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10 ゴブリン殲滅戦

 洞窟の周りに居たゴブリンを全て倒した。それなのに援軍が出てくる様子はない、この洞窟は戦闘音が聞こえないほど広いのか、それとも洞窟の奥で待ち伏せしているのか、どちらにしろこのまま放って置く事は出来ない。


 洞窟の中は無数に道があるとかではなく、ただ真っ直ぐで広い空間が続いていた。ここまでゴブリンとで会わないとなると、おそらく待ち伏せ押してるんだろう。俺はいつ敵が襲ってきても対処できるように、剣を抜いておくことにした。


 しばらく歩くとゴブリンがたむろしている場所に着いた。そこにはゴブリンの親玉らしき存在が下っ端ゴブリンに何かを言っている。

 どうやらゴブリンが洞窟の外に出てこなかったのは、親玉がゴブリン達を招集したからだろう。

 洞窟の隅でゴブリン達に見つからないようにしながらそう考えた。

 ゴブリンの数は約50体ほどいる。このまま突っ込むのは自殺行為もいいところだろう。

 だから新たな作戦を実行することにした。

 その作戦はゴブリンの回収を諦めて第四神階魔法を撃とうというものだ・・・いや、確かにランクは上げたいけど命あっての物種って言うし、それに今回撃つ魔法はエクスプロージョンと違い死体が残る可能性が高い魔法だ。これならもしかしたらランクアップも可能かもしれない、そうと決まったら早速やろう。


 魔法を唱え撃つ準備をする。

 

 (サンダーライトニング/電光砲)

 

 この魔法は(ライトニング/電光)の上位系統にあたる魔法だ。

 正直なところこの魔法を使うのは初めてで不安が残るがしかたない。

 俺は覚悟を決め魔法を放つ。


 「クギャ!クギャ!クギャ?」


 飛び出した瞬間ゴブリン達に気付かれたが、魔法はすでにゴブリン達に襲いかかる寸前だった。

 

 「ギュイーン」


 魔法は奇怪な音を立てながら大砲球ほどのレーザとなりゴブリン達を貫き焼いていく。

その姿は惨たらしく、吐き気を覚える程だった。

 それにしても強力だ。しかもオドを込めている間は腕からずっと放たれるようだ。

 俺はそのレーザを横に反らし残っていたゴブリンを殲滅した。


 ふう、さすがに疲れた。

 それにしてもすごい威力だ。後ろの洞窟までも貫通している。

 この魔法を使うときは要注意だな。

 そう思いながら、辛うじて原形を残しているゴブリンを探し魔法袋に詰めていく。

 結果から言うと、原形を残しているのは8体だけだった。

 そのゴブリンの中で綺麗に残っているのはゴブリンの親玉だけだった。


 はあー、これではランクアップは無理そうだな。

 俺はそう思いつつも気を取り直し洞窟の先まで行くことにした。

 しばらく歩くと洞窟は狭くなり始め、途中でゴブリン達の食料庫を発見した。これは腐って病原菌が起こっても困るので焼いておいた。

 突き当りまで来るとそこには素晴らし物が目に飛び込んできた。

 

 これは、財宝!

 目の前に広がる光景は商人から奪ったと思われる商品がそこらじゅうにあり、その中には宝箱と思わしき木箱も存在した。

 ラッキー!これを売ればお金の問題は解決できるぞ!とりあえず、魔法袋にすべて入れ後でゆっくり見ることにした。


 冒険者ギルドまで戻ってきアリサさんにクエスト完了を伝える。


 「それではこちらに、ゴブリンをお出しください」

 

 「ゴブリンの数が多いんですがいいですか?」

 

 「分かりました。では後ろにある解体室まで来てください」


 アリスさんに案内され解体室まで来た。

 そこには魔物の解体作業をしている人たちがいた。


 「タールさん、ゴブリンを40体ほど置きたいんですがどこに置けばいいですか?」

 

 「おう!アリサじゃねーか!ゴブリンならそこに置いてくれ」


 俺は指定された場所にゴブリンを出す。


 「これは!ゴブリンジェネラルですか、これをどこで?」


 アリスさんが驚いた顔をしながら問いかけてくる。

 それにしても親玉ゴブリンはゴブリンジェネラルだったのか。


 「門を出て道なりに行って南に少し行ったとこの森の洞窟で見つけました」

 

 「あそこですか!最近行商人や商人の馬車が襲われる事態が多発していたところです。その中に宝箱などはありましたか?」


「はいありました。金品などは持ち主に返さないといけませんか?」


「いえ一度手元から離れた物は、拾った人の物です。しかしギルドとしましたは取引をして頂きたいです」


「取引ですか?」

 

「拾った金品の元の持ち主が、今の持ち主と話し合い金銭と交換する方法です。これは拾った方に権限があり、好きに金銭を提示でき、相手がその金銭の額でよければ取引完了という手法をギルドではやっております」


 なるほど、拾った持ち主は大もうけできるチャンスでもあり、元の持ち主も取り返せるチャンスがあり、ギルドにはその制度をすることで、元の持ち主に感謝され、拾った持ち主にも得があり感謝されるということか。

 そういう俺も金銭には困っている。神様からもらったお金はほとんどない、出来ればまとまった金銭が欲しい。


 「分かりました。取引をします」


 「それではソージさんが持っている金品を一時お預かりします」


 アリサさんは俺が渡した金品を1つ1つ丁寧かつ迅速に書類に記入していった。


 「出来ました。金品はお返しします。この書類は商人ギルドや冒険者ギルドで張り出され、持ち主が見つかった場合、ギルドの方から連絡いたします。その時に商品をお持ちになりギルドまで来てください」


 俺はそのあとクエストの報酬を受け取り、ランクアップをはたした。

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