての……」



少しの作業だと油断して、YF-6を置いてきたのは間違いだった。

いや、そもそもDFやYF-6があった所で無人兵器にその攻撃が通じるのだろうか?


周りを見れば、各車両が既に搭載した重火器を使って反撃を開始している。

が、各々の射線はどれもバラバラであり、全方位に向けて撃っている有様だ。



「敵の位置を判明できていない……!? それとも包囲されてるのか?」



とてもじゃないが、此処からじゃ状況を把握するのは困難だ。

俺は堪らず、近くに居た運転手に向かって無線機の有無を尋ねる。



「無線機はありますか!?」


「い、いや、運転席に置いてきてしまって……ヒッ!!」



近くに着弾した音に彼は身を強張らせる。

無理もない、彼はこんな状況だと言うに腰に下げた銃を手に取ろうともしてないのだ。

恐らく、荒れ事とは無縁の人生を歩んできたのだろう。

だと言うのに、イキナリこんなプライベートでライ○ンな状況に放り込まれれば、怯えるのも無理はない。


そんな彼を尻目に身を屈めて運転席まで行き、俺はドアを開けて無線機を中から取り出した。

電源を入れると、周囲の銃撃音を遥かに上回る怒声が聞こえてくる。



『――そ!! 足を止めた状況で狙われるとはな!! タイミングがあまりにも出来すぎている、盗賊か!?』


『知るか!! 賊だろうが無人兵器だろうが知った事じゃない、黙って撃ち続けろ!!』


『各員!! 敵影を確認した者はいないのか!? どこから撃たれてるのかも不確かだぞ!!』



どうやら、みんなも敵の確認は出来ていない様だ。

しかし、ラビィは恐らく敵の姿を捉えている。

その事は、彼女が始めに襲撃に反応した事からも推測できる。



「ラビィ!! 聞こえるか!? 聞こえるなら無線に応答して、敵が何処にいるか皆に指示してくれ!!」


『……木津君か?! よかった、無事だったか。それよりも、フルト君は敵が何処にいるか分かるのか?!』


「はい、恐らくですが。彼女が一番早く敵に反応したので」



カークスさんにそう返答すると、一拍置いてラビィが無線機を手にした様だ。



『沿矢様、ご無事で何よりです。負傷していませんか?』


「あぁ、大丈夫。それより、ラビィには敵が見えてるんだよな?」


『……いいえ。今の所、センサーに反応するのは相手が射撃したタイミングだけです。どうやら敵は"ステルス"持ちの無人兵器のようです』


『ステルス持ちだと!? この悪天候の中で奴と戦うなんざ自殺行為だぜ!!』



ラビィの言葉にいち早く反応したのはコープだ。

コイツが悪態を吐くのは何時もの事だが、今度はいやに鬼気迫っている。



『確かに、厄介な相手だ。だが、ステルス持ちはその状態を維持する為に連続した攻撃は加えてこないのが特徴だ。各員!! 聞いてのとおりだ!! 一旦攻撃を止めるんだ!! 相手が撃ってきた軌道を見極めてから反撃しろ!!』



その言葉を最後に付近の銃撃は一斉に鳴り止み、静寂がその場を包んだ。

パラパラとした雨の音と、遠くで鳴り響く雷鳴、無線機から聞こえる浅い呼吸音、それだけしか聞こえない。


その沈黙に耐えかねたのか、藤宮さんのか細い声が無線機から発せられる。



『……敵は引いたんでしょうか?』


『いや、恐らく違う。何度かステルス持ちと交戦した経験はあるが、奴等は絶対に諦めない。あいつ等は今の様に一瞬だけ攻撃して敵の混乱を誘発させて直に姿を消し、相手の弾薬や気力を消耗させるのさ』


『糞が、機械の癖にハンター気取りかよ? イヤラシイ奴だぜ……』



なるほど、無人兵器に高い知能が備わっているのは先のスパイダー戦で確認していたが、こうした搦め手を使う奴も居るのか。


だったら下手に動く事は出来ないな。

今の内に自分の車両へ戻りたい気持ちもあるが、何が相手の行動を誘発するか分からない今は止した方がいいだろう。それに遮蔽物の傍から不用意に飛び出すのは大変危険である。


