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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第三章 山岳城塞奪還戦
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30 寡黙な武将

「ブラドさん!結構やれるんじゃないですか、これ!?」


崖上より降下したブラド隊は、敵の迎撃隊と熱戦を繰り広げていた。


「そうです!グレンにわざわざ手柄をくれてやらんでも、俺たちだけで!」


当初想定していたよりも押し込めているのだろう。部下がこのまま我が隊で手柄を立てるべきと進言している。


「冷静になれルース、トーン、敵はこのままこちらを目掛けて意識が集中している。

下手に動いて一呼吸させてしまえば、こちらの狙いが露呈するやもしれん。

大隊長の指示通り、あくまで本命はグレンの左翼だ。」


「・・・わかりました」


渋々といった形だが、部下二人は引き下がった。


まだだ、まだグレンは来ない。


完全に右翼壁上に敵を引き付けなければ、城門までグレン隊がたどり着けなくなる。


そうなればこの作戦はご破産だ。


正面軍は何千人死んだのだろうか?


自らの部下は、すでに何人も討ち取られている・・・


何人も、何十も、何百も、何千もの犠牲の上で、自分は今この場で、敵を一身に引きつけるという重大な役割を背負い立っているのだ。


必ず、成功させなくてはならないのだ。


その為に、自らの武勲など気にした所で何になろうか?


今はひたすら耐え続け、受け続け、引き付け続ける。


今、この場において、自らの役割はそれだけだ。


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