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少し未来の出来事

 目の前に広がるのは、壮大な連鎖反応。

 埋めた地雷の一つが爆発し、その影響によりまだ爆発が起こり、更にまた別な爆発が起こる。

 鳴り止まない爆音、衰える事を知らない爆炎、そして茫然とする俺と相棒。

 この爆発の連鎖反応を引き起こしてしまったのは、何を隠そう俺と相棒だ。

 ただし、故意に起こした訳ではなく、偶然そうなってしまったのだ。


 本来なら、一つ一つを独立して爆発させる事により、標的の動きを阻害して、その隙を付いて攻撃をしようとしたのだ。

 しかし、結果は目の前の惨状が示す通り、失敗に終わった。

 どうやら地雷の威力を強くし過ぎたか、はたまた爆発の方向を間違えたか、一つ爆発したら連鎖して行ってしまったのだ。

 あと、単純に仕掛けた地雷の数が多過ぎたってのもあるかもしれない。流石に約百個はなぁ……。

 そして、肝心の標的は既に爆散しているのだが、爆発は終わりを見せない。


「なぁ、相棒?」

「何だい?」

「これ、どうやって収拾付けるよ?」

「ふむ……流石にこの爆発の中、未だ爆発していない地雷を回収しに行くのは自殺行為だ。下手をすれば自分が吹き飛んでしまうのでな」

「まぁ、それもそうだよな」


 近付けば自滅。解除しようと赴いても自滅。何か事を起こそうとすればその先にあるのは爆散と言う結果しかない。

 このまま地雷を全て爆発させるしか方法はないかな、やっぱり。

 だったら、なるたけ早く全てを爆発させた方が危険は少ないか。


「仕方ない、俺は今から遠距離攻撃をして地雷を意図的に爆発させようと思う」


 そう言って俺は弾を撃って遠くにある地雷を爆発させる。

 爆発の勢いはちょっと増してしまったけど。


「なら、私も微力ながらも手伝うとしよう」


 相棒は自分の胸を叩くと、何故か新たな爆弾……手榴弾を取り出す。


「ん?」

「これを使えば一気に爆破出来ると言うものだ」

「ばっ、待」

「それっ」


 相棒は得意げにピンを抜くと、俺の制止を聞かずにそれを爆発が続く場所へと投げる。

 しかし、遠くへ投げた筈の手榴弾は何故か俺と相棒の真後ろに落ちる。


「おや?」

「おや? じゃねぇ! 早く逃げねぇと」


 ボガァァアアアアアアアアアアアン‼


 俺が言い終えるよりも先に、手榴弾は爆発した。

 この手榴弾は相棒お手製の、威力が底上げされたものだ。

 俺と相棒は手榴弾の爆発をもろに受け、今尚爆発し続けている地雷原へと吹っ飛ばされていく。


「あ、これ終わった」

「あっはっはっは」


 俺は諦め、相棒は笑いながら爆心地へと落ちて行く。

 絶対に無事では済まない。

 ただ、実際に死ぬ事はない。

 何せ、ここはゲームの中だから。

 あくまで仮想空間での出来事なので、実際の身体が火傷を負ったり、四肢が欠損したりする事はない。

 まぁ、それでも好き好んで死地に赴きたいとは思わないけどな。

 抵抗する事無く爆心地に落ちた俺と相棒はその身を爆炎に焼かれる事になる。


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