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27 ジャングルでかくれんぼ、開始。

『でハ、諸君。これかラ1時間以内ニ、ボクを見つけテくれたまエ!』 


 フハハハハハ、と不気味な笑い声を残し、以降カデンツァは沈黙した。ざわざわと森の獣の鳴き声ばかりがこだましている。

 これほんとにいるとかじゃないよね、BGM的なことだよね。後日サウンドトラックとして発売されるやつだよね、私聴いた覚えないけどね。


「というわけで……手始めにどーするよ」


 ラーメン屋大将のごとく腕を組んで思案するソウビに声をかけると「まず手堅く潰していくしかないでしょ」と呪文コードを展開した。おお。


「E-フォンに魔力探知結果を表示して……と。この赤いのが俺、ピンクがローゼルね」


 ソウビに言われたように、画面上に点があらわれていた。赤のすぐとなりにピンクが点滅している。


「さて……カデンツァ先輩は?」

「そんな簡単に居場所がわかったら……勝負にならないよねぇ、そりゃ」


 切り替え早っ……よっしゃ次いこ、次!


『ぴんぽんぱんぽーン。五分経過のオ知らセだヨ……ククっ、まダボクの麗しストレートヘアの先っポすラ掴めテなイ、ひよこチャンたち? せいゼい頑張ッテね?』

「……こう、絶妙にイラっとするんだよねぇ、カデンツァ……」

「ビークールだよ、ソウビくんっ。私の進退がかかってますんでねっ!」


 大いなる目的達成の前にカデンツァの実験動物になるのは御免である。乙女ゲーム主人公たるもの、バッドエンド回避は必須なのです。

 それにしても魔法戦闘の比重高すぎるんだよな。ジャンルが既にRPGというか格闘ゲームというか……乙女ゲームという基本のキからどんどんかけ離れていっている気がする。


「ウキっ」

「そ、ソウビどしたん、日ごろの疲れが出たの……? 急におサルの鳴き真似なんかしちゃって」


 ご迷惑かけまくっている気がするので私のせいかもしれないんだけどさ。悪気はあるのよ、一応はね。


「んなわけあるか! よく見ろ、俺の美顔とそのへんの獣を見間違えるな!」

「うひっ、何何なに⁉」


 ソウビが首根っこ掴んで突き出してきたのは紛うことなきお猿さんだった。こう、密林にいそうなタイプじゃなくて温泉入ってミカン食べてそうな感がある。え、ニホンザルじゃないの、この子。


「うきき」

「あ、ご丁寧にどうも……」


 差し出されたバナナを名詞のように受け取った。

 あらやだ可愛いじゃんこの子。カデンツァのペットかな? よく見れば首輪のところにネームタグがあった。ええっとマイケル……あなた「マイケル」っていうのね。私はローゼル、ローゼルだよ!

 名作の再現をしようとしたところで、ソウビが「遊んでる場合か」と冷静に指摘してきた。はい、申し訳ございません。


「ていうかこのバトルフィールド、どうなってるわけ……距離測定しようにもまったく果てが見えないんだよ」

「うーむ。無限に続いてるなんてわけないから、どっかでループしてるのかな」


 端っこを切って繋いで、永遠に空間が広がっているように見せかける――自分ではできないが理屈としてはわかる。


「一理あるな……おい、お猿。あんたの主人はいまどこにいるわけ」

「うき、ききっ」

「『ごめんぬ、ご主人様の命令で言えないぬ』? そっかぁ、仕方ないねえ」

「……あんたこの猿が言ってることわかるわけ?」

「え? ソウビもわかるでしょ」


 ねえ、とマイケルに話しかけると「ききき」と返って来た。え、ご主人様とも話せないの、あら、ほんとに?


「……あんた『動物会話』出来るんじゃん。結構レアなスキルなはずだけど……いますぐ役には立つとかではないけどね」

「あ、そういうのもあるのか……獣医さんの話好きだったな」


 で、猫モフってモフりまくって「やめろにゃん」とか言われたいよ!

 魔法少女には使い魔はつきものだしね。

 いやでも中身がアラサーで魔法少女デビューか……ごめんなさい、やっぱりなかったことにさせていただこうかな。

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