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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第五章 治安維持
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108 追撃

「多分こっち」


グレンを筆頭とした第一追撃隊と、ガランを隊長に据えた第二追撃隊は、それぞれの勘を頼りに野盗団の行方を追って疾走している。


グレンはアイラを、ガランはエリアを先頭に置き、懸命に山間部を駆け巡っている。


「ホントにこっちで良いんですか?!」


隊員の一人がグレンに大声で尋ねるが、彼に分かるはずも無い。


「ならお前が先陣切るか?!」


グレンも苛ついているのか、かなりの大声で返す。


「有らぬ方角行きますよ!自分の部屋を目掛けてね!」


「俺だって家帰りてェわ畜生!とにかく走れ!アイラに置いてかれるぞ!」


「そもそも何であいつは味方撒こうとしてんですか?!馬足が早すぎる!」


「知るか!あいつは普通に走ってるつもりなんだろ!!」





「恐らくこの方角です」


騒がしいグレン隊とは対照的に、もう一方のガラン隊は、静かに追跡を試みている。


「どうして」


「あちこちに何かが通過した跡が有りますから」


エリアが指を指す方を見るが、ガランの目に特に変わった物は映らない。


「例えば木の小枝が折れていたり、草むらが不自然に倒れていたりです」


「へえ」


「しかし気になるのは、先ほどアイラ達も何かを発見したらしいと報告が有りましたよね?」


エリアはヴォルゲンにもう一方の状況を聞く。


「らしいな」


「考えられるのは、どちらかが罠であり、この先には敵の待ち伏せがいる。

それとも撹乱の為に、少数がわざと痕跡を残している。

またはただ単に、二手に別れどこかしらで合流する」


「お前はどれだと思う」


「さあ」


ガランはエリアに尋ねるが、素っ気なく返された。


「何にせよ、走らない事には何も分かりません。急ぎましょう」


「たとえ見付けた所で…俺らだけで対処出来るかは分からんがな…」


ヴォルゲンがボソリと不吉な事を口走ったが、全員聞こえないふりをしながら走り去って行った。



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