表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彷徨う道標 小学校編  作者: sola
1/2

こっくりさん

僕が最初に自分が他の人たちとは違うという事を意識したのは、小学生の4年生の頃だ。

小学校ではオカルトブームの真っ盛りで、色々なオカルト系漫画やミステリー雑誌で溢れていた。

その中でこっくりさんは日常的に行われていた。

地方によってやり方が異なるらしく、隣の小学校に行っている幼稚園からの友達のところとは形式も呼ばれ方も結構異なっていた。


こっくりさんというものが、その頃はどういったものなのかはまったく分からなかったけど、要は紙に形式通りに文字や記号を書き、数人で行ういわゆる交霊術のひとつのようだった。

もちろんインチキをしている人たちが多かったが、中には本当に呼び出してしまった人たちもいた。

本来ならお神酒を注いだ盃でやるものらしいけれど、どういう理由かは分からないが、うちの学校では十円玉で行っていた。



後でやり方を聞いたのだけれど、やり方は十円玉に参加人している人たちが人差し指を置く。

始める時にはある決まった歌を歌った。

その歌は、儀式をする時以外に歌うと呪われるといわれていた。

儀式が始まってから終わるまで、つまりこっくりさんが帰って行くまではその指を十円玉から離してはならないというのが決まりだった。

質問出来るのは主催したあるじ一人だけで、他の人は質問してはいけなかった。


質問するとこっくりさんがその十円玉を動かして、五十音が書かれている文字を順に移動して、それを繋ぎ合わせると質問への回答になるというものだった。

こっくりさんに色々質問をした後、帰ってもらう段に、はっきりとは覚えてはいないけれど、確か

「お帰りくださいませ」

という様に、帰ってもらえるかどうかを聞かなくてはならなかった。

そこで「NO」と出ると、止めることが出来なくて、休み時間中にやることが多いので大慌てすることもしばしばだった。

それはもうクラスメイトのほぼ全員が、それぞれのグループに別れて休み時間になると、まるで取り憑かれているかのように没頭していた。

「○○君が好きな人は誰ですか?」

「△△さんと付き合えるでしょうか?」

など、今思えばずいぶんませた子供たちばかりだったことを思いだす。

僕も誘われたのだけれど、

「そんな事するよりあそこにいるこっくりさん見たいな人に直接聞いた方が良いんじゃない?」

「???…だからこっちでもやろうよ!」

「何を聞きたいの?」

「○△の好きなヤツとか…とにかく色々だよ!」

「ふ~ん。ちょっと待ってて!」

僕はちょっと離れた、こっくりさんをやっているグループのところに行き、目線をやや上げ気味にこう切り出した。

「ねえ、このこっくりさんにちょっと聞いてもらってもいい?」

他のグループでもやっていたけれど、狐…と言われれば狐にも見えるけれども、もっと擬人化されたふわふわ浮いている人?はこのグループのところにしかいなかったからだ。



「ちょっとやっている最中に話しかけないでよ!」

とそこの主の女の子が怒鳴った。

僕はまだ他の人からみて何もない空間に目をやり続けていた。

「ちょっと聞いてるの!」

その女の子はちょっとヒステリックに叫んだ。

しかし一緒にやっていた別の女の子たちから

「えっ!?」

「ちょっと待って、今・・・このこっくりさん・・・って言ったよね!?」

周囲がザワザワと騒ぎ始めた。

「えっ!?本当に居るの!?」

「見えるの!?」

「なになになに!?」

それはもうクラス中で大騒ぎに発展した。

中には泣き出す女の子までいて、特にその場でこっくりさんをやっていた女の子たちは

「終わりにして!!」

「だから止めようっていったじゃないの!!」

なかば半狂乱の状態に陥っていた。


僕はなんでみんながこんなに怖がるのかがさっぱり分からなかった。

こっくりさんの儀式で呼び出したんじゃなかったの?

という感じだった。

少なくとも僕は、こっくりさんを呼び出す儀式をして、上手く呼び出せたグループだけがこっくりさんに質問が出来るものだと思っていた。

だからこのグループの主の女の子に聞いてもらおうと思っただけだった。


この事件?の後、僕のクラスでこっくりさんをやろうとする者は誰一人として居なくなった。

当然僕は怖い物が見える人というレッテルを貼られてしまった。

しかし中にはオカルト系が好きな男の子や女の子も多く、最初は恐々だったけれどこっくりさんってどんな感じだった?とか色々質問されるようになり、3学期頃には普通に接してくれるようになった。



