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掌編小説集3 (101話~150話)

龍の入れ墨

作者: 蹴沢缶九郎

それはそれは立派な龍の入れ墨を背中に入れている男がいた。男にとって背中の入れ墨は威厳の象徴であり、自慢であった。男の入れ墨を日頃から見ていた弟分は、


「兄貴の龍の入れ墨はいつ見ても迫力があって格好いいなぁ。」


羨望(せんぼう)の眼差しを向け、兄貴分である男もまんざらでもないのだった。


そんな男は、風呂を一日の最大の楽しみとしていた。一時間ほどかけてゆっくりと湯船に浸かる。まるで一日の疲れが湯に溶け出していく様な感覚が好きだった。


そろそろと良い所で風呂から上がり、


「出たぞー。」


と呼ぶと、「へい、ただいま」と弟分がタオルを持参して脱衣所にやってきた。タオルで男の身体を拭いていた弟分が、「あれ?」と首を傾げる。


「どうした?」


と聞く男に弟分が答えた。


「いや、兄貴の背中の入れ墨の龍がぐったりしてる様に見えるんですよ。まるで湯船の中で溺死したみたいな…」

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