爆誕 看板娘
「廃病院を限定封鎖地域に設定する……ね。遅いわよ」
田中 恵はフロントで職務に着きながら、今朝配られた指令書に目を通して息を零した。
元々クースにある廃病院は、初級スカベンジャーが度々無謀に挑戦して命を散らしていた事で度々議題には上がっていた。
しかし、折角の大病院だ。
言わば宝の山であり、初級達にとっては確かに危険度は高いが、挑むのは個人の自由意志に任せればいい――そう見逃されてきた。
とはいえ流石にそのままと言う訳にはいかない。
病院内で確認されたLG-61式の詳細データや過去に病院で命を落とした人数。さらには彼等の最後に確認されていたランクや装備も記載し、如何に廃病院が危険な場所であるかを事細かに記した情報を掲示板に張り出してある。
組合所としてはできるだけスカベンジャーの行動を縛る様な事はしたくない。
そう判断したのはいいがクースが発見されてからは廃病院でジワジワと死者を増やし、未帰還者が増えていった。
やはり封鎖するべきか? 初級スカベンジャー達の廃病院での度重なる死者の増加を受け、そんな議論がまた最近組合所内で噴出し始めてきていた。
――そんな折に今回の悲報が組合所に届いてきてしまったのである。
十一名中七名が死亡と言う大惨事。生き残った四名の内二名も大怪我を負い、危うく命を落とす所だった。しかも情報によれば外に居た一人が助けに行かなければ、生き残っていた二人も確実に死んでいたそうだ。しかし、その勇敢な一人は一部装着型HAを装備していたにも関わらず、その二名を救い出すと若い命を散らせてしまったらしい。何故なら――。
「決め手は百式……か。分かりやすい脅威が無いと、お偉いさんの石頭には響かないのかしら……?」
書類を放り出し、田中は天を仰ぐ様にして愚痴を零す。
結局の所、今朝早くに開かれた会議で廃病院は限定封鎖地域に指定された。
問答無用の封鎖地域ではなく、最低でもE+からのランク者でないと廃病院に近づけない様にした限定的な決定だ。
若い芽を一斉に摘まれるのは、組合所としても大きな痛手であると今回の悲劇で大きく痛感した。
クースは幸い都市部とは違って路上をさ迷い歩くガードがいないため、今後はクースに向かう時は新米が近づかない様に病院を見張る兵士も送られるとの事だ。中を探索する時はライセンスを提示して、E+以上でないと認められない。
少々慎重すぎるかもしれないが、百式等という中級も手間取る様な脅威が確認されたのなら仕方の無いことだ。
だが限定封鎖指定とは言ったものの死亡者が大量に出ており、さらには百式が確認されたとなれば、もはや誰もあの場所を探索する事は無いかもしれない。他にもっと安全に稼げる地域もあるのだし、その可能性はかなり高い。そうでなくとも、暫くは放置されるであろう事は明白だ。
十数年放っておいた代償は最後に七名を失うと言う惨劇で支払われてしまった。
人は我慢できる痛みではなく、許容を超えた痛みを受けて初めて学習する。今回行われた対処の速さはそれを表しているいい例だ。
田中が露骨に不満を露にしていると、隣のフロントに居た受付の女性が暇なのを良い事にキャスター付きの椅子を動かして近くに寄って来る。
「恵、元気ないね?? まぁ朝からちょっとドタバタしちゃったもんね~。私も面食らっちゃった」
そんな能天気な台詞を吐き、笑顔を浮かべている同僚を見ると田中の中にまた別の苛立ちが湧いてくる。
