異世界チームVS戦乙女聖騎士団④
テスト期間中に小説を書く勇気!(よって短い)
『両者配置につけぇい!!!構えてぇぇぇ……』
「連続の試合はやっぱり疲れるなー」
「容赦しないからねっ!」
「君、確かあれでしょー?妖精魔法を使えるって噂の異世界人ー」
「そうだよ!ほら、出ておいでモフモフちゃん」
「キュキューウ!」
「うわー、可愛いねー」
『か、構えてぇぇ……』
「フェレットー?」
「妖精だから分からないけど、フェレットみたいな形だよね。今度良かったら触ってみる?」
「触る触るー、僕可愛いの大好きなんだー」
『か、構え………』
そろそろ許してあげて。ミラン兵長が泣きそうになってるから。
さて、次は結城さんとセレナのバトル。先のバトルでセレナは体力を消耗している上、能力もバレている。圧倒的にこちらが有利だ。
『そろそろいいなっ!?もう始めるぞ!中堅対決!結城美郷VSセレナ!勝負………始めぇぇい!!!』
「よし!行くよ!モフモフちゃん!」
「キュウ!」
まずは先制で結城さんが魔法を飛ばす。得意の風魔法だ。
「直線上の魔法なんて、効かないよー」
素早く身を反らし、距離を詰めていく。反対に結城さんはジリジリと下がり、魔法を放つ。
「キュキュウ!」
「………っ!?へぇー、風魔法だけじゃなくて火魔法も使えるんだ」
「そう!だから負けないよ!」
数打ちゃ当たる戦法か。距離がある間はまぁそれでもいい。風魔法ならば風圧も少ない、だから砂ぼこりも立たない。
「意外とうっとうしいね………っつ!」
「一発当たっちゃったね!でも止めないよ!」
一度に何発も飛ぶ魔法の嵐に回避が追い付かない。矢継ぎ早に飛んでくる魔法のせいで近づくこともままならないようだ。
それにしても飛んでもないな…あの魔力量。あれだけ撃てば息の一つくらい荒くなっていてもおかしくないはずなのに、汗一つ流れていない。
「規格外過ぎるよ…いつまで続くのかなー?」
「セレナさんが倒れるまで、この魔法は止めないよ!!」
「うわわっ………土魔法まで使えるの………いたた」
地面が隆起し、岩が飛び出る。バランスを崩したところに風魔法が体を切り裂く。ふむ、一方的な試合だ。このままじゃあ何も出来ずセレナは負けることになるな。相性が悪すぎたってとこか。
「うーん………このままじゃあ勝てないかなー」
「キュゥ!!」
避けようとするが、刑部さんとの試合での疲労と止まらない魔法にどんどんダメージを受けていくセレナ。
が、ここで戦況が変わる。
「はぁ…はぁ…ふぅ…うわわっ、危ないなー!もう僕怒っちゃうよ!」
セレナが走り出し、猛ダッシュで距離を詰める。なんと急所だけをギリギリで避け、傷だらけになりながら走ってくる。
すごい精神力だ。もうすでに全身がボロボロのはずなのに勝つ気で溢れている。負けると思っていないようだ。
「な…なんでっ!モフモフちゃん!」
「キュ!」
ギリギリで避わされ、詰められる間合いに平静を装っていられないらしい。慌てたように魔法を放つが焦りのせいで的外れな方向に飛んだりもしている。魔法は精神状況にも関わるっぽいな。
「あれあれー?もう短刀が届いちゃうよー?いいのかなー」
「どどど、どうしよう!!」
「キュウ?」
どうしようって…どうするんだよ。これ以上近付かれたらもう反撃の機会もないだろ。
「じ、自信を持つ…自信を持って私…出来るはず…出来る出来る…」
「なにブツブツ行ってるのかなー?はい!おわーりっ!」
セレナが短刀を突き出し、結城さんの喉に突き刺さろうとしたその瞬間。
