47. 少女漫画と女子高生
知人に遭遇したくない。そんな時に限って、コソコソとしている様子が目に付いたりするのだろうか。
「会長・・・?」
わざわざ少し遠出をして入った、大きめの本屋。少女漫画の棚の前で出くわしたのは、千歳がもっとも会いたくなかった人物の一人、吹雪だった。
「あっ、いやこれは・・・」
丁度件のマンガの最新刊を手に取ったところだったから質が悪い。これでは(現行犯)だ。
「会長もその漫画好きなんですか!面白いですよね!」
「ち、違っ、私は別に・・・」
慌てて本を棚に戻したけれど、何を言っても苦しい言い訳にしかならない。ならば、と千歳は話題をそらす方向へと舵を取った。
「吹雪も買い物?ここ、あんたの家からじゃ遠いんじゃないの?」
「あぁ、母が仕事で出かける用事があったので、ついでに乗せてもらったんです。ここの本屋、品ぞろえがいいですから」
「そ、そう。確かにここがこの辺りじゃ一番大きいわよね」
「えぇ。新刊もちゃんと置いてくれてますから」
吹雪は先ほど千歳の持っていた本を手に取ってニッコリ笑って見せた。舵を握っているのはあちらだったようだ。逃げられそうにない。
「会長もこれを買いに来たんでしょう?別に照れなくてもいいじゃないですか。ただの恋愛もの、ってわけでもないんですし」
「いや、だから私は・・・」
せっかく遠くの本屋まで足をのばしたというのに、これでは意味がない。千歳が答えに詰まっていると、吹雪は一人納得したようにうなずいた。
「成程。会長さてはこういうのガラじゃないから恥ずかしいって思ってる人ですね?」
「ぐぅ・・・」
ぐぅの音も出ないという言葉があるが、こうも図星を突かれてはぐぅの音しか出ない。黙り込む千歳を見て、吹雪は何かを思いついたらしく時計を確認した。
「会長、この後時間あります?」
「?ある、けど・・・」
帰ってのんびり新刊を読む予定だったから、予定なんていれていない。
「少し付き合っていただけませんか。いいものをお見せしますよ」
「いいもの・・・?」
警戒するように眉をひそめた千歳に、吹雪はすぐわかりますよ、と肩をすくめただけだった。
お久しぶりです
遅くなってしまってすみません^^;
今後も間が開くかもしれませんが、お付き合いいただけると幸いです
次の更新は比較的すぐ出来ると思いますー(*^^)




