第二十一話
「天野邦治。あなたの父であり、わたしの義兄にあたる人よ」
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自分の部屋ベッドに座りながら、時計の針が狂いなく進むのを、意味もなく眺める。さっき理事長と交わした会話が頭を離れない。
理事長室から出た後、殺翁たちと別れて自分の部屋に戻った。三人共心配そうな顔をしていたが、わたしがひとりになりたいことを察して、いつもどおりに接してくれた。そんなさりげない優しさに目頭が熱くなるくらい、わたしは動揺しているようだ。
再び蘇りそうになる“記憶”の波を、目をきつく閉じることでなんとか押しとどめる。
「はぁ・・・」
思わず漏れた深いため息が、静まり返った部屋に吸い込まれるように消える。
以前のように意識を失いかけなかったことに安心した。これも、さっきの決断のおかげだろうか。理由が何にせよ、いつまでも殺翁たちに頼るわけにはいかない。きっとみんな気にするなと言うだろうけど、自分で耐えられるようにならなければいけない。みんなを・・・大切な人を失わない為に、そして自分自身の決断に責任を持つために。
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『天野邦治。あなたの父であり、わたしの義兄にあたる人よ』
『そ、れは・・・どういう』
自分でも情けないほど、声が震える。
『あなたは今まで、自分の両親のことを何も知らなかったでしょう?』
『そ、そんなことありません。顔も・・・声だってちゃんと』
忘れるわけがない。あのむくもりをもう一度味わえるなら、どんなことでもするというのに。
『そういうことではないわ。あなたも、あなたの両親が暗殺者だったことは、気がついているでしょう?』
『・・・・・・』
理事長の目を見ていられなくて、無言で俯く。
『あなたの両親がなぜ狙われたのか、どんな人生を送ってきたのか。教えてあげるわ』
ゆっくりと顔を上げ、真剣な表情の理事長の顔を見つめると、少し冷静な気持ちになった。
あぁ・・・、そうだ。わたしは知らなければならない。向き合わなければならない。自分と、その両親の過去。それは消したくても、消せないのだから。
『・・・条件はなんですか』
震えのなくなったわたしの声を聞いて、理事長は安心したように微笑んだ。
『あら、話が早いわね。・・・そうね、今回のテストで一位を獲ったら、話してあげるわ』
今考えたような顔をしているが、今回のテストを始める時にすでに決めていたに違いない。
謎めいた笑みを浮かべる理事長に向かって、ぎこちなさが残る顔で微笑む。
『獲ってみせますよ、一位。・・・初めからそのつもりですから』
何か、話が進んでなくてごめんなさい。
テストが全然始まりませんね・・・。
次の話ではやっとテストが始められそうです。・・・ぐだぐだですみません。
小説に全く関係ありませんが、第一希望の高校に合格できました!
受験も終わったので・・・前よりは早く書けるかも・・・しれない、です。
読んでくださっている方、感想や評価をしてくださっている方、本当にありがとうございます!!
人に読んでもらうということが、こんなに嬉しいことなんだなあと、実感しました。
これからも頑張っていきますので、よろしければ、これからもよろしくお願いします!