エピローグ
※とっても短くてエピローグなどとは呼べないくらいの代物です
【理事長室】
コンコンと扉を叩く音にどうぞと返事をすると、扉が開き才花が失礼しますと言って中に入ってくる。
「呼び出しちゃってごめんなさいね」
才花をソファに促し向かい合わせで座ると、執事がそっとお茶を置いた。
「いえ…私の両親の件、ですよね?」
確認ではなく確信の色を持った声に理事長は静かに頷く。
「ええ、姉さんたちを殺した犯人が、わかったの」
「…………」
才花は何も言わず、ただただ理事長の顔を食い入るように見つめている。それはどんな情報も聞き漏らすまいとしているようで、部屋の中にはただならぬ緊張感が漂っている。
「本当はあなたに伝えるべきではないのかもしれない。きっと姉さんたちもそれを望んでいるわ。でも、私はあなたには知る権利があると思う。選ぶ権利があるわ」
「はい」
「選びなさい。そしてどちらを選ぶにしても、覚悟なさい。これは私があなたに与える最初で最後の選択だから」
理事長は真剣な目で才花を見つめる。
「覚悟なんてとっくの昔にできてます」
ゆっくりを瞬きをしてからそう答えた才花の瞳には、確かに覚悟の色が強く現れていた。
「教えてください、犯人を」