外伝 エリアとアイラのまちさんぽ
「隊長、いくらくれた?」
「ん~?ん~・・・・・・ぼちぼちです」
グレンが投げ渡した銭袋の中を改めるエリア。
「じゃあ、とりあえずあそこ行こ」
アイラは、一番近場の店を指差す。
「・・・あそこ高いんですよ、録に食べれず味も・・・」
エリアは渋い顔で伝える。
「あっちは?高くなさそう」
アイラは次の店を指す。
「値段相応の味です、お勧めは出来ません」
エリアは、やはり苦い顔を見せる。
「詳しいね、エリア」
「・・・以前、少しだけ滞在していたので」
「ふ~ん?」
「美味しい」
「高いですがね、この甘味」
「隊長、ありがとう」
「素晴らしい上司を持ったものです」
「はっくしょん!」
「風邪ですか若様」
「なんか、誰かに心にもない事言われた気が・・・」
「ぼちぼち帰りますかね」
「あ~薄暗くなってきた」
「今日は、夕焼けがずいぶんと・・・」
「紅いね、綺麗・・・」
二人か見つめる夕陽は、紅い光を艶やかに発していた。
「アイラ、ご存じですか?」
「紅い夕陽は死者が蘇る前触れ?だっけ?」
「どこで聞いたんですかそれ・・・」
「あれ?違う?」
「違いますよ、僕が言いたかったのは・・・」
ふっと鼻で笑うエリアが語り出す。
皇國の伝承の中には死者の復活伝説が残る。
“紅い夕陽に照らされし大地に亡霊戦士は降り立つ。
紅い戦士は幾千万の無念を糧に、故郷を侵す者を討ち滅ぼす”
「っと言った伝説が在るのですが」
「当ってるじゃん、謝ってよ」
「何でそんな攻撃的何ですか?続きがあるんですよ」
“紅い戦士は、黄泉の國に帰る事無く現世に留まり続けた。
紅い戦士は夥しい怨念を身に纏い、黒き鎧兜を身に帯びた。
黒き悪魔は紅き炎龍を従え、我が故郷を怨念の怨嗟と共に
焼き滅ぼした。”
「あれ?どっちも死んだの?」
「ええ、いつの間にか戦士から悪魔になって、討ち滅ぼしたらしいですよ。」
「何でだろ」
「“怨念の怨嗟を身に帯びた”と在りますから、殺しに殺され過ぎて精神が崩壊したっていうのが通説です。」
「通説?・・・実話なの?この話」
「さあ・・・まあ伝承という物は、何かしら真実が含まれているものですから」
「ふ~ん・・・」
「近しい者が現れるのは、その先触れだそうです。」
「詳しいね、エリア」
「昔話、結構好きなんですよ」
「それで休みの度に図書館行ってるんだ」
「はははっ・・・まあ、そんな感じです」
グレンの屋敷の前に差し掛かっても、二人の会話は続く。
エリア・アイラの話です。
これを書いている現在(3/1)は体調不良で仕事休みました。
体調管理には気を付けないと・・・