と、其処でようやく運転手がゆっくりと運転席に戻ってきた。

俺は彼が乗り込むのを見届けながら、怪我をしていないか尋ねる。



「大丈夫ですか? 怪我はしてないですよね?」


「あぁ、大丈夫だ。はぁ……よりにもよって重火器を積んでるトラックを運転してる時にこんな事が起こるなんてな……。分かってると思うが、弾薬に引火したらお仕舞いだぞ? くそ……クジ引きで負けるんじゃなかった」



運転手はそう小さく俺に愚痴を零す。

確かに、一発でも荷台の弾薬箱に敵の弾が着弾すれば即お陀仏だろう。

残念だが、今は大人しくするしかない様だ。



「あの……中に入っていいっすかね?」


「…………ほら、タオルだ」



何処と無く運転手の人が残念な物を見る様な眼差しだったが、俺は大人しく助手席に座った。

だって外は寒いんだもの……。












▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼











「ねぇ、フェニルぅ~~……。敵は居た?」


「見つけたのならば即座に撃ってる。窓をあけるな、車内で大人しくしてろ。良い子にしてろ」


「そうだよ、クミ!! 大人しくしてなさい」


「二人して子供扱いかい?! 全く……」



ルザードがそう答え、更に藤宮が注意を促すと里菜はこれ見よがしに溜息を零しながら窓を閉めた。


銃座に着いているルザードの緊張感たるや凄まじい物があるが、車内に居る二人は待ちの一手しかない為か、どうも落ち着かない様だ。


ルザードが操作している23mm機関砲は、ようやく先程の連続射撃による熱が落ち着いてきた所だ。


銃身から立ち上る煙は徐々に細くなっていき、遂には消える。

何発撃ったか定かではないが、銃撃によるその熱量は凄まじいらしい。


流石は大口径の重火器と悦に浸りたい所だが、よりにもよってこの火器で相手をする初戦が姿の見えない敵なのかと、ルザードは大きく溜息を零す。



「……つまらん相手だ。ようやく"立ち向かえる"武器を手にしたと思ったらコレか」



長いスカベンジャー生活で、ルザードは機械の強靭さを身に染みる程に見せ付けられてきた。


できるだけ戦闘は避けて鼠の様にコソコソと廃墟を漁り回り、少しづつ蓄えを増やし、何時かはこんな情けない事はせずに済むんだと言い聞かせる日々。


そんな生活に転機が訪れたのはクースでの出来事だ。

彼女はそこで手にした縁で二人の仲間と出会う事ができ、こうして車両を手にする幸運にも恵まれた。


そのお陰で今までとは比較にならない程の報酬額である依頼に参加できたと言うにも関わらず、またしてもこうした無力感に苛まれるとは。



「どうにも、上手くいかないものだな……」



ルザードが小さく愚痴を零し、そう苦笑していると僅かに荷台が揺れた。

直に彼女は気を取り戻し、機関砲の操作に集中する。

しかし、凝らす視線の先に敵影は無く、無線機から何の連絡も入らない。



「気のせい、か?」



雷鳴による響きを揺れと勘違いしたのだろうか?

そう結論付けようとした矢先、また小さく車両が揺れたのが分かった。

それと同時に何処かで何か跳ねた様な音が聞こえて――?