「ドゴオオオオオォォォォンッッ!!!!」
「「「「えっ!?」」」」
「何が起こった」
「爆発…だよね?今のって…」
「結城さんは大丈夫なのか?」
「大丈夫かぁー!?結城さんー!?」
「松岡うるさい」
突然爆発が起こり、爆風が舞い上がる。
これは…
「えへへ…危なかったぁ」
「美郷ちゃん!」
「結城さん!」
「大丈夫だったのか!」
「なるほど、そういうことか。えらく強硬な手段に出たもんだ」
砂ぼこりからまず出てきたのは結城さんだった。ところどころ怪我しているようにも見えるが、軽い擦り傷だろう。予め防御魔法を発動していたみたいだ。
要は、あれだ。地面に向かって火魔法を飛ばしたんだろう。それもかなりの高火力の。
セレナに当てるわけじゃなく、地面に当てるなら命中しないわけがない。恐ろしい威力の爆風でセレナとの距離をリセットした。それに妖精魔法で防御してもこれだけの傷を負うんだ。セレナは多分…
これは並の度胸じゃできっこない。やるな、結城さん。
砂ぼこりが晴れていく。そこには倒れた人の姿があった。
『うむ、完全に伸びているな!よし!試合終了!勝者、結城美郷ッッ!!!』
「「「「うぉぉおわぃあああ!!」」」」
どういう叫び声だよ。
「やったぁぁ!」
「ナイス!美郷ちゃん!」
「これであとは副将と大将のみだ!」
「結城さん、お疲れ!」
「んー…まあ、良い判断だったと思うぞ」
「うん!ありがとうシュンくん!」
ニコニコとする結城さん。ただ、一つ頂けないのは…
「無茶をしすぎだ。魔法で予め防御していたから良いものの、魔力の調整によってはもっと被害があったかもしれないぞ。俺たちのために勝とうとするのは良いことだが、結城さんが傷付いたりしたら元も子もないからな」
所詮これは練習試合。戦でもなんでもないのだから、怪我をすることなんてないのだ。
「シュンくん…もしかして気遣ってくれてるの?」
「は?」
「シュン、珍しいな!お前が俺以外に気遣うなんて!ちょっと嫉妬するぞ?」
「男の嫉妬は見苦しい…つうかもうお前発言がキメえよ」
「ふふ、なんだか嬉しいな、気遣ってもらえるなんて」
「いや、俺が言いたいのはだな…」
「まあまあ良いだろ宮坂!終わりよければ全て良し!結城さんは次の試合もあるんだし、休ませてやろうぜ!」
「だから…はぁ、そうだな。あと休む時間なんてないけどな、次は副将戦。焦らず行けよ、結城さん」
「うん!行ってくるねみんな!」
次は副将戦。相手はローリーとかいう奴。能力が分からないうちは攻め過ぎるなよ、結城さん。
『いよいよ終盤に近付いて参りました!!次は戦乙女聖騎士団の副将!ローリーとの戦いであります!戦乙女聖騎士団の副団長を勤めるローリーと、異世界チームの中でもほぼ無敗の結城美郷!さぁ、どちらが勝利するのか!お手元のボックスに勝つほうを予測してください!』
「相変わらず、稼いでんな」
「こういうとこもミラン兵長の良いところなのかもな、ははは」
「うぉぉ!俺は結城さんが勝つに賭けるぜ!」
「賭けんな、祈っとけ」
と、ローリーと結城さんが闘技場の中心で対峙した。
「申し訳ありませんが、そちらに勝利はあり得ません。私たち戦乙女聖騎士団が勝利をもらいうけます」
「私たちだって特訓してきたんだから負けないよ!」
『よぉし!配置につけぇい!!!行くぞ!?良いなぁ!?中堅結城美郷VS副将ローリー!!始めぇぇえい!!!』
長くなってきました。
もうちっとだけ続くんじゃよ。




