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103 支援小隊③
「小隊長!敵の後続が引き返してます!」
一瞬にして前方半分を討たれた敵騎兵は、来た道
を引き返す。
「叩きますか」
「止めとけ」
追撃を進言する部下を、エリアは制する。
「今ならやりたい放題ですよ」
「そういう指示だ、隊長からのな」
「中隊長の?」
「何故です?」
エリアの部下らは疑問をぶつける。
「あの前方隊は囮だな…下がった後続が本命だ」
「…どういう事です?」
「威力偵察擬き、とでも言うのか…あの前方隊は
多分、此処らに昔から居た賊だ」
「…山岳師団の兵では無い、と?」
「半信半疑だったがな…まあ実際、練度の差は明ら
かだった」
「肉壁に賊を使ったと…」
敵のやり方に部下は口をつぐむ。
「下がった連中はな、後で纏めて捕縛しろと」
「無理でしょ」
「冗談ですよね?」
「冗談じゃ無えよホントに」
攻撃中のぐれんを思い浮かべ、エリアは愚痴を
こぼす。
「さて、次だ次。まずはあの守備櫓、その次は城門だ。
ちゃっちゃと撃ってドカドカぶち壊すぞ」
エリア隊の活躍は続く。




