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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第四章 亡霊少女
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62 エリア先生の近接戦闘指南

「隊長・・・」


「なに?」


「良い顔をしてるね」


「そうか?」


「うん・・・凄い、悪い笑顔・・・・・・」


グレン達の眼前には、エリア小隊長と、アクレシア・レッドグレイヴ五年兵の近接戦闘訓練が執り行われている。


それを見るグレンが何故、悪い笑顔を晒しているかと言うと・・・





「エリア!!学生兵相手に何を手間取ってんだ!?真面目にやれ!!」


「良い声出すね・・・隊長・・・」


エリアは学生兵のアクレシアを相手にして、明らかに遅れを取っていた。


「やかましい!全力でやってます!!」


「アクレシア~顔狙って顔を」


「何言ってんですか!?アイラ!!」


「はっはっはっ!見ろ!アイラ!!あの無様な対処!!幼年学校からやり直せ馬ァ鹿!!」


「糞野郎!!テメエいつか後頭部ぶち抜いてやるからな!?」 


ズタボロにやられるエリアを、全力で嘲笑うグレン。


普段の状況からは、完全に逆転している。


余りに一方的にやられるエリアに、アクレシアが思わず声を掛ける。


「あの、すみません・・・エリア小隊長、付き合って頂いているのに・・・」


「君は君で、何謝ってんですかアクレシア!?歳上をそんな憐れんだ目で見るんじゃない!!」


「アクレシア~今だよ~ぶっ潰せ~」


「アイラ!!あの時仕留め損なったのを心底後悔してますよ!!今!!!」


「ハアッ!!」


「クッソ!打ち込み強!」


「セヤァ!」


「ああ!もうっ!?」


「あっ」


「バカが」

 

エリアの背後には壁が迫っていた。


いつの間にか壁際まで追い込まれていたのだ。


もう袋のネズミ


エリアは前に出るしかない。


そう認識した瞬間だった。



「ザリャア!!」



エリアは膝から崩れ落ちた。



「ッシャア!ザマァ!!」


「あ~あ・・・」




“いつか闇討ちしてやる”


薄れ行く意識の中で、強く心に誓うエリアであった。


普段の自分の態度が招いた事態とは、最後まで微塵も考えなかった。


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