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リューナとの打ち合い

今回は短めです。

「わしと?……いやぁ、止めといた方が良いと思うぞ?」

「やらないといけないんだよ。なにもしてなかったら怒られちまう」

「わし全然関係ないんじゃが」


 おいおい、友達だろ?なら助け合おうぜ?


「わしを見捨ててたやつが何を言うんじゃ!?」

「過去のことは水に流そうぜ」

「お、お主……わしは前竜界王なんじゃぞ?」

「それも過去だ」

「無茶苦茶な理論じゃ!」


 とか言いつつも、木刀を持って対峙するリューナ。てか、あれ?おかしいな。


「リューナってもしかしてめっちゃ強いの?」

「自慢するわけじゃないが、竜界王というのは強さによって決められるんじゃよ」


 俺の眼の能力。『魔神の義眼』を使えば、大概の弱点や隙が見えたりするわけだが…パッと見その弱点が見えない。少なくとも、今構えた段階では隙が見当たらないのだ。


「マジかよ」

「じゃから、わしが王位を引いたあとにはすぐにわしの次に強いやつが就いたのじゃ。一度戦ったが面白いやつじゃったよ」


 眼を細めて記憶を手繰り寄せるリューナ。その表情から伺えるのは、後悔とも懐かしみとも取れない、複雑なものだった。


「やっぱやめよう。他のやつ探すわ」

「カカッ、残念じゃがもう外野は固まってるようじゃぞ」

「あ?…………おいおい、見せ物じゃねえぞ…」


 リューナが笑いながら周囲を指差すので、軽く見回してみるとほとんどのクラスメイトがこちらを見ていた。暇なやつだなぁホントに。自分の練習しなさいよ。


「お。おいシュン?」

「ユウトか。助けてくれ」

「さっき自分で打ち合いやろうとしてなかったか!?」

「思ったより強そうでその気はなくなった」


 だって、見たら分かる強いやつやん。あんな強いと思わへんやん。竜の王様って強さで決まるとか知らないんですけど。酷くない?


「自分勝手すぎるぞシュン!それよりその女の人、前の練習試合でシュンのこと見てた人だよな?」

「あー、そういやその時にいたっけな」


 戦乙女聖騎士団との練習試合のときに、ちょっと前に会ったあのニアという団長さんと戦ったところをリューナは観ていたのだ。


「ここ最近は一人でいたから久しく戦ってなくての……加減できんかったら許すのじゃぞ」

「ぜってー許さんからなお前」

「まだなにもやってないじゃろ!?」


 というか、構えたままでずっと話をするのもあれなので、もう諦めて打ち合いを始める。


「あの騎士団の団長に勝ったんじゃ。お主なら避けれるじゃろ?」

「そんなこともあっ…あぶなっ!?」


 リューナがニコッと笑ったと思ったら木刀を投げてきた。一瞬の出来事に反応が遅れてしまった。そして頬に切れ目が走り、血が流れる。


「早速傷つけやがったな?」

「う、打ち合いなんじゃから仕方なかろう!?」

「今のただ投げただけだろうがこの脳筋っ!」

「ぐぬっ!?……しかし投げちゃダメだとか言われてないんじゃもん!」

「常識だろうが!」


 まさか投げてくるとは思わなかったわ。意表を突いてくるという意味では完全にやられたよ。


「木刀無くてもよいかの?」

「は?じゃあなにで打ち合いすんだよ」

「手刀なら、良いハンデじゃろうて。カカッ」


 愉快そうに笑い、手の形を作る。確かに、リーチの差というのは大きい。懐に入られる前に殺ればいいのだから。


「後悔すんなよ」

「楽しみじゃ」


 相変わらず笑みを浮かべるリューナに突撃する。俺の眼の性質上、基本的には受けに徹するものなのだが、心に余裕が出来たのか隙が見える。ここは責めてみよう。


「ここががら空きじゃないのか竜界王様!!」

「ほう、やはり分かるのか」


 全力で突進して木刀を繰り出す。が、軽くいなされてしまい、それどころか手刀で軽く首を叩かれる。


「ほい、終わりじゃ」

「……おいおい、ハッタリかよ」

「中々良い眼をしておるのう。流石は異世界人といったところか」


 リューナは俺の魔神の義眼のことは知っている。体とは全然違う魔力が出ていることに気付いたのだ。その時点でもうすでに気付くべきだったかな。リューナが魔力の違いが分かるほどには強いと。


「もう一戦だ」

「よかろう」


 周りの観客たちは水を打ったように静まり返っている。仮にも俺はユウトを倒した戦乙女聖騎士団団長を倒した男であり、結城美郷にも勝ったことがあるのだ。それが一瞬の内に倒されてしまうことに、気圧されているんだろう。


「はぁぁっ!」

「まだまだ」

「くそが!」

「ここに隙があるぞ?」

「おっらぁっ!」

「大振りの攻撃は悪手じゃのう」

「うるせぇぇ!!いちいちうるせえよ!」


 何度も何度もリューナに斬りかかるが、全てがいなされるか避わされる。隙はあるのだ。が、その隙が何個もあり、どれが正解なのかが分からない。どれもハッタリだとしたら打つ術はない。


「くそっ!ヒントはないのか…?」


 一旦距離を取ってリューナを見つめる。するとリューナの情報が頭に入ってきた。




学校から帰って書いてるので…ちょっと少なめです。土曜や日曜になればもっと書きます。しばしお待ちを!


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