「っ!! 跳躍して接近してきてるのか!!」



そこまで考えた所で、ルザードは瞬時に敵に接近されている可能性に思い当たった。

彼女はそのまま車体を強く蹴り、車内の二人に大声で語りかける。



「二人とも、よく聞け!! 右翼から敵が接近してきてる!! 皆に無線でそう伝えろ!!」


『り、了解!! 此方はHope、聞こえますか?! 敵が右翼から接近しています!!』



直に藤宮が無線でそう連絡を入れると、各車両の重火器が右翼へと向いた。

そして、敵も自分の接近が気取られらたのが分かったのだろう。

地面を跳ねる音は先程とは違って連続で響き渡り、何も無い筈の遠くの地面で土が不自然に"跳ねている"。



「バレバレだぞ!! 無人兵器――!!」



まず最初に火を噴いたのは、敵の接近にいち早く気づいていたルザードの操る23mm機関砲だった。

まるで雷が近くに落ちたかの様な轟音を響かせながら、機関砲の太い銃身から次々と銃弾が放たれる。


そのまま地面に吸い込まれる筈の銃弾は何もない空間で"不自然"に弾かれ、大きく着弾地点を逸れていく。



『其処か!! あそこに打ち込め!!』



そして、ソレが目印となって各車両の重火器が一斉に火を噴いた。

事前にHopeが連絡を交わしていた事と、戦闘開始から数分の時が過ぎた事で徐々に高鳴っていた闘争本能が合わさり、各々が高い命中率を弾き出す。


見れば、既にステルス機能を損傷したのか、敵機の姿が露になっていた。



――――ギ、ギギギギギギ!!



姿を現したのは四脚持ちの水蜘蛛型だ。

とは言っても、その内の一つは既に攻撃の砲火で吹き飛ばされていた。

機動力を殺された事で接近を諦めたのか、水蜘蛛型は地面に体を着けた状態で背中にある砲塔を動かし、反撃の銃弾を飛ばす。


が、そんな些細な反撃も今降っている豪雨にも勝るとも劣らない数多の銃弾に掻き消される。

姿が見え、機動力を失ったステルス持ちは既に死んだも同然の存在である。

水蜘蛛型は基本、こうした奇襲を軸に攻撃を加える様に設計された型であり、高い機動力とステルス機能が存在する為に元々の装甲は薄い。


その証拠と言わんばかりに、水蜘蛛型の足は直に全て吹き飛ばされ、胴体は見るも無残に穴だらけにされてしまった。 悲惨なオーバーキルではあるが、こうした護衛依頼では襲ってきた相手に対し手加減は無用である。


通例の狩りならば、程よく弱らせてからAIを狙うのが基本的なやり方であるが、一々そんな事をしていては時間が幾らあっても足りない。こうした護衛依頼の道中では瞬時に相手を撃破し、運よく"残ったパーツ"を拾い集めて進む方が何かと好都合だ。



「……終わった、か」



気づけば、戦闘は終了していた。

そこで初めてルザードは自身の手が震えていた事に気づくが、それが恐怖による物ではない事に驚いた。胸の奥から叫び出したい様な気持ちと、口角の端が否が応でも上がっていくこの状態は、歓喜による物だ。



『各員、よくやった!! Hope、敵の接近によく気づいてくれた!! お手柄だな!!』


『いえ、砲手であるフェニルがいち早く気づいてくれて……』



そんな無線のやり取りを耳にしながら、ルザードはもう一度だけ今の戦闘を思い返そうと瞳を閉じた。



――運がよかった。奴が不用意に跳ねてなかったら、こんな簡単に気づく事はできなかっただろう。



「……? そもそも、何故奴は接近してきたんだ?」



奴の弾が切れていたと言うのならば、ただ単純に苦肉の策として接近戦に持ち込もうとしたのだろう。


だが、奴は最後に反撃の銃火を放って抵抗して見せた。

どうして……奴はそんなリスクを犯す必要があったのだろう?


ルザードの火照っていた体は降りしきる雨で直に冷やされ、彼女を考えに没頭させる。


ステルスを生かして懐に飛び込み、一気に片を着ける為?

いや、奴等が短期決戦を仕掛ける理由が無い。

此方が警戒し始めたから、安易に仕留められないと悟ったか?

馬鹿な、そうだとしたら先程の行動は悪手もいい所だ。

今思えば、奴の行動はまるで自分を見つけて欲しかった様にも――!!


