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皇國の防戦記  作者: 長上郡司
第五章 治安維持
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92 嫌な予感

アイラ小隊の隊員が、本隊の天幕に飛び込んできた。


「きゅ…急報、です。隊長!急報です!!」


息を切らせながら必死に伝えようとするが…


「何だ?」


グレンはエレナと山岳地図を見渡し、根城の在り処を推察している。


「いや、なんと言うか…その、とにかく来て下さい!」


「アイラが来いって言ったのか?」


「見たほうが早いと」


「どうします?」


エレナが地図から目を離し、グレンに問う。


「凄え嫌な予感がする…行きたくねえなぁ……」


「同感ですが、この慌て様からしてかなりの事かと。」


「はぁ…しょうがねぇ、行くか…」


グレンは大きく息を吐くと、ノソノソと立ち上がり天幕を後にした。

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