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92 嫌な予感
アイラ小隊の隊員が、本隊の天幕に飛び込んできた。
「きゅ…急報、です。隊長!急報です!!」
息を切らせながら必死に伝えようとするが…
「何だ?」
グレンはエレナと山岳地図を見渡し、根城の在り処を推察している。
「いや、なんと言うか…その、とにかく来て下さい!」
「アイラが来いって言ったのか?」
「見たほうが早いと」
「どうします?」
エレナが地図から目を離し、グレンに問う。
「凄え嫌な予感がする…行きたくねえなぁ……」
「同感ですが、この慌て様からしてかなりの事かと。」
「はぁ…しょうがねぇ、行くか…」
グレンは大きく息を吐くと、ノソノソと立ち上がり天幕を後にした。