そこまで考えた瞬間、ルザードの全身が悪寒に覆われる。

直に23mm機関砲を動かし、周囲に目線を向けた所で、彼女は自身の考えが"不幸にも"当たっていた事に気づいてしまった。



「敵は一機ではない、奴は囮か――!!」



そう叫び、引き金を引くと銃身から弾が撃ち出された。

そして、それは何と車両の僅か"十数メートル"先で弾かれて見せた。



『――?! シズ!! 車両を発進させな!!』


『分かってる!!』



直に車内の二人も異変に気づき、その場から離れようとする。

が、荷台に乗せた23mm機関砲の重量と射撃時の反動、そして彼方此方に貼り付けた装甲版の重みでタイヤが泥に埋まっており、初速があまりにも遅すぎた。


此処まで接近されては仕方ないと、里菜も助手席の窓を開けてライフルを乱射するが、流石にその程度では水蜘蛛の装甲は貫けない。


ならば23mm機関砲はどうかと言うと……不幸にも、最初の数発で弾が切れてしまった。


其処で命運尽きたと思われたが、対峙する水蜘蛛型は背中の砲塔から弾を撃ってこない。

つまり、先程の囮は弾が切れていたコイツを接近させる為に行った連携プレイと言う訳だ。


しかし、だからと言ってこの最悪な状況が変わった訳ではない。

変わったのは奴に撃たれて死ぬ運命から、至近距離で奴に押しつぶされて死ぬ運命に変わった事くらいだろう。



「私の……所為だ」



自分のミスだとルザードは己を責める。

愚かにも自分は無人兵器を仕留めた功績に我を忘れ、気を抜いてしまった。

もしもあそこで直にリロードし、警戒を続けていればこんな事態は防げた筈だ。


しかし、それを責めるのは余りに酷と言う物だ。

彼女達が無人兵器を相手に戦うのはこれが初めてであり、経験は皆無だったのである。


もしも、彼女達がこの状況を生き抜く事ができたならば、その経験は彼女達を大いに成長させるだろう。


だが、それは難しい。

今の状況に対し、ようやく各車両がHopeに接近する敵機を認識してはいた――が、それだけだ。


彼等は引き金を引けない、引く訳にはいかない。

何故なら、余りにも彼女達と敵機の距離が近すぎるからだ。


無人兵器に十数メートルと言う至近距離まで接近された場合、その対処は対峙している者達に委ねるしかない。重火器である装備で下手に撃てば、その弾丸は味方を打ち貫き、味方殺しの汚名を背負う危険性がある。


中には無人兵器に殺されるのを見てるくらいならば、と、そう覚悟を決めて攻撃する者もいるが、今その決断を下すにはあまりにも急すぎた。


勝ったと思った矢先での思わぬ奇襲、それに助手席から放たれるライフルの銃火の光が彼女達がまだ諦めていない証拠。


ならば、どうすればいい? どうすればこの状況を覆せるのか?

荒野で生きてきた彼等の頭脳には、"神頼み"なんて軟弱な思考は基本的に存在しない。

今この一瞬ですら目まぐるしく記憶を手繰り寄せ、この状況を打破できる術は無いのかと模索している。


が、ソレを見つけ出すにはあまりにも時間が少なすぎた様だ。

水蜘蛛型は里菜が放つ銃弾を苦にも感じずに接近し、既にその足を振り上げていた。


後から聞こえてくるのは無線機からの彼女達の悲鳴か、それとも車体の潰れる音か。

誰もがそんな風に最悪な結末を脳裏に浮かび上がらせた時、ふと視界に信じられない光景が飛び込んできた。



――――!!



