忘れてしまった記念日
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
幼少期、でっかいピンクのハート型チョコが流れているのを見て、死ぬ前に食べたいと思いました。
高校時代のバレンタインが一番楽しかった事を思い出します。
本日の日付を確認する。二月十三日。それだけ見て、私はまた眠りに着いた。
全ての講義が終わり、後は帰るだけ。そう思って教科書を総まとめで鞄に突っ込んでいると、不意に声を掛けられた。聞き馴染みのある、彼の声。けれども何処か上擦っている。
「今日は何の日だ」
「……何でもない日おめでとう?」
よもや君の誕生日? だったら申し訳ない。何の準備もしていない。そんな気持ちを悟られないように、私は無表情を貫いた。
しかし彼はぶすくれた様子で眉を吊り上げると、黙って手を差し出す。物欲しそうに指を折り曲げては開くを繰り返す。それからドスの聞いた声が響く。
「んっ。バレンタインだろ」
私は瞬きを一つして、スマホを開く。二月十三日という表示が上方に書かれているはずだった。けれども書かれた文字は一日早く……。しっかりと二月十四日と表示されている。
「えっと……」
「忘れただろ」
「忘れてないよ。だって時計確認したもん。十三日だったよ」
二度寝をしたのは何時だったか。昨夜の事だったか。今朝の事だったか。どの道、どれ程言い訳を重ねても、私が何も用意していない事には変わりはなく。
私は黙って鞄の中から財布を用意すると、視線を逸らしたままこう言った。
「買いに行こう」
「……」
バレンタインという事もあり、特設会場には中々に凝ったチョコが所狭しと並べられている。有名店から、見知らぬ店まで数知れず。ボックスが凝っているものもある。
さぁ、好きな物を選びたまえ。忘れていた私が悪いのだから、財布が許す限り好きな物を買ってあげよう。そう思って財布を抱えていると、売り場そっちのけでお菓子売り場に直行する。
そうして無加工の板チョコを数枚手にすると、黙ってレジまで持って行こうとする。
「好きなの買ってあげるよ」
「……手作りが良い」
「逆にそういうの嫌がるでしょう? 爪とか髪とか血が……」
手作りのものは、髪の毛やら爪やら血が混じってるかも知れないから、食べたくない。そう、漫画やらコメントで見たことがある。私も細心の注意を払って作っても、髪の毛やら爪の垢が入らないとは限らないし、安全性を考慮してもそれが一番良い。
しかし彼の顔は晴れなかった。未だにぶすくれている。
「なんで惚れた女にまで、警戒しなきゃなんねんだ」
それから何か閃いた様に、目を見開いた。それから私の手首を掴んでレジまで歩く。
「見ててやるから、目の前で作って。それなら良いだろ」
「味の保証はしないよ」
「いーよ。なんだって」
それから近場である私の部屋に招いて、バレンタインチョコを作って渡した。その後どうなったかはご想像にお任せするとしよう。
貰った記憶が鮮明なのは中学生?
沢山貰って、全てその日のうちに食べようとして、目を回しました。
日を跨ぐという事を決してしない、あるならあるだけ食べるという、わんちゃんのような生き方をしてます。
イベントで盛り上がったのは高校だった気がします。
皆友チョコ渡す為に、引き戸の前に並ぶんですよ。
で、登校と同時に、順繰り渡していくという。
『王が来たぞ〜!! キャー!!』
『( 'ω')エッ…』
みたいな感じ。
今日は二月十三日だと思ったんですよ。
だからやたらバレンタインの広告が流れるのを驚いてました。
手作りはおっかないから、市販で。
という話を耳にしたので、
目の前で作ればいーじゃん。
という話になりました。
無愛想だけど、素直だと思います。