109/137
101 支援小隊①
崖上に布陣している火砲群を擁する支援部隊。
その指揮官を任ぜられた百人将エリア・シュナイダーの元に配下の
兵士が駆け寄ってきた。
「急報!ヴォルゲン小隊長の部隊から緊急連絡です」
「どうした」
慌てる部下を尻目に、エリアは切り立った崖を見下ろす。
「後方門から敵の騎兵が出陣した模様!凡そ百騎!一直線に中隊長
達の攻める前方門へ向かっています!」
「へぇ、そうか」
地べたに膝をつくエリアは、素っ気なく返事を返した。
「どうします?」
「逆に聞き返すが、ほっといて良いのか?」
「不味いですね」
「攻城隊歩兵三百、対して精鋭騎兵部隊が百騎」
「ついでに守備隊も居ますよ、敵さん」
「普通にやれば、歩兵側は全滅だけど・・・」
「隊長なら普通に勝ちそうですよね」
「普通に勝つだけじゃ意味無いよ」
エリアは静かに立ち上がる。
「もうすぐ敵さん来るからな、歓迎会の準備といこうか」
「では直ちに」
「こっちもだいぶ盛り上がって来たな」
その時はもうすぐ訪れる。