大音量の銃声が響き渡り、水蜘蛛型が振り上げていた左前腕に銃弾が着弾、吹き飛ばれる。


各々が驚愕で視線を向けると、その攻撃を放ったのはM5を操るラビィであった。

彼女は続けて銃座を操作して狙いを定めるが、それを見て水蜘蛛型は藤宮達の車両を盾にするかの様に回り込む。


しかし、その行動が水蜘蛛型の致命的な隙となってしまった。



『よし……!! いくぞ、おらぁ!』



気づけば、誰かが濡れた地面の土を盛大に巻き上げつつ、藤宮達の車両の近くまで接近していた。

そこまで認識した時には既に車両へ到達寸前であり、あわや衝突と言う場面でその男は跳躍する。


機械は新たに自身の前に現れた標的を瞬時にサーチする。


標的が纏っている装備には何の脅威も見当たらない。

左腕に着けている鉄腕は質量の低さや、バッテリーが発する熱源も見当たらず、HAでない事は確かだ。例え何が起ころうとも、目の前の敵は自身の装甲は打ち破れないだろう。


それらを瞬時に見極め、機械は残っていた足を振り上げ、迷いなくその乱入者へと振り下ろした。


――もしも、彼と対峙している相手が機械ではなく、人間であったならばそんな過ちは犯さなかっただろう。


漆黒の瞳に浮かぶ確かな決意、口角の端を持ち上げた不敵な笑み、対する巨大な相手に対し、一切の恐怖を見せない陽気さ。


一見すると追い詰められた人間が起こした行動のソレだ。

しかし、今の彼が纏っている雰囲気は悲痛に満ちてはいなかった。

常人ならば、何らかの妙手を使ってくるのではと疑う行動だ。

しかし、ソレと対するは鋼で作られた機械、一定の思考ルーチンしか持たない殺戮者。


だから、自身の攻撃可能圏内に新たな人間が足を踏み入れたとて構わずに、機械は一切の迷いも無く振り上げた前足を標的に向けて落すのみ。


後は赤い花が咲くだけ、それは過去何度も見た光景であり、疑いようの無い事実だった。

その証拠に、機械の思考ルーチンは既に別の標的に対する行動への移行を準備していた――だが。



「……ッらぁ!!」



気合一閃、自身に振り下ろされていた死の鉄槌に対し、沿矢は迷うことなく己が鉄腕を打ち放ち真横から迎撃する。



――――ィィイイイン!!



劈くような金属質な響きが荒野に広がった同時に機械の視界、即ち青い電子世界の視界に唐突に赤い文字が浮かび上がる。



『警告!! 警告!! 機体が傾いています!! 今すぐバランス制御を実行して下さい』



それはここ数十年は表示されてなかった筈の警告表示だった。


故障か? いや、そうではない。

何故ならば、自身が振り下ろしていた前足は確かに真後ろへと"弾け飛んでいく"。


否、被害はそれだけに留まらない。

数十トンはある自身の体が"浮き上がっている"ではないか――!!


水蜘蛛型はそれ等の被害を瞬時に把握し、何とかバランスを保とうと残った二本の足を動かして体勢を立て直そうとする。


が、次に機械の青い視界に浮かび上がったのは何時の間にか己の近くに降り立ち、腕を振り上げる沿矢の姿であった。そのまま彼は再度水蜘蛛型に肉薄し、相手を打ち上げるかの如く左腕を真上へと振り抜いてみせる。


瞬間、機械の視界が反転し、天地が上下に移動する。

機械にとって、今の状況は何もかもが不可解だった。

数世紀の時を戦い抜いてきた。

しかし、こんな"敵"は今まで存在していなかった――!!



――――ギギギギギギ!!



次に聞こえてきたのは盛大な衝突音、そして悲鳴を発するかの様に軋む水蜘蛛型のボティ。

機械は弾き飛ばれる様にして、そのまま大きく地面の泥を巻き上げながら裏返った形で倒れこむ。


そして――それが機械の死を決定付けたミスとなった。

倒れこむ水蜘蛛型に躊躇することなく沿矢は素早く接近し、両の手を叩きつけ始める。

その威力は一撃で装甲をへこませ、二撃目で貫通し、三撃目でパーツを粉砕した。


最後の足掻きと言わんばかりに水蜘蛛型は体を揺すったが、沿矢は構わずに両の拳を振り下ろし続けている。雷鳴の如く不快な金属音が辺りに響き渡り、足掻く水蜘蛛型のボディが軋んで悲鳴を響かせた。


沿矢が腕を振るう度に装甲、基盤、配線、それ等が大きく吹き飛んで行き、水蜘蛛型を構成するパーツが減っていく。


その光景を眺める者達は瞬き一つできないでいた。



――"人が生身で無人兵器を一方的に"破壊している。



その事実に戦慄すると同時に、否が応でも高鳴る胸の鼓動に気づいた。

人と無人兵器の持つ戦闘力の差を、組合所に所属する彼等はよく知っている。

だからこそ、今目の前で繰り広げられている出来事から目が離せない。


初めて無人兵器を仕留めた事を覚えている。

機能を停止した奴等を足蹴にし、得意気な気持ちになった。


たが、もしも――"自らの手"で直接奴等を仕留める事ができたならば、それはどんなに甘美な感覚をもたらしてくれるのだろうか? 知らず知らずの内にそんな事を考え、それが"実行できる"沿矢に対して嫉妬の余り歯噛みする者も居た。


