51 亡父の故郷
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報告より三日後、第六十大隊は暫くの休暇となった。
最後に持って行ったクロード第五中隊以外は、それなりの被害を受けていた為、立て直しが必要だったからだ。
最も、それは表向きの理由であり、実際には今回の城塞陥落の立役者となった彼らへのご褒美である。
グレンは、亡父の故郷へと向かった。
元々彼は亡母の故郷にて生まれ育ったのだが、開戦時にそこを侵攻され追われたのだ。
“何年ぶりだっけか・・・”
この地の士官学校卒業以降は一度も訪れていない。
“5年は経つか・・・”
物思いに耽っていたグレンだが・・・
「隊長」
「・・・」
「隊長」
現実が迫って来た。
「何だ・・・」
「後どのぐらいなの」
「呼んでもねえのにうるせえな、本営帰れば?」
「隊長、ひどい」
「うぜえ・・・」
なぜが帰省(?)に着いてくるエリアとアイラ。
事の発端は、エリアが会話の流れでアイラにあることを伝えてしまったからだ。
“隊長の帰省先、肉料理が名物らしいですよ”
“行こう”
「いや~すみません隊長。つい、うっかり口がすべっちゃいました~」
「よりうぜえ・・・」
「まあまあ!旅は道連れ世は情けって言うじゃないですか?」
「お前らと個人的な付き合いはしたかねえよ」
「隊長、まだ?」
「あ~!うるせえ、あと半日ありゃ着くわ!大人しくして!」
騒がしい旅は続く・・・




