09 ゴブリンの巣
朝早く起き、ギルドでクエストボードを見る。
俺は昨日と同じゴブリン討伐を受けることにした。まあ、Eランクのクエストで俺が受けられる討伐系クエストはそれぐらいしかないがな。
早速門を出て、昨日襲われた森の近くの道に来た。
ここならたくさんゴブリンが出るだろう。それに今日は森の中に入ってみるのもいいかもしれない。
しばらく道を歩いているとゴブリン達が森から湧いてきた。
今日も多いな、もしかしてゴブリンの巣でもあるのか?
そう考え武器を構える。
いくぞ!(武技、身体能力上昇)
ゴブリン達に一気に近付き剣を横に振るう、この剣は切れ味が良すぎて、魔物が偶に持っている棍棒や木の剣まで斬り裂いていく、ゴブリン達を次々斬り裂き戦闘は一分もたたず終了した。
だめだ、ゴブリンだとレベルが殆ど上がらない、やっぱり、森の中には入ろう。
「クギャーーー!」
森の中に入ると、すぐさまゴブリンが襲って来た。
ゴブリンしかおらないのかこの森は?すぐにゴブリンを倒し、奥に進むが出てくるのはゴブリンばかりだった。
この森はおかしい、ゴブリン以外の魔物が一切出てこない。これは何かあるな。
そう思いさらに森の奥に入っていく。しばらくすると洞窟のような場所が見えた。俺はすぐに木に隠れ観察をする。
あれはゴブリンの巣?ゴブリン達が小動物などを洞窟に持って行っては出入りを繰り返しいる。こんな所に巣があったのか、道理でゴブリンしかでないはずだ。
おそらく他の魔物はゴブリン達の餌になったのだろう。
それにしても、出入りしている数が凄まじい、洞窟の周りだけでも30体はいるな、さてどうするかな。ここで、ゴブリン達を倒してランクを上げるのもいいか、流石にここまで大量のゴブリンを倒せばランクも上がるだろう。
しかし、あの数が一斉に襲ってきたら流石に厳しい、第4神界魔法を使えば一気に倒せるが、跡形もなくなりゴブリン達を倒しことを証明できないので却下だ。だったら洞窟から出てきたゴブリンが獲物を狩りにいく後をつけて1体ずつやろう。
1体のゴブリンにターゲットを絞り、後をつけようと足を動かそうとした瞬間、地面に落ちていた木の枝を踏んでしまった。
「ピキ!」
木の枝は気持ちいぐらいの音を立て、ゴブリン達の注目を集めた。
「クギャ?クギャ?クギャ?」
しまった!そう思った頃には既に3体のゴブリンこちらに近づいてきた。
くそ!もうやるしかない、覚悟を決め木に近づいて来たゴブリン3体の首を斬り飛ばし、(武技、身体能力上昇)を使い洞窟に向かっていく、ゴブリンたちは仲間が殺されたことに怒り狂い、醜悪な声を上げながらこちらに襲いかかってくる。
俺はオドをさらに練り上げ身体能力を上昇さる。
そして腕に力を込めゴブリン向かっておもいっきり剣を薙ぎ、一気に3体ほどのゴブリンを切断した。上から襲ってきたゴブリンを左切り上げで切り裂き、正面からのゴブリンを左から剣を振り下ろし断ち切る。これで8体。次!魔法を詠唱しゴブリンに放つ。
(サンダーボール/雷の球)
(ファイヤーボール/火の球)
(ファイヤーアロー/火の矢)
サンダーボールは鉄の剣を持っていたゴブリンに直撃した。おそらく剣は行商人か商人の馬車を襲って手に入れたものだろうが運が悪い奴だ。
ファイヤーボールは固まっていた2体に直撃し焼かれて死んでいった。
ファイヤーアローは一列に並んでいた3体を貫通した。
これで14体。幸いな事にまだ洞窟から援軍は出てくる様子はない、この間に倒す。俺はゴブリンたちの動きに集中しながら、攻撃を繰り出す。横に薙いだ攻撃はゴブリンの胸を切り裂き、横から襲ってきたゴブリンに首蹴りを繰り出し、首の骨を折る。その瞬間、木の茂みからきらりと光るものが飛んできた。
「ん!」
その光るものは俺の太股に突き刺さった。
「ぐぁあああ、これは!矢!くっ」
痛みに耐えながら茂みを見る。そこには弓矢を持ちながら笑っているゴブリンがいた。
「くっそ!」
(ファイヤーボール/火の球)
茂みのゴブリンを焼き、太股に刺さった矢を抜く。
「うっ!あぁー、はっはっはっ」
歯を食いしばりながら一気に抜き、そのまま片膝を地面に着き、足の治療に入る。
しかしその隙に、ここぞとばかりにゴブリン5体が突っ込んでくる。
こんなときに!くっ
(ファイヤーウォール/火の壁)
ゴブリンの目の前に火の壁を発動させる。ゴブリンはいきなり現れた火の壁に止まろうとするが、勢いを殺せず、そのまま火の壁に焼かれ死んだ。
火の壁を発動しているうちに回復魔法を唱える。
(ヒール/回復)
足の傷は徐々に塞がれて治り始めた。はっ、痛かった。この世界に来て初めて傷を負った。あの弓矢が太股だからよかったが、他の場所だとやられていたかもしれない、目の前の敵に集中しすぎ周りが見えなくなっていた。これからの課題だな。
傷が治りその場から立ち上がり、火の壁が消えた瞬間に飛び出し、残りのゴブリンを残滅していった。