だが、そんな事は知るかと言わんばかりに沿矢は武鮫を装備した左手を振り下ろす。

大分体を"削って"はいるが、目の前の敵は未だに機能を停止しない。

その事に僅かな苛立ちを覚え、沿矢は舌打ちを鳴らす。


それもその筈、彼には水蜘蛛型のAIが何処に存在するか分からないのだ。

ならば全てを壊すしかないかと、沿矢は仕方なくまた左手を振るってパーツを破壊する。


水蜘蛛型は自身のダメージコントロールを制御するだけで精一杯であった。

何とか活動を停止しない様にと、AIは必死に自身に備わった全ての機能をフルに活かして事にあたる。


しかし、破壊される速度が圧倒的であり、それに"追いついていけない"!!


――此処で自分の機能は停止するだろう。

今の状況を冷静に把握し、機械は其処でようやくその悲惨な事実に気づいた。

が、沿矢が対するはあくまで兵器、感情を持たない鋼鉄の兵士。

そんな相手に諦めると言う選択肢が浮かび上がる筈も無い。


故に――



「っ!! コ……イツっ!?」



装甲内部に突き入れた沿矢の手に痺れが走る。

漏電等ではない、それは水蜘蛛型が起こした自壊覚悟のオーバーロードであった。

その輝きは地面に雷鳴が落ちたと見誤る程の眩さであり、直視に耐える物ではない。


ただ、その輝きはほんの一瞬であり、正に雷の如くであった。

しかし、沿矢はその一瞬で自身の全身が焼かれた様な錯覚に……否、錯覚ではない。

彼の体の彼方此方から蒸気が立ち上り、髪は逆立ち、武鮫は焦げ付いてる。

しかし、それでも沿矢はその場に"立ち続けていた"。



「やって……くれるじゃねぇか!」



そう吼えると同時に口からも蒸気が立ち上ったが、沿矢は構わず更に左腕を突き入れた。

水蜘蛛型はその攻撃を受け全身を震わし、まるで悲鳴の様に金属音を鳴らす。



――いける! 今のが最後の抵抗だったに違いない!



そう思考し、勝利を確信した沿矢の背後で銃声が響き渡った。

驚きで振り返ると、自身の車両から放たれたM5の銃弾が、己の僅か十数メートル先で何も無い空間で弾かれている。


無論、そんな筈は無い。銃弾が何も無い空間に弾かれる自然現象など起きる筈も無い。つまり――!!



「もう一機いる……!!」



そう認識した沿矢の行動は早かった。

突き入れた左腕をそのままに、彼は全力を込めて相手取っていた水蜘蛛型を持ち上げると、そのまま背後に向けて投げ落とす!!


直後に聞こえたのは金属が衝突しあう不快な大音量、それと僅かに漏電したかの様な弾ける音。

沿矢が投げた水蜘蛛型は一瞬だけ空中で不自然に止まっていたが、ゆっくりとずり落ちていく。

すると、その不自然な空間に徐々に損傷した別の水蜘蛛型の姿が浮かび上がり始めていた。



「お仲間を助けに来たのか……? はは……案外情が深いのかぁ?」



両の手を前に構えながら、新たに現れた水蜘蛛にそう冗談を飛ばす沿矢。


無論、新たに現れた水蜘蛛型は仲間を助けに来たのではない。

無人兵器の目的は人類の抹殺であるが、戦闘時の優先度は脅威度の高い物か排除しやすい敵機に優先される。


今回で言うなれば、隊商の護衛群の中では藤宮達が操る23mm機関砲の威力と射程の脅威度、そしてそれを搭載した車両の状態による排除の難易度、それ等を考慮した結果、水蜘蛛達は彼女達こそ最初に排除すべき敵と同時に認識していたのだ。