それも無理は無い。田中は自身が登録したスカベンジャーを必要以上に気にする傾向がある。
そんな彼女が登録したばかりの新米スカベンジャーが命を落としたのだ。
とは言え、仕事に情を持ち込む自分が此処では異常なのだ。
その湧いてきた苛立ちをこれ以上増幅させない様に、同僚に向けて軽く手を振って追い払うようにする。
「別に? 何でもないわ。ホラホラ、監視カメラに映っても知らないわよ。責任を問われても、私は一切の関与を否定するからね~」
「あらら。まぁ確かにキッチリ眼鏡に見つかったら厄介だもんね。じゃね~」
冗談っぽく田中は言ってはいたが、もしそうなったら自分は本当にそうしてしまうかもしれない。
田中は瞼を閉じてそんな自分の中の感情を抑える様に数回深呼吸した。
次に彼女が瞼を開けた時には、苛立ちは既に消え去っていた。
それが彼女もまた、組合所を支えているプロの一人であると言う証であった――。
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「で――? 本当の所はどうなのよ?」
クースから俺が帰ってきて色々ドタバタした後、とりあえず一旦店を閉めた里津さんは弓さん達と俺の説明を受けた。
里津さんはそれ等を一言も口を挟まず聞き終えると、俺の頭を掴んで弓さん達に頭を下げさせた後、帰る二人を外まで見送った。
そしてそれを笑顔で見届けると、すぐに無表情になって素早く方向転換して店の中に戻ってきてからのこの台詞である。
俺は里津さんの威圧感に飲まれ、思わずラビィの背中に隠れる様にしながら言葉を返す。
「えっと……百式は弾が切れてたんで俺でも戦える状態でした。けど動きが速くて攻撃が当たらなくてですね……。苦肉の策でエレベーターに誘い込んで、タイマン張ってたらケーブルが切れちゃって。そしたら何と地下深くに隠されたような秘密の施設に落ちてですね。そこに……ラビィが居たんですね。はい」
俺が簡潔に説明を終えると、里津さんは疲れた様に眼鏡を外してから眉間を押さえた。
そのまま眉間を揉みながら唸るようにして声を吐き出す。
「迫田の例を見れば、アンタが無鉄砲馬鹿だってのは分かってた筈なのに……。けど、そんな馬鹿に組合所を勧めたのは私なのよねぇ……。だから怒りはしないわ……で?」
「で?」
っていう。とか言ったら里津さんの脇に置いてある商品の重火器で撃たれるかな?
俺は百式と戦う度胸はあっても、里津さんの怒りに触れる度胸はないのでそれは止しておこう。
里津さんは腕を組んでニンマリと笑うと、カウンターに置いてある百式の部品を指差した。
「百式の部品。それを借金の返済に当てると見ていいのよね?」
「え? ……えぇ!! 勿論ですぅ!! げへへ……そ、それでお幾らぐらいの値段が付くんです??」
俺はラビィの背後から抜け出すと、腰を低くして手を揉みながら里津さんに値段を聞く。
百式のパーツが高いであろうと言う事は、薄々皆の反応を見る限り分かりきっている。
最初に荒野で倒したアイツが百だから……千くらい? いや、二千はいくだろうな。メッチャ強かったし。
俺が期待に胸を膨らませていると、里津さんはすらっとした細い指を二つ立てて見せた。
そのまま指を額に当てて瞬間移動するのかな? 等と俺が首を傾げていると、直にそれが値段を表していると気付いた。
「お、おお!! 二千ですか?! いやぁ、苦労した甲斐がありましたよ~」
