第七話
この学校のテストは、すべてチーム単位で行われる。さっきから出てくる「天使」・「AS」・「海賊船」などは、チームの名前又は略称である。入学時に必ず組まされるこのチームは、一度組んだら取り消すことはできないため、メンバーは慎重に選ばなければならない。
もう一度きちんとチームを紹介すると、わたしたちのチーム名は「天使」こと「天からの使者」。うん。このネーミングはわたしもどうかと思う。
わたし、天野才花はリーダー兼参謀担当。殺翁は普段の静けさからも分かるように、暗殺担当。陽牙は身軽さを生かして陽動担当。これも陽動のひとつだが、蘭は火炎・爆撃担当。
冬弥たちのチーム名は「AS」こと「All Season」。うん。こっちもなんともいえないネーミング。
「AS」の担当は前にも言ったが、もう一度確認すると・・・冬弥はわたしと同じくリーダー兼参謀担当。春貴は普段の騒がしさに似合わず暗殺担当。秋奈はその美貌を生かして陽動・誘惑担当。夏美はやっぱり爆撃担当。
チームの説明はこれくらいにして、テストのことに話を戻すわね。
まず、テストでは毎回、ひとつのチームに必ず一人ずつターゲットが指定される。しかし行う任務はさまざまで“ターゲットからある情報を手に入れる”や、“ターゲットの弱みを探る”などの情報関係のものや、今回のように暗殺関係のもの、“ターゲットにばれないように家具をひとつ盗んでくる”、“ターゲットのカツラをばれないように盗ってくる”などの目的が全くの分からないものまである。
理事長はいったい何を考えているのだろうか・・・。カツラに関しては完全な嫌がらせだろう。・・・まあ、それはさておき。
ここで重要なのは、“必ずひとチームにつき一人のターゲットが指定される”ということだ。これまでどんな常識破りな任務があろうとも、ターゲットが他のチームと被るなんて事は一度も無かった。それが今回のテストでは、わたしたち「天使」のターゲットと「AS」のターゲットが被ってしまったのだ。みんなが驚くのも無理はないだろう。
何故わたしが「AS」のターゲットを知っているのかというと、もちろん冬弥のパソコンをハッキングしたかである。冬弥もわたしのパソコンをハッキングして情報を得た。「どっちもハッキングするなら最初から教えあえばいいじゃないか」、と蘭に言われたことがあるが、楽しみとしてやっているのでやめるつもりは無い。冬弥も同じだろう。
話が少し逸れてしまったが、そこでお互いのターゲットが同じだと知ったわたしと冬弥は、両チームのメンバーを今日集めることにしたのである。
驚いているみんなにもう一度、今度はもう少し詳しくトラブルについて説明するとようやく事態を飲み込んだらしい。まだ少し動揺の色を残しながらも、納得したように頷いた。
わたしはにっこり笑ってこう言った。
「では、行きましょう。・・・理事長室へ」
な、なんか説明文ばかりになってしまったような・・・。
相変わらず駄文ですみません
読んでくださった方、ありがとうございました。