1/4
宴
春。少し、純情。
宴
春の宴の主役はね
つくしでもなずなでも
すみれでもなくて
溶けゆく雪でしょう
鳥のさえずりさえ
脇に置いてしまう、
消えゆく主人公です
だからこそ花は美しく
さえずりは気高く
暖かい風が吹き抜けます花も鳥も風もみんな
そのことをちゃんと知っています
春を見るとき
誰もが忘れがちだけれど
覚えていて、そこには
雪の優しさがあったということ、を
*********************************************