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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第五章 治安維持
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94 状況把握

出動中の小隊長を集め、グレンは敵アジトの説明をしている。


「じゃ、とりあえずザラッと説明するわ」


言葉とともに、小隊長達はエレナが地面に描き起こした概略図に目を向ける。


「出入り口は前と後の二箇所、城門は一般的な開き戸、素材はおそらく鉄製」


「跳ね上げ式じゃないならまだ良いわな」


「前回は味方がエラい被害受けましたからね」


グレンの説明を受けヴォルゲンとエリアがそれぞれの感想を述べる。


「だが前回と違って崖側からだいぶ離れとるから、そのまま駆け下りる訳にはいかん」


「いやあんなの無理だろ」


「第一だから出来たんだろアレは」


「やかましい、だから山岳砲の準備ができ次第突撃する。前後の城門に部隊を分けて配置が完了次第、こ


この高台から下方の砦内に砲撃を開始する。」


「扉はどうすんだ?今は開いてるが有事には当然閉められるだろ?アレは」


ガランの指差す先には、砦のいかにも頑丈そうな城門が見受けられる。


「うまく砲撃でぶち破るしか無いな」


「大丈夫か?こんな真横からじゃ射角が取れんだろ、ちょうど建物の影に隠れてるし」


グレン等が今居る位置は、ちょうど砦の真横の高台となっている。


城門は前後共に頑丈そうな建屋の影に隠れている。


通常の火砲とは異なり、今回第二中隊が使用する山岳砲は、小型で軽量かつ分解して持ち運ぶ事が可能と


なっている。


しかしその分、威力・射程は劣る。


「そこはエリアの手下がなんとかすらあ…なぁエリア」


「知りません、責任ばっかりおっ被せないで下さい」


「…な?」


グレンはガランに答える。


「”な?”じゃないよ”な?”じゃ!今のどこに信用できる要素が有ったよ!!」


「大きい声出すな?大きい声を…聞こえちゃうだろ?敵さんによォ」


ガランが本気で声を荒らげれば、グレンは完全に砕けてそれに応える。


「隊長、真面目にやろうか」


そして最後にヴォルゲンが静かに諌めた。


「あっハイすいません。とりあえず俺とガランかヴォルゲンが、それぞれの突撃隊を連れて前後に挨拶行って


来るわ」


「玄関とお勝手口両方に挨拶するたぁ、中々律儀なこって」


「俺は清く正しく懇切丁寧なイケメン青年将校だからな」


「………ふっ」


アイラが鼻で嗤う。


「おい小娘、お前どこの部分で笑った今」


「んん~?さあ?」


「お前今すぐ突撃しろ今、一人で」


「え~?やだぁ怖ぁい」


「お前らイチャついてるな!戦場だぞここは!!」


「だからでけえ声出すなって言ってるだろガラン!」


ヴォルゲンの一括で、その場は静かになった。


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