まぁ、予想の範疇だったが。これは最初の冒険だからな、これで十分十分。
だが里津さんは俺の態度を見て呆れた様に腰に手を当てると、高らかに言い放った。
「アタシはそんなにケチじゃないわ……いい? 二万よ! に! ! ま! ん!」
「にみゃん!? 嘘ぉ!?!? これであと八万!! あ……一万追加されてたから九万か」
あの時のミスさえ無ければ大きく一歩前進してたのだが……。
いや、悔やむのはよそう。今は俺の勝利を高らかに祝う時である。
思わず近くに居たラビィの手を取って大袈裟にはしゃいでみせる。
「やったぞラビィ!! 苦労した甲斐があったもんだよ!! いや……不幸中の出来事だったな、そういえば……」
視界の端に入った百式の部品に血がこびり付いていたのを見つけ、俺はテンションを下がらせた。
ルザード先輩が救助した男性や、俺が助けた二人の内一人は大怪我を負ってたし、他の人達は恐らく死んだのだ。
そう思うと祝う気持ちは直に消えうせ、この職の厳しさを痛感するばかりだ。
「沿矢様は――借金を背負われているのですか?」
「う……うん。前に大怪我してナノマシンで治したから、その代金なんだ」
誰かに借金の事を聞かれると、こう胸の中をグッ! と掴まれる感じがする。
しかもラビィは首を傾げて真っ直ぐ無垢な感じで言い放ってきたから、俺の弱点を突いてダメージは倍増です。今モンス○ーボール投げられたら余裕で捕まっちゃね、そしてすぐさまPCに送られて余生を過ごすのだ。……案外悪くない様な気がする。
ラビィは一つ頷くと、そんな風に心が弱っている俺の手を包み込んでキッパリと宣言した。
「なら、ラビィもそれを返すお手伝いをします。どうか私にご指示を下さい」
「ぅえ!? て、手伝いは嬉しいけど……。指示って言ったってなぁ」
ラビィの格好を見てると、俺の邪悪な心は手伝いと言えばイヤンな想像しか浮かんでこないよ。
それに機械って言ったってラビィに何ができるかまだよく分からないのである。
俺と部品を抱えて荒野を横断したりして、何の異常も見せない所を見るとかなり高性能だとは思うのだが……。
俺とラビィが見詰め合う様にして首を傾げあっていると、里津さんが横から口を挟んできた。
「その子……ラビィ・フルトだっけ?? 凄い精巧ね~他のヒューマノイドもそうなのかしら? けど、ヒューマノイド何て生まれてこの方見た事ないし。判断着かないわね」
「え?? じゃあ、ラビィの様な存在は貴重なんですか?」
俺がそう問いかけると、里津さんは顎を擦りながら瞼を細めて言う。
「貴重と言うか……。そもそも……ヒューマノイドなんて存在はあまり前世界で重要視されてなかったのか、壊れた奴ですらあまり見つかってないのよね。戦争に使うにしても無人兵器で事たりるし。人間の……まぁ相手をさせるにしたって、生体パーツを使うからコストが馬鹿みたいに掛かるわ。その子はまぁ特殊な理由で生まれたみたいだけどね。彼女と同型のヒューマノイドが全然いない事を考えると……MMHだっけ? だかの計画は凍結されたか、遂行される前に前世界が終わったみたいね」
それを聞いてまず思ったのが、組合所に行かなくて良かったと心底思った事だ。
もし普通に戻ってたら、絶対に取り上げられて良い様にラビィを扱われるのが目に見えて分かる。
そう思うと俺はまた弓さん達に救われた訳だな……。どうしよう、返しきれない程の借りだよ。
借金返済し終えたら、今度は弓さん達の手伝いでもするべきだろうか?
