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救助隊編成(その2)

神馬ペガサス、ってスッゲ~

 明朝5時、空が明け始めるころ町を囲む城壁の中、司令官室の前に救援部隊の一行が集う。


 「最悪だな。」ロイドがつぶやく。

 昨夜より降り出した雨は雨足を強め今朝がたには風も出てきた。


 なぜか「あたしもロイドさんのお手伝いするわ。」と言って、ミヨチャンも参加している。

 

 身長120センチ、髪の毛は幼児なので細い黒髪、ちょっぴり茶がかってるかな?

 前髪はマユゲの上でパッツン、後ろ髪はなぜかオシャレに肩にかかるセミロング。

 今朝はピンクの布を使って大きなリボン結びで髪をポニーテールに結んでいる。

 まー、スリーサイズはどうでもよかろう、6歳児だからな(笑)。


 ミヨチャンは黄色いレインコートの上下を着こみ、その上から黄色い幼稚園の肩掛けカバンをしょっている。

 ポーション?らしき物が補充できれば、立派に救護の手伝いになる、とロイドもミヨチャンの参加を認めた。

 テルメル王国初の幼稚園兵(笑)の出陣である。

 

 「諸君、朝からご苦労様。

 今日の任務は友軍15名の救出だ。」

 アウラーデ子爵の訓示が始まる。

 雨足が強く、訓示が聞き辛いほどだ。

 

 各自、馬に乗った軽鎧の騎馬兵が12人、隊長はアウラーデ子爵。

 後発組として野営補助の幌馬車(2頭立て)が3台に冒険者たちが各3人ずつ、計9人。

 最悪の想定として往復4日分の夜営のための物資と装備を用意した。

 冒険者もギルドで確保できる最善の精鋭たちを招集した。

 

 遊軍として、現場案内にロイドと救護補助としてミヨチャン、も同行。


 「救援対象は馬車4台に各馬2頭、騎馬兵が計15人。

 彼らの隊長はヨーディ中隊長が指示している。」

 「昨日明朝の交戦、リッツラ高原の西端、レヴィ遺跡のほど近くが救援対象の最終確認位置。

 現在地より西方に約80キロ。

 順調に歩けていれば西方40キロ程度まで来ている、しかし現況では何とも言えない。

 本日中の帰還は絶望的である、補給部隊との合流、夜営箇所は西方35キロ、リッター街道のナワシロ滝前とする。

 15分後に全軍出立する、用意!」


 精鋭たちが準備を始める、行く先は魔獣の出る森だ。

 各自が武器の点検、馬の点検を行う。


 「お姉さん、昨日の森よね?」

 「えー、そうよ。」ミヨチャンの問いかけに馬上からロイドが答える。

 雨ですでにびしょ濡れである。


 「視界が悪いから、お空から探さない?」

 「?」

 「お姉さん、高いところ平気?」

 「騎士のわたしに怖いものなどない!」ロイドが(巨乳!)胸を張ってこたえる。


 「それじゃー、まずは下着を濡れてないのと替えて、朝からそんなに濡れてちゃ体力の低下がひどいわ。 鎧にシリコーン防水をかけるからお部屋で鎧を外して着替えて。

  今の5分、10分より、1日を考えればその方が絶対にいいの。

 説明している時間が惜しいけど・・・、」


 「いいわ、ミヨチャンがそう言うのならその通りにするわ。

 昨日はそのおかげで命を拾ったんだもの。

 ミヨチャン、急ぎましょ!」


 司令官室に戻りロイドは軽鎧を外して、びしょ濡れの下着を脱ぐ。

 替えの乾いた下着を身に着けると、まるで任務を終了したかのような錯覚に陥る。


 ミヨチャンが例のコップで何かをあたしの鎧にかけている。

 「これで完全防水よ、伸縮性、耐久性は十分あるから1年くらいそのままで平気?のはず?」

 ミヨチャンの自信なさげな物言いにはもう慣れたわ(笑)


 最後にコップから水を机の上にかけると、その水はモコモコと白く太い紐になった。

 「ウレタンフォーム、この太いのを顔と鎧の隙間に入れれば雨が入ってこないわ。

 ハナちゃん、時速60キロで飛ぶからすごい風圧よ。

 顔の隙間にギュッとつめて。」


 表に戻る、雨が!入ってこない、濡れない!

