キャラ崩壊、そして堕メイド
今回はちょっとエロ要素があります。過激な表現ですがまあ、堕メイドですから。お許しください。
「ただいま」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
部屋に戻ると掃除機のような物を使い、ゴミを吸いとっているイルがいた。
「それ、掃除機か?」
「はい、魔力に呼応してゴミを吸いとる掃除機、その名も『吸いとーる君Ζ』です」
「それを作ったやつはネーミングセンス皆無だな」
「あ、これ私が作りました」
「お前そんな残念なのに妙なところでハイスペックだよな」
「残念とはなんですかっ!」
ぷりぷりと怒るイル。まあ名前はともかく、この世界でも掃除機を見ることが出来るなんてな。てそんなことはどうでもいいんだよ。
「ご主人様、目の色が変わってます?」
「あぁ、これカラコンなんだ」
「カラコン?」
「カラーコンタクト。要は目の色を擬似的に変えることができる」
「へぇ、そちらの世界には凄いものがあるんですねぇ」
「普通に生活していて必要になることはないけどな」
俺はコンタクトを外すと、その眼をイルに向ける。
「ほら、これを見てくれイル。なんか変な感じになっちゃったんだが…どう思う?」
「本当ですね、これは…十字架…えっ」
俺の眼を覗くイルの動きが急にとまる。
「嘘…っ!?」
「おい?イル、どうし────」
「ご主人様、貴方は…いえ貴方様は、『魔神』様でございますか?」
「…は?」
「その眼は私が崇拝する敬愛なる魔神様の瞳…それをご主人様がお持ちだなんて…」
なんだなんだこの状況。その潤んだ瞳で俺を見るのをやめろ。崇拝する魔神様?…待てよ、崇拝?
「イル、少し動くなよ」
「ひ、ひゃい!」
こいつの称号って、確か…
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ルル=イルタ ???歳
体力 B 魔力 +A 攻撃力 A 忍耐力 A
精神力 B 俊敏 A 総合戦闘力 +A
称号 上級魔族 魔王幹部 崇拝者 魔術を支配した者 メイドさん
上級魔族:魔族の中でもトップクラスの能力と地位を確保した者に送られる称号。全ステータスUP中
魔王幹部:魔族の王の使いであり、最も信頼されている者に送られる称号。魔王の能力の一部を貸し出せる。
崇拝者:あるモノに対して異常な程に執着及び信仰している者に送られる称号。ヤベーやつ。
魔術を支配した者:五属性の魔法を十分に扱える者に送られる称号。魔力UP中
メイドさん:メイドさん。魅力up小
情報:現魔王、ヘキセ=ジェルマン=シアトの補佐、及び幹部。現在は宮坂シュンのメイドとして人間界の様子見をしている。趣味は人間観察。
最近は光ヶ丘ユウトという人物と触れ合うことがあったがあまり関心はなかった。宮坂シュンと触れ合っている内に人間ではなく宮坂シュン個人に対しての興味が強くなった。
求めた情報:称号の崇拝者は、かつてこの世を支配したと言われる『魔神』を崇拝しているために与えられた称号。やべーやつ。
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「oh...」
「あ、あの、ご主人様?」
やはり、こいつの信仰している神は魔神らしい。そして俺の眼はその魔神を彷彿とさせるものらしく、目の前のイルは肌を紅潮させ息を荒くし愛おしそうにこちらを見つめている。
「わ…わ…」
「なぁ、イル?落ち着け?落ち着んだ。素数を数えろ。素数は1とその数でしか割れない孤独な数字だ。お前に勇気を与えくれる」
「私を…っ抱いてください!!」
「落ち着けぇッ!?」
コイツっ爆弾発言しやがって!!明らかに動揺してやがる!眼がグルグルしてるぞ!
「抱いてください!!私を!!」
「服を脱ぐな!俺は普通の人間だ!お前が思うような魔神じゃあない!」
「揉んでください!揉みしだいてください!」
「ダメだコイツどうしようもねぇ!」
話を聞きやがらねぇ、くそっ、もう完全に全裸だ。目の拠り所がない…
「ばかっ、押し倒すな」
「ご主人様ぁ!!」
「アーッ!」
飛んでもない流れのなか、俺は花を散らした…
「───なわけあるかぁ!!バカ野郎!!目を覚ませ!」
「ひゃうんっ」
全力のデコピンでイルを正気に戻す。するとなんとか戻ったみたいで額を擦りながら謝ってくる。
「すいませんご主人様…私ともあろうものが慌ててしまいました」
「はぁ…いいから服を着ろ」
「あっ…すいません」
恥ずかしそうにそそくさと着替えるイル。
「あ、あの…ご主人様のぉ…そのお瞳はぁ…なんでしょうか…?」
「……これは『魔神の義眼』だ。この世界に来る前、この世界の神様に貰った能力。だからお前が思ってるようなもんじゃねえ」
「魔神様の瞳なのですね!?あぁ!なんて美しいっ!!」
「もうヤダこいつ…」
「ご主人様…私をどうか踏みにじってください!」
「変態!変態変態変態!!怖いわ!さっきからお前怖いわ!息を荒くするな!」
「ハアハア…もっと罵ってくださいぃ…!!」
「キャラが変わりすぎだろぉ!?」
やばい、本来俺はこんなにうるさい突っ込みはしないのにあまりにおかしい状況なせいで突っ込まざるを得ない!
