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05 勝利

 「勝者、ソージ!」


 立会人のアリサさんから声が上がる。


 「待てえええええ~~~~!俺は負けていない、あいつが不正をしたんだ!」


 壁まで吹き飛ばせれたリーダーがこちらに来て、声を張り上げ抗議してくる。

 手加減したとはいえタフな奴だ。


 「いえ、彼に不正はありません。それは私アリサが証明します。それにあなた達は負けています。契約通りあなた達は冒険者ギルドから除名、口座のお金もソージさんの物となります」


 「ふざけるな~~」


 危ない!アリサさんに突然、殴り掛って来た。

 俺は守るように前にで、飛んできたリーダーに拳を腹にめり込ませる。


 「グフ!」


 奇妙な声を上げながら川に投げた水切りの石のように地面を滑って壁にぶつかった。

 あれやりすぎたか、息してる?


 「ソージさん、助けていただきありがとうございました。そして、すみませんでした」


 そう言い頭を下げてきてくれる。別に気にしてないのに。


 「頭を上げてください、俺は冒険者登録さえできれば十分ですから」


 「分かりました受付に戻りましょう」


 「この3人はいいんですか?」


 「大丈夫です。直ぐに警備の者を呼びます」


 そのあと3人は警備に連れていかれ、今までやってきた暴挙を調べ上げ、しかるべき処分が下されるようだ。全く人騒がせな連中だ。しかし今回は彼らのお陰で助かった部分もあるのだが。


 「ソージさん時間がかかってしまいましたが、冒険者登録おめでとうございます」


 受付に来た俺は早速登録を済ませた。


 「ソージさん、こちらを」


 首飾りのような物を渡された。紐の先には小さな丸い玉のようなものが付いていた。

 何だろう、玉の色は無色だ。

 これはただの玉じゃないのか?


 「これはなんですか?」


 「その首飾りの玉には魔法が掛っており、ソージさんの情報が入っております。ギルドでお金を引き出す場合にはその首飾りを提示していただき、本人と確認が出来た場合、口座からお金を引き出せます」


 凄い、そんな機能があるなんて、それに首にかけておけば無くすこともない。便利な首飾りだ。


 「ソージさん、それでは冒険者についての説明に移りたいと思います」


 「お願いします」


「ギルドには冒険者ランクというものがあり、FランクからSSSランクまであります。ランクはギルドへの貢献度や実力によって判断します。ランクが上がると、首飾りの玉の色が変わります。またBランク以上になるには、試験を受けてもらう必要があります。Sランク以上となると世間では級と呼ばれるようになります。Sランクは英雄級、SSランクは勇者級、SSSランクは人外級となっています。Sランク以上に上がるには、偉大な偉業や化け物じみた実力が必要となります。はっきり言ってSランク以上は桁が違います。その中には一国を滅ぼさせるほどの実力を持った者もいるほどです。そのため、Sランク以上の冒険者は厄介事に巻き込まれないために、迷宮にいることがほとんどです。ランクの説明は以上です。ここまではよろしいですか?」


 「はい」


 それにしても、迷宮に冒険者ランク、俺が読んでいた異世界ものの王道だな。


 「それでは、次にクエストについて説明させていただきます。クエストは自分の冒険者ランクより1つ上のランクまで受けることができます。但しパーティやチームを組む場合はその限りではありません。また、Bランク以上の冒険者には指名以来というものがあり、これは受けるのも断るのも本人の自由です。これで基本的な冒険者の説明は終わりです。さっそくクエストを受けられますか?」


 「いえ、今日はもう遅いので宿を取って明日の朝に来ます。お勧めの宿なんかはありますか?」


 「そうですね、ソージさんは今回の件でお金をたくさん手にいられましたので、クライの宿がいいと思います。クライの宿は入口から出て直ぐ左に行くとあります。この時間ですと、もうすぐ宿は混むので速く行かれた方がいいと思います」


 「分かりました。早速向かいます。今日は色々ありがとうございました」


 俺は早速宿に向かうことにした。


 「いらっしゃいませ、何拍お泊まりになりますか?」


 宿の女将さんがそう聞いてくる。綺麗な人だ。奥の方では、娘さんと親父さんが働いている。どうやら家族で宿を経営してるようだ。偉いな、娘さんの年齢は12歳ぐらいに見えた。その年齢で働くと日本なら訴えられるな。


 「とりあえず、10日間お願いします」


 「それでは金貨3枚になります」


 金貨3枚か、お金の価値はカオスの手紙の先に書いてあった。確かこうだ。



     銅貨=100円

     銀貨=1000円

     金貨=1万円

     白銀貨=10万円

     白金貨=100万円

     光銀貨=1000万円

     光金貨=1億円


 金貨3枚だから3万円ぐらいか、つまり1日3千円ぐらい。日本の宿なら考えられないほど安い値段だな。

 俺は金貨3枚渡し、鍵を貰う。


 「部屋は2階の奥の突き当りです。食事はどうなさいますか?」


 「いただきます」


 「それではこちらの引換券をお持ちください、1階の食堂が営業中であればいつでも交換できます」


 引換券で食事ができるのか、便利だな。それに10日分の30枚分貰った。これで食事がたくさんできるな。


 俺は食堂に行き早速1枚使うことにした。


 出てきた食事は普通のパンと野菜スープと肉、パンは普通の味だったが、野菜スープは今まで食べたことない味がしたが、とても美味しかった。肉は柔らかく、口に入れた瞬間肉汁があふれ出し、夢中になりながら食べた。ふっ、旨かった。異世界の食事悪くない。


 それから部屋に向かい中に入った。部屋の中は案外広く、ベットに机に椅子にタンスまである。

 これで、風呂まであれば最高なんだけど、風呂は貴族ぐらいしか持っていないようだ。まあ、体の汚れは魔法でどうにかなるからいいか。さて、今日は明日のクエストに向けてもう寝るか。

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