 「ミヨチャン、みんなにコレ、シリコン防水?できる?」

 「このくらいなら、すぐできるよ。」

 

 「アウラーデ隊長、魔法の鎧です!・・・」

 ロイドはアウラーデ隊長に駆け寄って鎧の防水のことを手短に話す。

 

  「確かに1日濡れないメリットを考えればこの30分のロストは楽に取り戻せるだろう。

 では改めて全軍出立!」

 全員の鎧にシリコン完全防水(笑)、顔の隙間にウレタンフォームを詰め込んで。


 改めてアウラーデ子爵の号令、顔周りのウレタンがカワイイ(笑)

 

 「おー、コレ濡れないぜ。」

 「1年、モツってよ!」

 「これなしで、雨の依頼行けねーわ!」


 冒険者たちがボソボソとしゃべっている。


 「ハナちゃん、行くよ。今日はお空だよ。」

 ミヨチャンがカバンから取り出したヌイグルミに話しかけている。


 ヌイグルミは白く輝くと巨大化。

 そこには大きな翼をもつ白馬、神馬ペガサスが!


 ハナちゃんがしゃがむ。

 前にミヨチャン、その後ろにロイド。

 2人がハナちゃんにしっかりとまたがるとハナちゃんは立ち上がる。

 ロイドは口ひもをがっちりと両腕でつかむ。

 

 「お姉さん、口ひもは腕にしっかり巻き付けて!落ちたら死んじゃうから!」

 

 準備が整ったペガサス(ハナちゃん)。

 「捜索、出発しまーす。」

 ミヨチャンとロイドがハモる。


 「ハナちゃん、今日は急ぐんだって!」

 ミヨチャンがハナちゃんに話しかける。

 ハナちゃんが頷くように首を縦に振る。 

 

 ペガサスははばたくとゆっくりと10メートルほど垂直浮上。

 そこで羽ばたきながらホバーリング(停止)。


 ペガサスの前方に光輝く道が空中に現れる。

 幅5メートルほどの半透明の輝く道はまるで昼間の”天の川”、のような幻想的な美しさ。

 西の方向にまっすぐに伸びている。

 

 「ヒヒ~ン、」嬉しそうに一声いななくと羽ばたきながら光り輝く道を踏みしめて一直線に西に向かって走り始める。

 加速する、加速する、加速する!


 視界の悪い雨空の中、瞬間で姿が消える。

 天空に輝くペガサスロードも蜃気楼のように景色に溶けて消える。

 唖然として信じられぬ光景を見送る一同・・・、

 

  「コホン、わが精鋭なる諸君、行くぞ!」

 開かれた城門から騎馬隊が出撃、そのあとを幌馬車隊が続く。


 「ロイドがおかしくなるのも当然か、・・・」

 騎馬隊の先頭で濡れない鎧に苦笑いするアウラーデ子爵、順応性の高い男である。


 「わが従妹殿は昔から出会いの達人だからな、さて凡人はボヤかないボヤかない。」

 あんたら、親戚だったのか!紙上解説アリ(笑)。

 

 馬上のアウラーデ子爵、ハンサムである(笑)。



 「ハナちゃんはお散歩では羽だけで60キロなんだけど、『急いで!』、って言ったから、ペガサスロードで走ったから200キロくらいだって(笑)。」


 「想定外の速さで酔ったわ、気持ち悪い、・・・」      (ロイドさん)

 

 


 


 

 

 


 


 


 

 

  

 

 


 

ダヨネ

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