123 新小隊長
本来の赴任地に帰参したグレンは、休憩もそこそこに済ませ、各小隊長を召集した。
「まずはお疲れさん」
グレンはその場にいる配下に労いの言葉を掛ける。
「ホントだよ」
まずガランが反応した。
「いつもと勝手が違う相手だから疲れたな」
続けてヴォルゲンが感想を述べる。
「隊長、連行した盗賊の頭はどうなってるんですか?」
エリアが今回の主目的の行方を尋ねる。
「物事には順序があるんだよ、そんな事も分からんならお前もう黙れ喋んな」
「辛辣」
「隊長」
「何だアイラ」
アイラが挙手をした。
「寝てて良い?」
「良いよ」
アイラを全く見ずに応えるグレン。
「いや良くねえだろ!」
ガランが正当な抗議をする。
「今回の話にコイツ関係ないから」
「なら呼ぶなよ...」
今度はヴォルゲンが突っ込んだ。
「一応小隊長には話を通しとこうと思ってな、こんな馬鹿娘でも曲がりなりにも小隊長だし」
既に寝入ったアイラをはたくグレン。
「扱いがひでえ」
「それで話は変わるが、先に捕縛した盗賊頭もとい皇國北方軍第六師団に所属していたクルツ・ヴァレンタイン元北方軍千人将の扱いだか、大隊長らとの協議の結果、我が隊の小隊長を任す事になった」
「やっと欠員補充か...長かったな...」
「敵をスカウトして補充ってのも、大概おかしな話ですけどね?」
「慣れろ」
ガラン、ヴィクトル、ヴォルゲンがそれぞれの言葉を述べる。
「どの隊を任せるんですか?」
存在感の薄いメルヴィン小隊長が配属先を尋ねる。
「今の兼務は誰がやってたか?」
その質問にはヴィクトルが答えた。
「私と、エレナとヴォルゲンの隊が兼任です」
「じゃあヴィクトル、現時点を持ってお前の兼務を解く。新任小隊長のクルツに兼務小隊を引き継げ」
「承りました、直ちに」
そう言うとヴィクトルは、満面の笑顔で、足早に部屋を出ていった。
まだクルツの顔通しも済んでいないのだが...
余程兼務を解かれるのが嬉しいのだろう。
「出ていったぞアイツ」
「ほっとけ」
それをガランが指摘するが、グレンは完全にスルーした。
「隊長、残りの二隊の兼任はどうする?」
ヴォルゲンが質問する。
「それは前に言ったように、ガランの所のミシュリットと、アイラの所のランドかミリアリアを上げりゃあ終わる話だな?」
「だからそうなったら誰が俺のケツ拭くんだよ!?」
ガランが情け無さすぎる抗議を上げる。
「てめえで拭くんだよ27歳児!後進育成までミシュリットに投げつけてるの知ってんだからな!?てめェでやれよ!!」
それをグレンは冷たく突き放す。
「私も絶対に手放さないからね!」
アイラはアイラで、鋭い眼光で断固たる意思を伝える。
「あれ?お前起きてたの?」
別の角度から驚いたグレン。
「俺らの兼務は、まだしばらく解けないなこりゃ」
「ですね」
ヴォルゲンとエレナは既に諦めの境地に達しているのか、特に心境の変化は見られない。
まだまだ会議は続きそうだ。
続く...