俺が能天気にも既に先の事を考えていると、ラビィが急かすように問いかけてくる。
「沿矢様。どうか私にご指示を下さい」
「う、うーん……。里津さん、看板娘を雇う気とかあります??」
ラビィの無垢な視線から逃れる様に、俺は里津さんに視線を向けてそう持ち掛ける。
すると里津さんは口を大きく開けたと思ったら、腹を抱えて爆笑しだした。
「あっはははっはははは!! そ、沿矢、アンタねぇ。高性能なヒューマノイドに店番やらせるのぉ!? な、何よその発想!! ありえないわぁ……あははは!!」
――何がおかしい!! 俺が熱き血潮を携えた正義の男ならそう吼えてるだろうが、現実の俺は一般的な血潮を受け継いだ雑種なのでそんな大胆な行動はとれない。
俺は恥ずかしさで顔を赤く染め上げつつ、里津さんに反論を拙く返すのみだ。
「で、でもラビィはやっぱり目立つし、長いこと話せば不自然さも際立ちます。此処なら義務的な問答だけ教えとけばいいし……。それに組合所や軍に目を付けられない為にも、俺が連れてあんまりウロウロする訳にもいかないですし……。勿論探索には絶対連れてけないですよね? それに機械に詳しい里津さんなら、俺もラビィの事を安心して任せられます!! どうか預かってもらえないですかね?? この通り!!」
俺は既に荒野で土下座を披露していたので、躊躇なくこの店でも披露して見せた。
荒野と違うのは伝説的な頭を埋める土下座が、いざと言う時にこの場所では発揮できない所が厄介である事だ。
俺が代わりにバク転土下座の検討を開始していると、俺の頭上から里津さんの冷静な声が聞こえてくる。
「はー……なるほどね、アンタも少しは考えてるんだ……。確かにそうねぇ……この子が居たら私が裏に居てだらけてても、機械いじってても問題ない。おまけに機械だから命令も忠実にこなすし、ボタや商品に手を出す事も勿論ない……。そう聞くとお買い得ね。いいわ、一月を千ボタで雇ってあげる」
「ほ、本当ですか!? やったなラビィ!! お前はもう将来の心配をしなくて済むぞ!!」
思わぬ快諾に俺は勢いよく立ち上がってラビィに向き直るが、当の本人は戸惑った様子で事の成り行きを見守っていた。
ラビィは俺と里津さんを交互に見ると、眉を潜めて尋ねてくる。
「ラビィは沿矢様からは離れません。それとも……私は彼女に譲渡されたのですか?」
「ぅえ!? いやいやいや、ラビィはただ俺が居ない間は此処にいて里津さんの手伝いをして欲しいだけだよ。そ、そうそう、それが俺の借金を返す為にもなるんだよ。頼む! ラビィ、大人しく此処で里津さんの手伝いをしててくれないか? 別に俺も今は此処に住んでるし普段は一緒だぞ? それにラビィを譲渡だなんて俺は絶対にしないよ、約束する」
あたふたしながら俺はラビィを宥める。
やっぱりとてもじゃないが表情一つあるだけで、機械だなんて思えない程だ。
ラビィは俺の説明を聞いて納得したのか、瞼を伏せて一つ頷いて見せた。
「分かりました。沿矢様の為なら、ラビィはその任務を遂行して見せます」
「に、任務って貴方ねぇ……そんなに酷使しないわよ。全く」
まるで悲痛な覚悟を決めたかの様なラビィの態度に、里津さんが口の端を引くつかせる。
俺は二人の険悪なムードを感じ取り、慌てて弓さんから返してもらったリュックを里津さんに押し付ける様にして渡す。
「そ、それで! デパートでもOG式の部品を手に入れたんですよ!! ソイツは幾らぐらいしますかね?」
「ん~どれどれ……。そうね、六十ボタって所ね」
里津さんはリュックの中を手で漁ると、直にそう結論を下した。
「やっす!! くは……無いのかな?? 百式が高いだけか……。いや、そもそも百式って何でそんなに高いんですか??」
幾らなんでも商品価値違いすぎね?? 丸いスイカと四角いスイカぐらいの差はあるぞ。同じ物でなんでああも違うのかね?
