勇・想
「勇者」
私の力が失われても
私の勇気は消えはしない
「運命」
勇者よ勇者
さあ 立ち上がり 再び剣を取りなさい
その身が朽ちて 骸に成り果てようとも
永遠に
「祝呪福」
儚くか弱い人間よ 女神の加護を授けましょう
勇猛果敢な人間よ 魔神の呪いを授けましょう
「風花」
あの日の風花 空に舞う
儚い光に 溶けてゆく
白い吐息に 目を閉じる
凍り咲いた 冷たい華
まるで私のこころみたい
「残」
遠い彼方
闇に響く、愛の残響――
「剣」
闇を裂いて
瞼の裏に焼き付く残光
願わくば、其の剣が
私の楔を断ち斬らん事を
「天魔鬼神」
天使を騙る不届き者
直ちに地獄へ堕ちなさい
「刃紋」
愛も罪も断ち斬りて
刃に宿りし想い幾千
恋情、憧憬、悲哀、悔恨
暗い影
「欠けて逝く月」
欠けた月が語り掛ける
あなたは誰も愛していない
私は否定する
黒い月が話し掛ける
あなたは自分さえも愛していない
私は否定する事が出来なかった
「断絶」
繋いでいた糸がぷつりと切れた
さよならも言えないまま
宙吊りになった心
血を流す 遠い日の思い出
「深紅の涙は焔よりも熱い」
恋情を焼き払う
あなたの涙は
深紅色
「天華」
闇夜に溶ける
あなたの亡魂
一輪の天華と成りて
「想」
私の存在が失われても
私の想いは消えはしない