80 選抜偵察隊
小隊長達は一斉に声の主を見る。
「隊長自ら行くには性急過ぎじゃないのが?グレンさんよ」
まずガランが制止する。
「作戦計画は最終的には俺が立てる。なら端っから自分の目で確かめた方が早くて確実だ。」
「それはそうだが隊長、どんな相手だが分からん以上、指揮官を危険に晒すのは俺は反対だ。」
続いてヴォルゲンが難色を示す。
「危険なのは誰が行こうが同じだ。いずれ戦う以上は早いか遅いか…違いはその程度さね」
「いや、その為に僕らの“偵察小隊”が在るんですが?」
「お前らも行くだよ、何言ってんだ?…あれエリアお前カバン買い替えたのか?」
「何だ…ああはい、高かったんですよこれ。」
「金有るなあ…」
元は自分の金だか、グレンは当然知る由も無い。
「では、いつ行きますか?」
制止は諦めたのか、ヴィクトルが尋ねるもの
「早けや早い方が良いわな…今夜だな。」
「急で支度します。」
「いや…お前は待機だそエレナ…色々作業があるからな」
エレナに対して何か身の危険を覚えるグレン。
「まあいいや、今から呼ぶ奴は残れ。作戦会議はそいつらだけで続けるから、他の衆は解散だ。」
呼ばれた者、呼ばれなかった者。
何れも次の戦いに備えての準備に掛かるために動き出すのだった。
光が丘に行きたい。