しかし、戦闘が進むに連れ、今その認識は打ち消された。

即ち――"今は目の前のこの男こそが最大の脅威"と認定し、沿矢は水蜘蛛達の最重要ターゲットとなったのだ。


姿を露にした水蜘蛛型は、唯一弾丸が残っている下部に備え付けられた7・7mm機銃を動かす。


本来なら迎撃用のその機銃、相手が人間且つ単独であれば、補給ができない現段階において貴重なそれを使用するケースではない。


だが、水蜘蛛型は先程の一連の流れを観察した結果、沿矢の脅威レベルをHA装着者レベルまで引き上げ、そのケースを打ち破った。


それを見て取った沿矢は瞬時に腰を落とし、全力で地面を蹴り上げて接敵を試みる。

その際に巻き上げられた大量の土砂と雨水が背後で唸りを上げ、彼の後を追って一つの嵐となった。


しかし、それでも間に合わない。

何故なら沿矢と対するのは鋼の殺戮者、相対する距離は僅か二十メートル程であったが、狙いを付けて射撃を開始する事は十分に可能であった。


そしてその砲口が遂に火を噴き、マズルフラッシュが周囲を一瞬明るく照らす。



「……――っ!」



沿矢はそれを視認する前に既に地面を蹴り上げていた。

咄嗟に避けたのではない、彼は水蜘蛛型の7.7mm機銃が胴体下部に備わっている幸運を生かし、咄嗟に射線を向けられないであろう上方向へと退避したのだ。


沿矢はその勢いをそのままに上空から一気に接近し、右の踵を水蜘蛛型の胴体に当てると、即座に力を込めて装甲を容易にへこませながら相手を地面へと叩き伏せる。



『―――!!!』



その瞬間、機体下部に備わっていた7.7mm機銃が濡れた地面に埋まる形となってしまい、放っていた弾丸がバレル内部で暴発する。


皮肉にも貴重にしていた弾丸が水蜘蛛型の機体にダメージを与えてしまう。

予期しなかったその追加ダメージに沿矢は思わず笑みを零しながら、そのまま次の行動に移る。


沿矢は地面に叩き付けられた事で広げられている水蜘蛛型の足を掴み――そのまま無理矢理に引き千切る。


火力は失われ、機動力も奪われた

しかし、それで勝敗が決した訳ではない。

水蜘蛛型は残る三本の足を器用に持ち上げ、沿矢に向かって槍の如く突き刺そうと放つ。


対する沿矢は慌てることなくその攻撃を注視し、地面に砲撃が落ちたかと見間違うような爆発的な瞬発力を発揮して地面を巻き上げ、寸前で全てを回避する。


それだけではなく、彼は胴体に接近して内の一つの足を掴むと続けて根元から引き千切り、その足を相手の機体に突き刺し、その勢いをそのままに地面にまで貫通させて相手の行動を阻害した。


ぬかるんだ地面にとはいえ、差された足の長さは地中深くにまで及んでおり、とてもじゃないが直に体制を立て直せる筈も無かった。


そして――それが勝敗を決定付けた。

沿矢は相手が動けないのを良い事に残りの足をもぎ取り、胴体の装甲板の大多数を剥がして完全に機動力と防御力をも奪う。


彼がそのまま胴体内部を攻撃して相手に止めを刺さないのは、先程別の水蜘蛛が自壊覚悟でオーバーロードした為であろう。


しかし、沿矢がそれらを終えてその場から離れると、待ってましたとばかりにラビィが操るM5の正確な射撃が行われ、装甲が失われた水蜘蛛型のAIを容易く打ち抜いた。


遂にAIを破壊され、水蜘蛛型は最後に痙攣するかの様にその巨体を揺らし……足掻くのを止めた。

その光景を眺めながら、ドノバン・カークスは呆けた様な表情で言葉を漏らす。



「ストーム・フィスト……か。誰か名付けたかは知らないが、その二つ名に相応しい光景じゃないか」



降りしきる豪雨の中で突如として繰り広げられ、終わりを告げた一方的な破壊に対し、誰もが同じ感想を抱いた。



――皮肉にも、その二つ名に渋い顔を見せていた沿矢自身が繰り広げたその"一方的な蹂躙"によって、その二つ名が各々の記憶に強く焼き付けられる形となった。



この戦闘の結果として、被害を受けた人員は居なかった。

多少の銃撃を受けた車両はあったが、走行に支障は無い。

だが、護衛依頼の初戦としては、些か"刺激的"な戦闘であったと各々が疲れた様な表情を浮かべているのが印象的だった。






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