そして事件が起こった。




3学期にはいっても他のクラスでは相変わらずこっくりさんが流行っていた。

廊下を歩いていると、前見たときとは違っていたけれどこっくりさん見たいな人を連れた女の子とすれ違った。

もちろん歩きながらこっくりさんの儀式が出来る訳はない。

なにもやっていないのに、こっくりさんのような人がその子の斜め後ろに付いてまわっているのだ。


その子の名は岬優子(みさきゆうこ:仮名)という隣のクラスの子だった。

その後岬さんを見かけたけれど、さっきのこっくりさん?は付いていなかった。

ただ、何かが違っていた。


しばらくして隣のクラスから変な噂が立った。


最近急に何を聞いても目がうつろでぼーとしている女の子がいるというものだった。

この手の噂は好奇心旺盛な小学生にとってはまたとない恰好な話題となり、あっという間に知れ渡った。

僕のクラスでもその話題で持ちきりだった。

そんな折、僕の隣の女の子の席で数人の女の子が大きな声で話していた。



僕の隣の席の女の子の名は加藤郁子(かとういくこ:仮名)。

かなり活発でクラスでもリーダー的な存在の子だ。


話を聞いてみると、なんでもこっくりさんに否定的な女の子が儀式の途中で

「あ~あつまんない!」

といって教室から出て行ってしまったのだそうだ。

僕が、その子の名前を聞くと

「岬ちゃんだよ!」

「あの優等生の?」

僕は合点がいった。

「そっか!だからあの時廊下ですれ違ったときにこっくりさんみたいなのがくっついていたんだ!」

すると女の子たちは

「えぇっ!?」

「また見えたのっ!?」

加藤さんが

「何でそのときに言ってあげなかったの!」

「?だって、こっくりさんのことよく分からないから、そういうものだと思ってたから・・・」

「そんな訳あるわけないでしょ!」

「見えてたのにほっといたあなたのせいよ!!」

「何とかしなさい!!」

矢継ぎ早に言われ、結局はその子たちの言いなりになってしまった。


果たしてどうしてよいものかさっぱり分からなかったけれど、結局放課後に岬さんを僕のクラスに呼ぶことにした。

その子にこっくりさんが付いているということならば、もう一度こっくりさんをやって呼び出してみようということになった。


「あ!あれ岬じゃない!?」

男子の一人が叫ぶ。

ちょうど加藤さんとあと2人の女の子に付き添われながら僕のクラスに入ってくるところだった。

わらわらと群がってくる男子たち。

噂が噂なのでおおよその見当はみんな付いている感じだった。



クラスのみんなは好奇心一杯で、クラスに残ってその様子を見ようとしていたが、加藤さんが

「あんたたちは邪魔だから、見るなら廊下に出てて!」

と捲くし立て、追い出してしまった。


こっくりさんをやるメンバーは

僕と、岬さん、加藤さん、あとこの加藤さんの友達の岩瀬さんに今泉さん(共に仮名)の5人だ。

こんな形で生まれて始めてのこっくりさんを、しかも主でやることになろうとは思いもしていなかった。


やり方はあの矢継ぎ早に押し切られた直後に、加藤さんから紙に書いて渡されていた。

つつがなくスタート出来るかにみえたけれど問題は岬さんが十円玉に人差し指を置いておくことが出来なかったこと。

仕方なく岬さんは横に座らせておいて4人でスタートした。

上手くすれば岬さんからこっくりさんが出て来てくれるはずだと考えていた。

しかし事はそう上手く運ばなかった。

出てきたことは出てきたのだけれど、岬さんの様子は前と少しも変わらない。

僕が上を見上げると、

「ねぇ!出てきたの?もうそこに居るの!?」

「大丈夫!?私たち大丈夫!?」

岩瀬さんと今泉さんが今にも泣きそうな顔をして叫ぶ。

僕は二人を見やり、

「出て来てます。でも大丈夫ですよ!」

それを聞いても2人の不安そうな顔をしたままだった。


それではと、こっくりさんの方に向き直り、

「あなたは岬さんについていたこっくりさんですか?」

と尋ねてみた。

すると十円玉はスススっとNOに動いた。

他のこっくりさんだったのだ。

「うわー!凄く動くよっ!!」

冷静さを装っていた今泉さんが思わず叫ぶ。

「慌てないの!びっくりして十円玉を離しちゃだめだよ!岬ちゃんみたくなるよ!!」

加藤さんのこの性格がこんなときには頼りになると思った。

「でも・・・こっくりさんって何人もいるの!?」



岩瀬さんが震えながらふともらした。

その目には恐怖の色がありありと浮かんでいる。

すると加藤さんが

「この学校だけでも何十何百っていう人がやってるんだよ、沢山いるんじゃない?」

僕はそのことについて尋ねてみた。

「こっくりさんは、あなた以外に他にもいらっしゃるのですか?」

すると

スススっとYESに。

