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しっちゃかめっちゃか怪談物語  作者: 七海トモマル
11/21

怪談:ボトルに入った路線図

その路線図は憧れ。


ここは、とある小さな島。

島だから電車なんてない。

かろうじて信号がある。

周りはやっぱり海で、

のんびりと時が流れる、のどかな島だ。


少女はその島に暮らしていて、

ある時、海辺を歩いてボトルを見つけた。

その中には、この島にはありえない、路線図。

蜘蛛の巣よりも複雑なそれは、

きっと都会の路線図だと思わせた。

とある駅と駅の間にバツ印。

一体何なのだろう。

少女は路線図に謎を見つけ、

その路線に乗り、その印に何があるか、

感じてみたいと思った。


島に高等学校はないので、

少女は島を出て寮生活をすることになった。

ある程度路線について調べていたら、

ボトルの路線図を見つけることに成功した。

寮からは遠いので、休日を使っていくことに決めた。

また、調べものをしていたインターネットの噂で、

これらの路線のどこかに、

閉じ込められている人がいるという。

なんでも、心霊的な感じで閉じ込められているらしい。


少女はその噂を知ってもなお、

路線図の印を目指した。

島育ちには乗り換えなどが大変だった。

都会は人の波がすごすぎて、

少女は流されそうになる。


そして、ある駅と駅の間。

少女は印の地点にやってきた。

がたごとなっていた列車が、瞬間、音をなくした。

「待ってたよ」

少女に語り掛ける声。

目の前には少年。

ただし、その姿はおぼろげだ。

「僕をこの都会から連れ出してくれないかな」

「それでボトルに路線図を入れて?」

「うん、僕はここで死んだから」

少年の言葉ははっきりと。

少女は何となく感づいてはいた。

「長い休みには島に帰るから、一緒に行こう」

「島?そんなところにボトル届いてた?」

「うん、浜辺で見つけたよ」

「そっか、よかった」

少年は笑った。


次の長い休みは冬休み。

家に帰って、少年を島に迎えよう。

都会に潰された少年が、

島になじんでくれるといいと思った。


都会にいると島が懐かしい。

路線図があんなに憧れだったのに、

少女はそれを不思議だと思う。

そういったことを山ほど積み重ねて、

大人になるのかなと思う。


路線図は気まぐれで島まで来たのか。

少年も少女も、それはわからない。

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