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127 武具の点検整備①
「そういや最近、矛の手入れしてなかったな…」
書類整理が終わると、グレンはここの所自らの武具の手入れ不足を思い出した。
「提出物の確認には時間が掛かるから……手入れしとくか…?」
思い立ったが吉日とばかりにグレンは自室に戻る。
「…刃と柄の接続部にガタが来てる………固定具が折れたぜオイ……」
いざ整備をすると、非常に悲観的な状況であった。
「石突もこんなに丸まってなかったよな…?そうだよな、こっちでも敵歩兵を突き殺したことあったもんな…」
柄の後方の石突と呼ばれる部分の不具合が伺える。
「そもそも全体的に歪んでねえかこれ……?良くこれで死ななかったな俺…」
主武装の更新費用という単語が頭に浮かび、グレンは矛を離す。
「短刀の方はだいぶマシか、そもそも最近使ってねえもんなこれは」
矛とはうって変わり、綺麗な刀身の短刀をグレンは眺める。
「硬い敵さんはハンマーかメイスの方が、よく潰れるからなぁ……
矛にしろ打撃系にしろ一撃で決まることがほとんどだから、短刀を最後に殺しに使ったのっていつだ…?」
武器の手入れに一段落が付くと、次は防具の点検に移る。
続く