しかし、そこで止まらなかった。

「ほ・か・も・い・る」

こう動くと、十円玉は元の位置に戻った。





「ほ・かもいる・・・ほか・もいる・・・ほか・も・いる!!」

「他も居るっ!?」

3人が同時に叫んだ。

「他も居るって・・・こっくりさん以外の人っていうことなの!?」

3人は恐怖でいっぱいいっぱいの状態だった。

「こっくりさんではない方もいるということでしょうか?」

YES

この質問の答えには全員が恐怖に慄いた。

岩瀬さんと今泉さんは既に恐怖のあまり泣き出してしまった。

そこへ再び十円玉がスススっと動くと、十円玉はとんでもないことを示した。

「そ・こ・に・い・る」

「そこに居る!?」

「も、もしかして・・・岬ちゃんの・・・こと!?」

何かに弾かれたように一斉に3人が岬さんの方を振り向く。

そこには先ほどと何も変わらない岬さんが座っていた。

「岬さんについて居られる方でしょうか?」

と尋ねると



YES

「その方はこっくりさんですか?」

NO

「ではどのような方でしょうか?」

「わ・か・ら・な・い」

「岬さんから離れていってもらえるように言ってもらえますでしょうか?」

「で・き・な・い」

「どうしたら離れていってもらえますでしょうか?」

「お・は・ら・い」

「お祓い!?」

ざわめく4人。

「お祓いって・・・」

思わず口からこぼれた。

「私たちにはどうすることも出来ないよ・・・」

「どうするっ!郁子どうするっ!!」

「どうするの!?那乃君!?」

そう言われてもその時の僕にはどうしようもなかった。

しばらく沈黙が続いた。



ふと気が付くと廊下側が急に騒がしくなっていた。

声が聞こえる。


「なにやってんだそんなところで!」

「もうとっくに下校時間は過ぎてるんだぞ!」


あのクラスで何かやっていると噂に聞いた学年主任と担任が様子を見に来たのだ。

慌てた僕たちはこっくりさんに帰ってもらうよう話しかけた。

「き・よ・う・は・か・え・る」

そういうとこっくりさんはこつぜんと姿を消した。

「帰ってくれたみたい。もう離しても大丈夫ですよ!」


ちょうどそこに先生たちが入ってきた。

慌てて儀式の紙をしまう加藤さん。



「何やってんだ!またこっくりさんか!迷信なんか信じやがって!」

「こんなことばっかりやってると、学校で禁止にするぞ!」

「もう帰れ!」


廊下に出ていたみんながバタバタと教室内になだれ込み一斉に帰り支度を始めた。

岬さんに気が付いた先生が

「なんだ?お前は隣のクラスだろ!お前最近体調が悪いそうじゃないか。お母さんが迎えに来てるぞ!さっさと帰れ!」


4人でこっそりと

「あとで裏門で!」

そのあと3人の女の子は帰り支度を済ますと、岬さんを連れて隣のクラスへと向かっていった。




裏門に来ると、クラスの大多数が待ち構えていた。

内心

「めんどくさいなぁ・・・」

と思いながら適当に話をしていると、そこに岬さんを連れた3人がやってきた。

「あ!岬もいる!」

一人が気が付くと

「一体なにがあったの!?」

「もう終わったの!?」

「岬やばいんじゃないの!?」

矢継ぎ早に色々な質問がエスカレートする。

クラスのほぼ全員が集まっているのをみて加藤さんが

「見世物じゃないんだ!さっさと帰りな!!」

と手提げ鞄を振り回し追い散らした。


・・・加藤さん・・・凄いよ・・・凄すぎる・・・



程なくして辺りが落ち着いた頃、加藤さんが

「取り合えず私の家に来る?話も出来そうにないし。」



「それに先生は当てにならないし。」

「そうだよね・・・」

「ところでさあ・・・」

今泉さんがちょっと考え込みながら切り出した。

「岬さんって、どうやって学校まで来てるんだろう?」

「え?」

「今だって、放っておくとずっと立ったままでしょ?誰かが送り迎えしないと学校に来れないんじゃない?」

「!!」


確かにその通りだった。

放っておくといつまでもその場でぼーっとしてる。

岩瀬さんが急に思い出したように、

「あ!忘れてた!!さっき岬ちゃんのクラスの子から、お母さんが迎えに来てるって言われてたんだ!」

「先に言いなよっ!」

「ごめん!郁子ちゃん・・・」

「お母さんが迎えに来てるっていうことは正門かな?昇降口には居なかったし。」


正門まで行くと、岬さんのお母さんらしきおばさんが心配そうに立っていた。

岬さんを連れている僕たちに気付くと小走りに歩み寄ってきた。

妙に顔がやつれていて、何かに怯えているかのような印象だった。


「連れてきてくれてありがとうね・・・ここからは大丈夫だから、本当にごめんなさいね・・・」

「いえ、気にしないで下さい。大丈夫ですから!」

加藤さんが明るく答える。

そして、

