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102 支援小隊②
「走れ走れぇ!真っ正面から攻め入る愚者共を
皆殺しにしろぉ!」
敵の騎兵隊の先頭を駆ける男が、鼓舞を掛けた。
敵の士気が高い。
このまま敵騎兵とまともに打つかれば、いくら
精鋭集団の第二中隊と言えど、歩兵部隊の攻城隊
が一溜まりも無いのは明白である。
歩兵は騎兵には勝てない。
グレンが先日見せた芸当は、グレンだから出来た
事だ。
ならば、第二中隊はこのまま為す術無く、使命を
果たさず敗れ去るのか?
それは否である。
「先頭を狙え」
「あの声がやたらデカいのですか?」
崖上のエリアは、配下の砲兵に指示を出す。
「そうだ……今だ撃て」
山岳砲が一斉に火を噴いた。
崖下に動く者は、もう居ない。