第1章➖始まり➖
〈駆side〉
涼はほっとけって言ってたけど、クラスのことだし聞いてみるだけしとこう!
「どうしたのー?」
「あ、翔さん!それがですねぇ…」
「おい、言うなよ!」
会計の進藤 心ちゃんが言おうとすると、副委員長の松木 雄二が遮った。
「これはクラスのことでしょ?僕たちには教えてくれないと!」
ちょっと大きな声で言うと、
「分かった、分かったから、大きな声出さないでくれ。実はな、文化祭費がなくなってしまったんだ。でも、あんまり言うなよ!俺らが責められる!全部ではないとはいえ、ほとんどなくなっちゃったんだ。」
これはちょっと問題だな…、優勝目指してる人たちは絶対怒るし…
「あ、いいこと思いついた!僕に任せてよ!」
「ほんとに!?なんとかしてほしいな!
私の予想では荒木 友哉が盗んだんじゃないかと思ってるんだけど…」
荒木くんかぁ、クラスでも浮いてる子だしな…。
「で、どうするの?」
自信たっぷりに俺は答える。
「それはね…
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「それで、俺のとこ来たのか?」
「うん、手伝ってほしいんだ!」
「おれじゃなくてもいいだろ…」
「解決してくれたら、準備手伝わなくていいって!」
なん…だと…
そしたら準備期間サボれる!いや、でも、めんどくさいのに変わりはないしな…
でも、断ったらさらにこいつ言ってきそうだしな…
「分かった、やってみてやるよ。ただし、解決できるかは分からんぞ。」
「うん、それでいいよ!」
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翔side
「しかし、ほんとに涼が解決できるのか?あいついつもぼーっとしてるじゃないか」
雄二が言う。
「まぁ、普段は確かにね…。まぁ様子を見てみようよ。」
いざってなったら彼ほど頼りになる人はいないけどね…。