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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第三章 山岳城塞奪還戦
34/137

33 左翼部隊、攻撃開始

いや〰働きたく無いっすね。


どうしたら働かないで生きていけますかね・・・


また東京旅行が楽しみです。


明日から仕事・・・


やだ〰

「第四中隊突撃!我に続けェ!」


ソフィアの合図とともに、第二第四中隊の左翼部隊が、ブラド隊と交戦中の壁上敵部隊の背後より攻撃に出た。


「何だこいつ等!どっから湧いて出てきやがった!」


「クソッ!挟まれたぞ!」


「大丈夫だ!後ろの連中は少ないぞ!先にこっちを討ち取れ!」


突如として現れたソフィア隊に対し、泡を食うと思われた敵部隊は意外なほど落ち着いて対処を始めた。


「隊長、何かコイツ等えらく落ち着いていませんか?」


ソフィア隊の部下が訝しんでソフィアに尋ねる。


「おかしいわね?前後挟み撃ちで、ここが負けたりしたら・・・いや時間を掛けたら城門が開けられる可能性があると思わないのかしら?」


「妙ですね・・・なにか嫌な予感がする・・・」


「ここまで敵が居なかったのは、単純に壁上に集中しているからだと思っていたけれど・・・」


「多分これは・・・」


「・・・やはり戦力をこちら側に割きすぎじゃないの?・・・グレン・・・」




ソフィア達の心配は的中していた。


「おおっ結構居るな」


グレンが声を上げる。


「1500ぐらいですかね」


エリアがざっとした目測を伝える。


「全く見ねえと思ったらしっかりと固めて在るのか・・・」


ヴォルゲンが苦虫を噛み潰したような顔で呟いた。


「そりゃ、ここ取られたら終わるでな、必死だろ敵も」


「600対1500・・・問題無いよ」


無表情でアイラが答える


「へっ・・・頼もしい女だよお前は」


「じゃあ、行くのか?隊長」


「ああ、あの連中はここで待ってたって動きゃしねえよ。完全な門固めの部隊だ。上がどんだけ苦戦しようがどこを吹く風だな、ありゃ」


グレンの視線の先には重装備で完全武装した兵士たちが、今か今かと待ち構えている。


「此処から先は、敵まで一直線だ。まず俺とアイラが先陣を切る」


「え?」


グレンの指示に対し、アイラが可愛らしく聞き返す。


「え?じゃねえ、食った分ぐらい働けバカ。俺とお前が先陣だ。」


全く表情を変えずに再度指示を出すグレン。


「ヴォルゲンは少し遅れて来い、400お前にやる」


「わかった」


「行くぞ」




城門内側に配置する兵士の前に、見慣れない人影が現れた。


普段見かける壁上の火砲兵の格好ではない。


壁上への増援の城兵でもない。


あれは、誰だ?


城門前がざわつき始めた。


その時


軍旗が見えた。


真っ赤な生地に、赤龍が炎を吐きつけ、地を焼き尽くすデザインの旗だ・・・


あの旗は・・・


そう


あの忌々しい旗は




❝焼き尽くす炎龍❞




「❝戦闘龍❞?・・・」




そう誰かが呟いた。




「第二中隊突撃!!!」


「グレンだァ!!!❝戦闘龍❞!!!グレン・バルザードが来たぞォ!!!」 


「隊長に続けェ!」


「前進!前進!」


「突っ込めェ!」


「ぶちかませ!」




そうして、グレン第二中隊の戦いの火蓋が切って落とされた。


これよりこの場所は、最激戦区となる。

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