踏む
足をあげる
虚空を踏む
落ちるも落ちないもない場所で
永遠にあなたのことがすき
時間はわたしの足かせになる
生も死もないまち
わたしたちはだれも生きていないまちで
(そしてだれひとり死なないまちで)
ビルの谷間に
アスファルトのすきまに
虚空に、落ちるも落ちないもなく、ただ、
虚空にいる。共時的に、
あなたを思っていたいのに、
いのちがけで恋をしていたいのに、
すべて思っていないのとおなじ、
恋をしないのとおなじです。恋は、
はじまるときにすでにおわりを運命づけられているの
(かなしいもかなしくないもない)
足をあげる
(あげるもあげないもない)
虚空を踏む
(踏むも踏まないもない)
わたしはなにを信じたらいいの
(信じるも信じないもないのに!)
おもえばいつも風に吹かれるあなたの横顔ばかり見つめていた。
ビルの谷間に
アスファルトのすきまに
虚空に、落ちるも落ちないもなく、ただ、
永遠にあなたがすき。