俺の質問を受けると、里津さんは笑顔を浮かべてうきうきしながらカウンターににじり寄っていく。
そしてカウンターに置いてあった百式の部品の一つを手にとると、俺に見せ付ける様に高く突き上げた。
「ふっふっふ。コイツは他とは違うってのは弦達からは聞いたでしょ?? だから査定を受けると、必ず百式の部品には多額のボタが支払われて組合が持っていくのよ。組合に持って行かれたら軍か、はたまたメイン居住区の店に運ばれてってしまうの。だから外側には殆ど出回ってないのよ。噂には聞いてたけど……素晴らしいわぁ」
里津さんは最後にそう言って熱っぽい溜め息を零すと、百式の部品を真摯に眺め始めた。
何が素晴らしいかには興味ないが、百式の強さは本物だった。だから素直に俺も納得して返答を返す。
「ふ~ん、けど二万もするのかぁ。物資を守ってる機械がそれだけ高いなら、物資自体も高いんだろうなぁ……」
ウスタゴの人達の無謀もそう言われると納得できるっちゃあできるが、死んでしまうのはやっぱり駄目だろ。
俺が呟くように言うと、突然うっとりとしていた里津さんが表情を引き締めて此方を向いた。
その怪奇的な里津さんの機敏な動きに俺が体を震わせていると、里津さんは確かめる様に聞いてくる。
「沿矢。アンタって病院に行ったのよね?」
「え? えぇ……まぁ無謀にも行っちゃいました」
俺の返答を聞くと、里津さんは百式の部品をゆっくりとカウンターに置いて顎に手を添えて考え始めた。
「そうよ……病院に百式?? 少し大袈裟すぎるわ。それにクースの病院は配備されていたLG式やトラップの数も異常だって客から聞いた事も……」
里津さんはブツブツと熱にうなされる様に言葉を零す。
と、突然里津さんは顔を上げるとラビィに指差して大声を上げた。
「あーー!!! だからその子が居たんだわ!! その子を守る為に百式なんて置いてたのね!! しかもご丁寧に地下には秘密の施設ぅ?? ……沿矢!!」
「は、はい! 何ですか??」
里津さんは突然俺を呼ぶと、早足で近寄ってきて俺の肩を掴んだ。
そして俺に視線を合わせると、可愛く首を傾げて猫撫で声で言った。
「その子は思ったより価値が高いみたい……バラしちゃ駄目ぇ~??」
な、何だ!? 新手の威嚇方法か!? だとしたら効果は抜群である。
しかし、俺はその脅しに負けない様にラビィの前に勇気を振り絞って立ち声を張り上げる。
「だ、駄目ですよ!! そんな事にならない為にお願いしたんじゃないですかぁ!!」
「そうよねぇ……。まっ、私も精巧すぎるその子に手を出すのは少し躊躇するしね。それに百式もあるし、勘弁しておくわ」
す、少し? 躊躇するのは少しなの? そういや初対面で俺の右腕が義手と聞いてナイフ振り翳すくらいだからな。そう思うと恐ろしい人だわ……。
俺が過去のトラウマに触れていると、里津さんは店の扉に近寄って鍵を閉めた。
先程は緊急的な意味合いで少し閉めていただけなのに、どうしたのだろう?
俺が眉を顰めて見ていると、里津さんは大きく手を叩いて乾いた音を響かせた。
「さぁ! ラビィだっけ? その子に色々と叩き込んで明日に備えるわよ!! 私は誰にも邪魔されずに百式を弄りたいからね!! 厳しく行くわよ!! いい?!」
里津さんが最後にそうラビィに問いかけると、ラビィは大きく頷いて了承して見せた。
「はい。沿矢様の為でしたら、ラビィは頑張ります」
「よく言ったわ!! よし、こっちに来なさい。まずは服装を整えてからね。それからゆっくり話し合うわよ」
そう言って里津さんはラビィを奥に連れて行こうと手を掴んだ。
ラビィもそれに素直に従うと、二人は奥に消えていった。
まさかそのまま『ばぶぅ、僕も着替えたいでちゅ』等と着いて行く訳にはいかず、何となくいつも里津さんが居るカウンターの椅子へ座って休憩する。
「……次は組合所かぁ。何て言えばいいんだろう……」
――次の行動を思い描き、俺は深く溜め息を零した。




