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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第五章 治安維持
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114 追撃④

「くそっ・・・そういう事かよ・・・ 」


部下に道案内をされたグレンは、眼前に広がる光景に思わず悪態をついた。


「見事にやられたね、隊長」


「うるせえ喋んな」


「ひどい」


グレンの目に映るのは、戦闘の末に討たれた亡骸と、捕縛された山賊団こと北方軍第六師団の兵士たちだった。


彼らは待ち伏せを受けたのだ。


森林地帯を抜けたこの開けた地で、息を潜め隠れていた第三中隊の急襲を受けた彼らは、散々に討ち取られた。


生き残りは二百人ほどだろうか。


誰一人として無事な者は居ない。




「それで・・・あの人は何処だよ?」


「奥にいるそうです」


「奥?」


部下の指差す方向を見ると、古ぼけた山小屋のようなものが見えた。


「あの廃屋か?」


「あの中で敵の頭に尋問をしているそうです」


「げッ、行きたく無いんだけど俺。そんな凄惨な事件現場に」


「でもさっきディッセンバー隊長がお呼びでしたよ」


「聞かなかった事にして帰りたい」


「そのまま大隊長に報告されますね、どっちが良いですか?今行くか、後で大目玉食らうか」


「何で俺、中隊長にもなってこんな修羅の二択を突きつけられてんのよ・・・」


「運命でしょ、そういう星の下に生まれ落ちているんですよ、隊長は」


「爆発して消え去れそんな星」


「とりあえず早よ行ってください、お待ちですから」


「あ~こんな時に限ってエレナいねえんだよなぁ・・・」


「あの人連れてったら収集つかなくなりますよ」


「だからだよ」


ブツクサとつぶやきながら、グレンはディッセンバーの待つ廃屋へと向かう・・・


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