「俺は普通の人間!眼だけが魔神の物なだけ!」
「しかしご主人様のその異質な魔力はご主人様の全身に回ってますよ…?」
「は?おいおい、嘘だろ?」
「いえ、何故かは分かりませんがご主人様から溢れるそのオーラ…はぁあん!私の敬愛する魔神様と同じオーラですぅ!!抱き締めても良かですか!?」
「説明の途中だろ!続けろ!」
「ひゃいぃ!!魔神様が頼ってくれてます!あぁ私!幸せ…」
キャラ崩壊が激しすぎる…この駄メイド、魔神が好きすぎて狂信者に堕ちてやがる。これじゃあ堕メイドだ。
「はぁはあ…えっとですね。あぁゾクゾクしますその瞳…その魔神様のように力強いオーラはご主人様の全身に回っていまして…それはもう美しいオーラです。一切の淀みがない、完璧なまでのオーラ…」
「おい?それって俺、大丈夫なのか?」
「死ぬようなことはありません。むしろ強くなってると思います」
「なんだそれ…」
「その『魔神の義眼』とはどのような能力なのでしょうか?私めにお教えください!」
「あぁ、うん。えっとな、まあ簡単に言えば相手の能力や情報、ステータスって言って分かるか?筋力や魔力を可視化したものを見ることが出来る」
あとはまあ、戦闘中に集中すると反射神経が上がるのか、景色がゆっくりと動くようになるとか透視が出来るとか、そんな感じだ。
「魔神様の能力と同じですね!やはりご主人様は魔神様の生まれ変わりなのですね!?」
「だから俺は人間だと言ってるだろ」
「しかしご主人様の瞳は魔神様の瞳でございます!これはもうなるべくしてなったとしか言えません!ご主人様は魔神になる素質をもっていらしたのです!つまり魔神様の生まれ変わり!!」
「どんな理論だよ」
もう、こいつには何を言っても通じないらしい。
「はっ!ということは最初から私が魔族なのは分かっていたのですね!?」
「あぁまあ、そんな感じだ」
「はぁぁあん!!流石ご主人様です!!私のような雑魚魔族なんてすべてお見通しなんですね!?」
「お見通しなんですねじゃねえよ。お見通せねえよ。お前のそんな変態思考をよ」
「あっあっ!ご主人様に罵られました!!あぁっ嬉しい!」
「もうダメだコイツ、早く処理しないと」
最初のように親しみやすい感じだったら良かったのに、今のコイツはもうなんかただのやべーやつだわ。
「もう寝る。さっさとお前もベッドに入れ」
「ご、ご主人様…?それはもしかして私に添い寝を許してくださりまするのでしょうか!?でございますか!?」
「いつもしてただろうが。というか慌てすぎだアホ」
「おおおお、恐れ多いです!私のような俗物が魔神様であられるご主人様のベッドで添い寝させてもらうなどっ!!」
「そうか、俺はもう寝るからな。入りたきゃ入れ」
ベッドに寝転がり、すぐに目を閉じる。もうコイツの相手は疲れた。俺は寝させてもらうぞ。
「あぁ、ご主人様…」
ぐーぐー
「ハアハア…そんなに無防備にぃ…寝ちゃったら駄目ですよぉ…はぁはぁ」
ぐーぐー
「凛々しい寝顔…美しい…あぁ…こんなに美しい方はぁ…私が…私が護って差し上げなければぁ…」
ぐー…ぐー…
「ご主人様ぁ…あんっ…あっ、あっ…うぅん…んっ…あっ」
ぐ……
「ご主人様ぁ…切ないですぅ…あっ…ご主人様ぁ!!…私…いっいっ…イっ…ああっ!!!」
「寝れるかボケぇ!!ねえ何してんのお前!?人が寝ている隣でねえ!なにしてんの!?」
「ビクッビクッ……ビクンッ!!」
「おい!?なんでそんなに満たされた顔してんだ!?やめろ!その恍惚とした表情を今すぐやめろ!!体を痙攣させるなぁぁ!!」
生まれて初めて、こんな大声を出した。これ一生トラウマもんだぞ…
部屋の外にて。
爽やかボイス「シュンは居るかな?シュン、入るぞ───」
堕メイド「ご主人様ぁ!!あぁっ!ご主人様!」
爽やかボイス「えっ、イルさん?」
魔神様?「おいバカ!なんだまた服を脱ぐ!?」
爽やかボイス「服?また?えっ、それってどういう」
堕メイド「敬愛なるご主人様ぁ!!もっと罵ってください!踏みにじってください!抱いてくださいぃぃ!!」
魔神様?「怖い怖い怖い!!」
爽やかボイス「はわわわわ、はわわわわわわ」
堕メイド「はぁぁあん!ご主人様ぁ!」
魔神様?「やめろ!押し倒すな!やめてください!ごめんなさい!」
爽やかボイス「これは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だ」
堕メイド「はぁあん!これがご主人様…太くて大きくて…これは正にチン」
魔神様「正気に戻れ痴女!」
堕メイド「ひゃうん!」




