第十六話
一番上まであと1m程のところで、ついに蘭と春貴が並んだ。
その途端、春貴が
「ほっ」
という些か真剣さや緊張感に欠ける掛け声と共に、一番近い棒の一番上まで、一気に、跳んだ。
理事長の説明どおり、冬弥のモニターには早速問題が表示されたようだ。冬弥の表情が真剣なものに変わった。
「はぁ!?」
蘭は思わずといったように叫び声をあげながら、急いで上まで登りきった。
わたしのモニターにも問題が映し出された。
「只今の勝負は、春貴の勝ちだ。蘭と春貴はそれぞれの解答者の隣に待機しなさい」
理事長の声に歓声があがる。蘭と春貴は言われたとおり移動した。蘭はいかにも悔しそうな顔をしており、“あー・・くっそ”などと呟いている。
びっくりするほどの急展開である。だが、今考えなきゃいけないのはこんなことではない。ここからが、わたしの出番だ。
頭を切り替えて画面に映し出された問題に意識を向ける。
『問題は全部で3問あります。問題が解けないと次の問題には進めません。また、解答が間違ってる場合も次には進めません。解答は何度しても構いませんが、同時に解き終わった場合解答数が少ない方の勝ちとなります。』
つまり、速さと正確さの勝負なのね。うーん、やっときた出番のせいかテンションあがるわ。
『第一問 次のうち中が無いのはどれでしょう。
A、家 B、布 C,皮膚 D,裾
作者:理事長』
ふむ、完全にクイズ形式なのね。選択肢の中から選べばいいわけだから、最悪の場合四回答えれば次に進めるわね。まぁ、そんなつまんないことしないけど。
考えるわたしの肩を蘭が叩く。
「才花、才花!あたし分かった気がする!」
「早いわね。どれなの?理由もお願い」
蘭はこくりと頷いたあとわたしの耳に顔を寄せ、小声で話し出す。
「Aの“家”だと思うんだ。何でかっていうと、家は中が空洞!」
大発見をしたかのような口調である。
「・・・・・・」
おかしいわね・・・蘭ってそんなに馬鹿じゃないと思ってたんだけど・・・。
「あれ?違うか?」
本気で意外そうにしないで欲しい。体の力が抜ける・・・。
「・・・悪いけど、違うと思う。そんな単純な感じじゃないと思うから・・・」
「そうか・・・」
そう言ってまた考え始める。
「考えてるとこ悪いけどね、蘭、分かったわよ」
「えっ、まじで!?」
軽く頷きながら答えを打ち込んで『解答』ボタンを押す。
数秒後、ピロンッという電子音と共に、画面に“正解”の文字が浮かび上がった。
急展開過ぎて作者ですら違和感を感じております。
話の運び方下手すぎますね・・・。
このクイズは一応自分で考えさせていただきました。
クイズ考えるの難しい!!難しすぎます!
展開は考えているのにクイズのせいで進めなくて困っておりました。
よろしければ才花たいと共に考えてみてください!