「今日、お家にお邪魔しても宜しいでしょうか?」

「いえ、ごめんなさい・・・娘がこんな状態だから・・・」

「実はそのことでお話しなくちゃならない事があるんです。」

「え?」






岬さんのお母さんの車に乗り、程なくして家に到着した。

「おじゃまします」

僕たち4人は居間に通された。

「なにもかまってあげられなくてごめんなさいね。娘がいきなりあんなことになっちゃって・・・」

「いえ、ご心配なく・・・それで、話なのですが・・・」

加藤さんはいきなり話の核心を切り出した。

「お母さんはこっくりさんってご存知ですか?」

「はあ・・・最近学校で流行っている遊びのことですよね?娘から聞きました。・・・なんでもインチキだとかなんとか・・・」

「インチキなんかじゃありません!岬ちゃんがこうなったのも、こっくりさんのせいなんです。」

「こっくりさんの?」

「はい。・・・ただ、そこでちょっとしたことがあって、岬ちゃんに・・・・」

「岬に?」

「悪い霊が取り憑いちゃったみたいなんです・・・」

「霊が取り憑いた!?」

「信じてもらえないかもしれませんが本当のことなんです!この子がそれを見たって!」

この子って・・・僕?

「那乃君からも言ってよ!」

やっぱり・・・

「ちょっと待ってくださいよ、主人はあんなのインチキだって、子供の遊びだって言ってましたよ・・・」

親としては子供の遊びで自分の子供がこんな状態になったなんて、にわかに信じられるはずもない。

「えとですねお母さん・・・自分でも良く分からないことなのですが・・・」

僕はなんと説明していいのか分からないまま、お母さんをなだめるように話し始めた。

「僕の見た感じでは、殆どその儀式では呼び出す事が出来てないのですが、たまに呼び出せる事があるみたいなんです。」

そのまま話を続けた。

「このこっくりさんにはルールがあって、そのルールを守らないとこっくりさんに取り憑かれてしまうという事らしいです。」

「取り憑かれる!?」

お母さんはビックリして声を上げる。

「はい・・・岬さんもこっくりさんをやっていたそうなのですが、その途中でやめてしまったみたいなんです。」



「ま、まさか・・・そんな事で娘はこんなになってしまったというんですか!?」

お母さんはガクガクと身体が震えていくのが、僕たちの目にも明らかだった・・・

「はい・・・」

「そんな!そんな子供の遊びでそんな事になる訳ないでしょ!!」

ヒステリックに叫んだが、それはまるで自分に言い聞かせているかのようだった。

「本当なんです・・・僕たちは今日の放課後に岬さんを連れて、こっくりさんをやってみて、お祓いをしないとこの霊は離れないって言われました。」

「霊が憑くなんて・・・今の時代に・・・そんな事あるはずないでしょ!お祓いだなんて・・・」

急にうなだれていくお母さん・・・

「それでは・・・ここでお母さんも一緒にやってみませんか?もう一度・・・」

ここまで話すとお母さんがいきなり顔に手を当てると大声で泣き始めた・・・

僕たちはそれをただ黙ってみているほかはなかった。


暫くしてお母さんは、

「これで話が良く分かりました・・・」

何か突然理解したかのような口調になり、僕たちを見回すと

「ちょっとこっちへ来て、娘の部屋を見てもらえますか・・・?」

お母さんはそう言うと立ち上がり娘の部屋まで僕たちを案内した。

「驚かないで下さいね・・・数日前から、娘は変な物を部屋に持ち込んで・・・今ではこんな風になってしまっています・・・」

ガチャリと部屋を開けると、そこは目を覆いたくなるような惨状だった。


「キャー!!!!!」


3人の女の子達が顔に手をあて絶叫した。

どこから持ってきたのか分からないが、犬や猫、カラスの死体や蛇や色々な虫の死骸だらけで埋め尽くされていた。

「捨てても捨てても、いつの間にか増えていて・・・しかもいつ持ち込んで来るのかさえ・・・」

このシャレになってない情況に僕たちはどうして良いのか分からなかった。

これは本当にお祓いをしないことには、どうなってしまうかまるで見当もつかなかった。



数日後、岬さん一家は転校していった。

家も引っ越してしまい、その家は取壊されることになった。




その後彼女がどうなったのかは、今も分からない・・・



さらに数日後学校でこっくりさんが禁止になった。

勉強の妨げになるからというのが理由だった。

しかしどこからともなく噂が流れてきた。

禁止になったのは、こっくりさんが原因で2人亡くなったから・・・

というものだった。


新聞にこそ出なかったが、僕たちはその内の一人が岬さんでないことを祈った。


第1夜 完



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