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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第五章 治安維持
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81 選抜偵察隊②

「終わったか?」


「くっそっ…力強いなあいつ…」


グレンはエレナを振り払う為、暫く部屋から退出していた。


「こんなチンクシャのどこが良いんですかね?エレナさんは」


「お前黙らねえと、“単独強行偵察”やらすぞエリア」


「キャア、怖い」


「止めとけグレン、こんなド屑でもこの隊にはコイツ以上の斥候はいねえぞ。」


「エリア、また訓練するか?」


「はいすいません、静かにします!」


ヴォルゲンの問いかけに、エリアは口を紡ぐ選択をした。


「あれ、そういえばアイラは?」


「お前静かにするんじゃねえのか?あいつは今回はいらん」


「“欲しかったけどエレナ抑えさせなきゃならんから使えん”だろ?隊長」


「ミシュリットは連れて行くからな?先に言っとくが」


「ちっ!!」


「でっけえ舌打ちだなオイ、少しは隠す努力しようぜ」


「うるせえ木偶の坊」


「とりあえず話を始めて宜しいですかね?いい加減にして貰えます?」


「ああ、やるか…」


グレンが力なく進行を促す。


「まずは第一に。敵の本拠地を発見する事です。“安全に”」


先程グレンが口走った、強行単独偵察の事を言っているのだろうか。


思いっ切りグレンを睨み付けながら、ヴィクトルは話を続ける。


「第二に兵力規模の把握です。先程も話に上がりましたが、最低200から300は居るでしょう。


油断して勝てる差では有りません。」


「地の利は完全に、奴さんが持ってるしな。」


「慣れない場所で慣れない敵と、規模・戦術が分からない目暗状態で戦うなんてとても出来るもん


じゃないな。」


ガランとヴォルゲンが頷きながら話す。


「そんな事いわれた日にゃ、実家へ帰るわ俺。」


「あんた実家無いでしょ隊長」


「ああ今頃、焼け野原に草が生い茂っとる頃だの。」


「栄養もよさそうですしね、一面キレイな花畑になってんじゃないですか?」


「古来から受け継ぎし焼き畑農法だな、植物以外にも“色々”と”大量”に燃え取るからな!」


「いやぁ、絶対食べたか無いですね!その畑で採れた野菜は!」


「全くだな!俺だって嫌だね!トラウマ物だわ!ダハハハハハ!!」


グレンの言葉に、エリアが突っ込みを入れる。


二人はゲタゲタ笑っているが、空気が凍り付いた作戦室に佇むアラサー小隊長達は、とても笑えた


物ではなかった。


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