59 学生兵時代
「隊長は、学生時代どんなんだったの?」
「抜け作ですか?今みたいに」
「色々言いたいけど、まず人と会話する時は、寝っ転がってケツ向けるのは止めんか?アイラお前
色気の欠片もねえぞ」
「良いから早く作って?」
「ハイザー達が、朝食作ってただろ・・・」
「足りない、あれじゃ」
何故か、エプロンを着けて二人の間食を用意している“戦闘龍”グレン
他の部下には見せられない姿である。
「前に言わんかったか?俺は士官学校五席卒業だ」
「基準が分からない」
「あ~、お前は野蛮人だからな」
「その野蛮人に、一方的に斬られといてよく言えるね」
「学歴は大事ですけど、別に戦場で楯になって敵の刃を受け止めてくれるわけじゃないですからね。
程々で良いんですよ、あんなモンは」
「お前三席じゃねえか!!よく言うわ!嫌味か!?」
「いや~割と適度に励んでいたら、いつの間にやら・・・」
「ほんとに嫌な野郎だよ」
「でっ?どんなだったの?」
「・・・・・・今と変わらんな?」
「ようするに、良いように周りに使われてたんですね?」
「自覚が有るなら手伝え!」
「隊長が最下位だったんですから、頑張って下さい」
先程開催されたボードゲーム大会において、最下位だったグレン。
食事提供はその罰ゲームらしい。
「ねえ、野蛮人に負けた気分はどんな気持ち?」
「最悪だよ!死ね!!二人揃って崖から飛び降りろ!!」
「やだ~生きる~」
「しぶとく、狡く、意地汚く生き残りま~す」
「くっそ、俺の周りこんな奴らばっかだ」
本当に、人には見せられない姿である。




